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男の娘天使と草食系男子の邂逅です!!(前編)


=友樹視点=


俺が住むワンルーム。小さなテーブル越しに、俺とイオフィエルと名乗る少年は向かいあっていた。

俺は疑いの目全開でイオフィエルを見ているが、イオフィエルは一切気にしてないのか笑顔のままだ。


「えーっと、君は天使としての役目で俺を結婚まで導く為に来た…と。」


「うん!!」


「そして君は役目を終えるまで天界に帰れない…と」


「うん!!」


俺の質問に、イオフィエルは元気に返事する。

今更ながらに思うが、無警戒に家にあげたのは失敗だった気がする。

自分を天使と思い込んでいる不法滞在の外国人の可能性もあるからだ。


「えーと…なんか天使だって事を証明できたりする?なんか…免許証とか。」


俺は冗談を交えながらイオフィエルに言う。

これで本当に免許証みたいのを出して来たら笑えるんだけど…。

笑顔のイオフィエルは俺の質問を予想していたのか、俺の言葉を聞くとニンマリと笑い、頭上に光り輝く光輪と、背中に二対四枚の純白の翼を出現させた。


さっきから色々非常識な事が連続した為か、そんなイオフィエルを見ても、天使って本当にいたんだな…くらいの感想しか出てこなかった。


「あー…それでイオフィエルだっけ?」


「イオって呼んでいーよ!親しい天使にはそう呼ばれてるし!」


腕を組んでフンスッと偉そうに鼻を鳴らすイオフィエルーーイオに、ちょっと頭が痛くなる。


「そっか…それならイオ。その…悪いんだけど帰ってくれない?」


「なんで!?」


俺の発言に驚くイオ。

なんでって言われても…。


「誰かに急かされて結婚したく無いっていうか…。」


イオはあんぐりと口を開けて俺を見る。

そこまで驚く様な事か…?


「急いで結婚して何が悪いの!?人間は短命なんだから結婚は急いだ方が良いでしょ!」


「それはそうなんだろうけど…こっちにも自分のペースがあると言うか。」


「君のペースに合わせていたら一生結婚しないかもしれないじゃん!?君みたいな冴えない顔の男、ボク様が協力しないと一生独身だよ!?良いの!1人寂しく死んでも!」


「ちょっと失礼じゃない?」


小さなテーブルをバンバンと叩きながら、イオは怒った顔で失礼な事を言ってくる。

別に一生結婚出来ないとは決まってないだろ!?


「ほっといても結婚するならボク様はわざわざ天界から来ないの!ボク様が役目を受けたって事は、君はこのままじゃ結婚出来ないってこと!」


イオの言葉に衝撃を受ける。

いや…まだ27歳だし、これからじゃない?最近は30歳過ぎての結婚も珍しく無いし。


「とりあえず!俺にはそういうの必要ないから帰ってくれない?」


「やだっ!!」


「はぁ!?」


俺が断ると、イオは寝転がってジタバタと駄々をこね始めた。


「やだやだっ!ボク様は絶対にお前を結婚に導くんだ!それがボク様の役目なんだー!!」


まるで子供の様に駄々を捏ねまくるイオ。

見た目が美少女同然の少年なので、見苦しく見えないのがずるい。


「なんでそこまで俺の結婚に執着するんだよ。役目って言ってたし、失敗したら何かあるのか?」


人一人が結婚出来なくても、そこまで影響ないんじゃないのか?

するとイオはピタリと動きを止めた。テーブルの向こう側を覗くと、イオは冷や汗を流していた。


「えっ。本当に罰則とかあるの?」


「いやー…そのー…。」


イオは起き上がると、指を突き合わせて動かしながら目を逸らしている。

この反応、絶対に何か隠してる。

それも多分中々やばい事を隠してる反応だ。


「…言ってくれたら協力出来るかも知れないんだけどなー。」


「…わかった。」


俺が協力出来るかもとチラつかせると、決心したようでイオは話し始める。


「実は…天界でお酒に酔った勢いでセフィロトの樹に放火しちゃって…。」


「セフィロトの樹!?たしかそれって凄い重要な樹じゃなかったか!?」


よくゲームやラノベでも見るけど、原初の樹って呼ばれてる大事な樹だったよな?

それを燃やすって…いや、それより酔った勢いっていうのが問題だろ。


「普段は酔うまで飲まないよ!?その時はたまたまいっぱい飲んじゃっただけで…。」


「いっぱいって…どれくらい?」


イオは顎に指を当てて、思い出す様に上を見る。


「200リットルくらい…?」


「200っ!?」


人間なら確実に死ぬ量!てか飲みきれない!それより200リットルもその体のどこに入ったんだ?天使と人間だと、そこまで体の構造が違うのか…?


「だからボク様に役目を果たさせて欲しいんだよっ!このままじゃ天界から追放されちゃうし!可愛いボク様からのお願い聞いてよ!」


お願いっ!と頭を下げるイオ。

確かに大変な状態だし…イオのやった事は最低でも、流石に可哀想に思えて来た。


「はぁ…。わかった、協力するよ。」


俺の言葉に反応したイオは頭をガバッと上げた。


「本当!?本当に協力してくれる!?」


「まぁ…俺にとっても悪い事じゃないし。」


俺は頭を掻きながら、そう答える。

まぁ、イオも困ってるし…。人?助けと思えばーー。


「じゃあ今から、人間の女と繁殖して来て!!そこら辺を歩いてる女で良いから!!」


「前言撤回!!やっぱり協力出来ない!」


なんでぇ!?と驚いているイオ。

当たり前だろ!この天使は結婚を何だと思ってるんだ!!というか繁殖って言うな!


「この偉大なる智天使の長のボク様が、矮小な人間如きに頭を下げてるんだよ!?滝のように涙を流しながら承諾するべきでしょ!?」


「見下した態度が表に出て来てるぞ!!」


この天使、今さっきまでの殊勝な態度は演技だったのか!?


「はぁー!!子供らしく可愛い演技して損した!!いいからボク様の命令を聞けよ!脆弱な人間めっ!!」


こ、こいつ…顔が可愛いだけで、性格クズじゃねーか。

それでもプリプリと怒ってる姿は、嫌悪感を感じさせないから可愛いって罪だ。

でも、絶対に協力なんてしないけどな!

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