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ダッフルコート 1

 ダッフルコート 1


「ちょいとかっくん」

 と、彼女、もとい、やすさんが話しかけてきた。

 それはいつもの事であり、にやにやしながら俺と漫画の間に顔を挟み込む。


「……なんです?」


 俺は顔をあげて、……


「このスクール水着、着てみない?」


「……着ないよっ!?」


 ――とりあえず断った。


 やすさんの中で何が化学反応して何が起こってスクール水着を携えて俺の部屋に着てその上俺に着せようとするのかはっきり言って全く謎で――


「いやいや、一回着てみなよ。絶対癖になるって」


「ならないっ!」



 何をどう考えると癖になるのだろうかっ!?そもそもにして、スクール水着を着ることに目覚めた男はすでに何かがっひどく間違ってるだろうがっ!



「そんなこと言いながら心の中ではきっと――」


「やらねえよっ!?何をどう考えても着るのが嬉しいんじゃなくてそれは着て貰うのが嬉しいだけだろう!?」


「じゃあ私が着たら即しこるわけだ」


「どんな発言だっ!?」


「……ところで、かっくん」


 正座し、仕切り直し、という感じで、こほんと咳一つ。

 まさかまたなんかあったのか?……毎回どうでもいい小ネタを仕込んでくるから、本当に此奴は油断ならない。以前は、着の身着のままこの家を出る事態だったからな……。


 俺も仕切り直しということで座り直す。正座。乗るな。だれるな。話を進めろ。



「……なんです?」


「ちょっと待ってね」


 さりげなくスクール水着を机の上に置かれた……。いや、いりません。大丈夫。




「……等価交換ということでパンツ貰っていいかな?」




「なんに使うつもりだっ!?ていうかなにゆえっ!?何処の変態だっ!?ていうか俺のパンツと交換する理由が何一つわからないっ!」


「此処の変態です。じゃあそういうことで」


「そしてリアクションが薄いっ!?ていうか奪ったっ!?そして嗅ぐなっ!どんな変態だっ!」





「かっくんが私のパンツを頭から被ってたのと一緒だよっ!」





「待った!被ったんじゃない!被らされたんだ!勘違いするだろぅ!?」


「……ニュータイプ?」


「そして違う!その返しは予想してなかった!感知が良い?――無理が在るよ!?ていうか人類の革新が頭にパンツを被ることだったらアムロもきっとシャアに協力してただろうなぁ!?」


「ほら、変態さん」


「確定っ!?新人類って頭からパンツを被ること!?」


「そんな事言いながら、喘いでいたじゃない。ひたすら悦楽たのしんでたじゃない」


「発想がおっさんだよなぁ!?ていうかさっきからボケが渋滞起こしていて、俺が何を言ってるのか最早わからないんだけどっ!?」


「共にゆこう!変態への道を!」


「いかねえよっ!」


「はぁ……これだからツンデレの男は面倒臭い」


「何処にデレの部分があった!?」





「ところで、私告白された」





「――は?」


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