人間縮小化計画
極東の小さな島国は、常に問題を抱えていました。
少子化と高齢化、税金対策と経済対策、増える自殺者…ですが最も気に病むべきはその土地面積でした。
医療が進んだおかげで人が中々死にません。技術が発達したので皆が裕福になり、家という個人的空間を求めるようになりました。また、物の価値も付随して壊れ、簡単に物を捨てるようになり、ゴミの排出量が増え、埋め立てが間に合わなくなってきました。歴史的、芸術的建物や絵画を後世に残すためのスペースが年を重ねるのに比例して必要になってきました。
人と建物とゴミ。極東の国はそれらのもので埋め尽くされていました。中央機関はこの問題に何十年も前から気付いていましたが、為す術がなかったため沈黙を守っていました。ですが、それももう潮時です。今や国民の殆どが、人口過多と土地不足に気付いていました。
海を越えた国からも、早く対策を練るべきだと忠告を受けました。
人を殺すのはどうだろうか、移住させるのはどうだろうか。
人間の尊厳、権利そして生活を守りつつ、この問題を解決する方法はないだろうか……。
そこで提案されたのが、人間縮小化計画なのです。