スーパー主婦
スーパー主婦
旦那さんが仕事に行くと、主婦の時間が始まります。
というと、語弊がありますが。
子供がいたらこんな時間はないでしょうね。と考えながら、パソコンを起ち上げ、依頼のあったサイトをカタカタとデザインします。元々の仕事の延長上なので、さして苦労せずも仕事が入って来ます。仕事で使っていた名前が男っぽい名前なので、えろーんな業者からの依頼もよく入って来ます。
……限界まで趣味および性癖を全開にして……ゲフンゲフン。
あー……あー……
失礼。間違えました。
クライアントが望む以上の仕事をします。
別に給金がいいし張り切っちゃうんだから!
というわけじゃないんだからね!
しかしまぁ、ねぇ?スーパー主婦からすればこれくらいは当然。
ちなみにどうでもいいけど、私は心が読めます。
え?
いやそんなさらっと言うな?
いやいや。
だって読めるって言っても、表面的な表情みたいなモノだけですもん。
隣を歩いてる旦那さんが例えば道沿いの巨乳に目を奪われた、とかだけです。
――脳内ピンク!
その瞬間、スーパー主婦たる私のアッパーカットと脇腹抉りのダブルコンボが発動しますけどね。
「ほがぁっ!?……ぐっへぅ……」
「……うふふふ」
「あー……なつさん?俺、なんかした?」
丈夫なところがまたなんとも言えない魅力です!
……いや、別段そういうプレイとかじゃないって。
元気だけどね!(色んな意味で!)
ていうか、……何しに来たの?……いや、私もうそういう仕事をする気ないんだけど。いやだって、ほら。デザイナーって仕事あるときはお金入るけどそれ以外の時ってサービス業みたいにいれば入るってわけじゃないじゃない。
だからたまたまその……ねぇ?そういう仕事に手を出していたわけで。
というわけでその話はおしまい。
で、……相談?
いや、あんたの相談ていうか恋愛は私の範囲外だから。
もういっその事三人で頑張っちゃえば……
ちょっと!えぇ!?真面目に!?いいの!どこのエロゲ―!?
後は二人を説得って真面目に!?ていうか此処でそんな事を決めて良いの!?
え?
大事なのは場所じゃない?
心がけだ?
……いや、名言ぽいっちゃ名言ぽいけど。
……ていうか主婦って、なんかこう話題性が乏しいというか。せいぜいが旦那さんへの愛を語るとかイチャラブスタイルとかそんなんじゃない。
後は愛憎溢れる近所の奥さん達の井戸端会議の実況とか?
うーん……
スーパー主婦と言うからにはなんかこうインパクト欲しいわよね。
え?心を読めるだけいいじゃない?……いや……。
言うても、ねぇ。
え?何?アレがあるじゃない?
アレって……
「なつさん、なつさん」
「何?」
「えーと……焼きそば食べたい」
「私の飯が食えないと言うのかぁ!」
「言ってねぇよ!?」
「手抜き料理サイコー!」
「確かに。悪くないな」
「アルゼンチンバックブリーカー!」
「図ったな!謀ったな!?なつさんっ――ぎゃああああああああああああああああ」
……プロレスも得意です!えへっ!
……みたいな……だと?
「いや、何を言ってるんですか。全く。得意じゃなくて、そもそも過剰防衛蘭ちゃんと言えばなつさんであり、その暴力性はギフ―――ぎゃああああああああああああ!探偵なのに!探偵なのに肉弾戦っ!?どこの最近のほーむ――ぐへっ」