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猫と神社

 猫と神社


 エロ漫画家という職業を何故選んだかと聞かれたら、デフォルメした女の子をえろく、男性向けに描けたから、という面白味のない理由しか出てこないあたり、自分のなんともしょぼい人生経験の裏打ちな気がする。

 いやぁほら。

 汁だくだくでゆりゆりんな経験はないし、ひたすら丸一日彼とこもって、なんて事をした覚えはない。むしろ、そういう事でまるで上手くいってない欲望のはけ口と言うか?

 何て言うの?


 自己満足?


 ……いや、誰が美人過ぎる盗賊だ!


 そこまでやばくはないわ!


 多分。


 とまぁ、私はすでに三十路手前で、ひたすらだっくだくでえろーんな三角関係ラブラブものとか、にょーんとしていて、ぐちゃってる注入しているモノをひたすら描いてるわけですが。

 昔はファンタジーとか、王家の宿命とか、そういうがんじがらめからの脱却恋愛物語を書きたかったのですが、今では等身大で妄想であり得ないけれど期待しちゃうエロ描いてます。……でへ。

 まぁお金が貰えるだけ嬉しい、ということだろうと納得している。


 え?私?勿論、女ですよ、女。


 まぁ、ペンネームが男っぽいのでよく勘違いされますが。

 だから周囲でアシスタントしかり、男ッ気がゼロ(意外にも)で、挙げ句、化粧の仕方ってなんだっけ?となっている私の現状を見かねた友人に今日は久しぶりに町に連れ出されたわけです。

 服装に至ってはさんざん着古して個人的には良い感じになったジーンズに、シャツ。それにパーカーでジャケット。

 で、その久しぶりに会った見かねた友人に言われたのが、


「……良し、服を買いに行こう」


 ……ちょっと待て。

 私の格好はそんなひどいのか?

 軽く傷つくぞ。

 と思いながら、手を引っ張られたのでそんな事を言うタイミングもなく(都会は人が多い)わたわたと焦る。

 そもそも男の子……いや、お互い三十路手前なのだから、男の子と言うのはおかしいかもしれないけれど、幼馴染みの彼とは言え、異性に手を引っ張られるというなんとも言えない状況……。


 なんだこれ……。


 どこのべたべたのエロ漫画ですか……?

 大好きな2ちゃんのSS並じゃあないか……。

 そしてもうすでにこんなネタであおかーん描こうかなと思ってる私の救いの無さ。

 いつからこうなった?


 まぁというわけで彼に連れられ、


「似合うじゃん」


 ……此奴、私をどうするつもりだ!

 嬉しいじゃなイカ!

 などとほっぺが赤く染まって服が新しくなったが、やっぱり着てるのはさっきと同じ格好。


「いやおれ、そもそも中野のその格好好きだし」


 ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!


 どうした!?


 マジで嬉しいじゃなイカ!


 ラブ米神でも降臨したのか!?新米の割に上手じゃないか!

 

 ってちょっと待て。


 なんだ、この三十路にしてこの状況。(いやまぁ正確に言えば二九ですがね)


 しかしよくよく見てみると、此奴は本当に顔も含めて良い体をしている。


 ……じゅるり。


 おっと。


 思い返してみれば中学生、高校生の時のヌードは此奴を脱がして描いてたんだよな……今考えるとスゴイシチュ……

 そう考えるとスゴイ付き合いである。

 普通高校生が裸になればそれはもうばっちこーいの関係以外の何ものでもないだろうに。

 全く持って、


「ところで……さ」


 改まった様子で話し出す。


 私はストローでずぞぞぞとなんちゃらまきあーと(美味しい)を飲みながら身を乗り出し、


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