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監視役の登場です!!(後編)


=友樹視点=


あれ…なんか地面が見える…。

どういうことだ?さっきまで家にいて、イオと布団の引っ張り合いして…確かイオの目を見ていたら…そこからの記憶が全く無いんだけど…。

俺は自分に何があったのか思い出しながら、固い地面から身体を起こす。


「おおっ!福岡君、目を覚ましたんだな!良かったぞぉ!!」


「うえっ!?遠賀課長!?」


地面に座り込んでいた俺に、いきなり遠賀課長が抱きついてくる。

な、なんだ!?なんでいきなり遠賀課長が抱きついてくるんだ!?まだ俺は夢見てたりする!?


「福岡くん!目を覚ましたんだね。良かったー…。痛いところとこ無い?」


「い、糸島さんまで!?い、一体何がどういう事なんですか!?」


なぜか糸島さんが安心した顔で俺を見ている。

状況も把握出来ていない内に、次々と情報が追加されてくるんだけど!?

さっきまで家にいたのに、今は遠賀川に抱きつかれて、糸島さんに心配されるって状況に混乱が収まらない。


「それについては私から説明しますね〜。」


「誰っ!?」


なんかおっとり系のお姉さんが話しかけて来たんだけど!誰なのこの人、もっと混乱させないで!翼と光輪があるから天使だとは思うけど!


「今は混乱してると思うので、私の自己紹介は今度会った時にしますねぇ。それで今の状況なんですけど、福岡さんはイオ君に催眠をかけられていたんですよ。」


「催眠!?」


あの同人誌とかで良く見るヤツ!?本当にあったのか!

いや、それよりも何で俺に催眠なんかかけたんだ?俺に催眠なんてしても良い事無いだろ。


「はい。イオ君は福岡さんに催眠をかけて、糸島さんを性的に襲わせようとしたんですね。」


「い、糸島さんを!?」


何やってんだイオは!流石に催眠かけて人を襲わせるなんてやっちゃ駄目だろ!本当に天使か!?

それに、よりにもよって俺に糸島さんを襲わせるなんて悪質にも程がある。

糸島さんがトラウマを抱えたら責任取れるのか!


「結果的には私達が未然に止める事が出来たので大きな問題は無かったですが、本当に危なかったですねー。」


天使のお姉さんは和かに笑いながら言ってるけど、最悪の場合だと糸島さんはトラウマ抱えて、俺は警察に捕まってたかも知れないから笑い事じゃ無いんだけど…。

結果的に良かったとしても、二度と催眠なんてやらないでほしい。

それにしてもここはどこなんだ…見た事のない場所なんだけど。

催眠にかけられたのは分かったけど、俺は何処に連れて来られたんだ?


「ところで、ここってどこなんですかね…。」


周りの景色を見るに、どこかの住宅地だとは分かるけど来た事は無い場所だからなぁ。


「えっとね…ここは私の家の前なんだけど…。」


「えっ!?糸島さんの家の前!?」


こ、この一軒家が糸島さんの家…!4年一緒に働いていて今初めて知った。

いや、まあ普通は聞かない限りは知る手段は無いんだけど。

俺に糸島さんを遊びに誘う程の勇気は無いし…。

ヘタレとは自分でも分かっているけど、好きな人を遊びに誘うのも、かなり勇気がいる行為なんだよ!

それにしても糸島さんと話してて少し落ち着いてきたから思ったんだけど、遠賀課長はいつまで抱きついてるんだ…?


「あ、あの…遠賀課長、そろそろ離れてくれると…。」


「おおっ!悪かったね。福岡君が無事で嬉しかったんだよ。」


課長には悪いけど、流石に40歳のおじさんに抱きつかれ続けて喜ぶ趣味は無いし。

それにしても、糸島さんの家がここだから糸島さんがいるのは分かる。

けど、何で遠賀課長まで…?もしかして…2人で糸島さんの家でイチャイチャしてたんじゃ…。

俺の脳内で、2人がイチャイチャしてる光景が浮かぶ。


「お、遠賀課長は何でここに…?」


「んっ?ああ!福岡君と糸島ちゃんが今夜危険な目に遭うかも知れないと夏弥から聞いてな。居ても立っても居られずに駆けつけたんだよ!」


遠賀課長はワッハッハッと腰に手を当てて笑った。

ま、まさか遠賀課長がこんなに情に厚い人だったなんて。

気遣いの出来る人とは思ってたけど、まさか唯の部下の俺の事まで心配して夜遅い時間に来てくれるなんて…俺ってあんまり課長の事知ろうとしてなかったかも。

だって普段が凄いイケイケのおじさんにしか見えなかったから、どちらかと言うと人見知りな俺には近づき辛かったし。


「それにしてもビックリしたよー。まさか福岡くんも天使さんが見える人だったなんて。」


「え?福岡くん…も?」


「うん、私と課長も天使さんが見えるんだ。私も天使さんと一緒に暮らしてるから、まさか福岡くんもそうだったなんて驚きだよー。」


ま、マジか…まさか、糸島さんと遠賀課長も天使に関わっていたなんて。

え…だとすると、もしかして…。


「さ、最近2人がよく会ってたって噂は…。」


「あはは…やっぱり噂になってたよね。うん、考えてる通りだよ。天使さん達について話してたの。」


よ、良かった…。2人が浮気関係だって言うのは勘違いだったんだ。

そ、そうだよな、いくら遠賀課長がイケおじだとしても、糸島さんが既婚者と関係持つなんて不埒な真似するわけ無いもんな。


「あっ、だとすると遠賀課長が複数の女性と会っていたって噂も…。」


「そんな噂が立っていたのか!?確かに妻と娘以外の女性と出かけていたが、不埒な関係じゃないぞっ!俺は妻一筋だからな!恐らく他に天使が見える女性と会っていた時だろうな!」


他にも天使が見える人がいるんだ…。

案外、天使が見える人って多いのか?イオは天使が見える人の数とかは言ってなかったし、今度聞いてみるか。

俺はそう考えると、天使のお姉さんの方を向く。


「もしかしてそっちいる方々が、糸島さんと遠賀課長が言ってた天使の方々?」


さっきの天使のお姉さんの少し後ろに、遠賀課長に近いイケおじの短髪の男性、気の強そうな女子高生ぐらいの女の子、気怠げな中学生ぐらいの女の子の3人がいる。

全員頭に光輪が浮き、純白の翼を持っている。

3人とも話には入って来なかったけど、こっちを見てたから気になってはいたんだよな。


「うん、そうなんだ。3人ともこっちに来て大丈夫だよー!」


糸島さんがそう言うと、3人の天使がこっちに来た。


「状況の説明は終わったの?初美。」


「うん、三秋ちゃん。大丈夫だと思う!」


「思うって何よ…。」


三秋と呼ばれた女子高生天使が呆れた目で糸島さんを見る。

なんか仲良さそうだなぁ。結構長い期間一緒に住んでるのか?


「あんたもイオの役目に選ばれるなんて不運な奴ね。ああ、そっちの天使が言ってたと思うけど、私達の自己紹介は今度にするわ。今の状況で自己紹介しても覚えられか怪しいしね。」


た、たしかに今名前を言われても覚えきれる自信は無い。

いっぺんに色々な事が起こりすぎて未だに着いて行けてないし。


「とりあえず明日からは私達4人の中の1人が日替わりで監視するから、自己紹介はその時ね。」


か、監視!?監視も付くのか?また新しい情報が出てきて混乱しそうだ。

少なくとも寝起き?に聞かされる情報量じゃ無いな。


「…それで、そろそろ触れた方が良いかな?」


「…まあ、気になってはいたでしょうね。」


うん、さっきから…というより俺が起きた時からチラチラと視界に入ってはいたんだよな。


「何してるんだ、イオ。」


そう、ずっと俺の隣で土下座しているイオの事だ。

土下座って言うよりは、小さく体を丸めてるとも言えるけど。

イオの2対の羽もピッタリと地面にくっ付けて、まるで怒られてるのを恐れている犬のようにも見えてきた。


「…ごめんなさい、友樹。」


どこか震えてる声で謝ってくるイオ。


「…それは何に対してだ?」


「…色々。友樹に催眠をかけた事もそうだけど、初美も傷つけそうになった事、2人の気持ちも考えも何もかも無視して自分勝手に行動した事。全部反省してます。ごめんなさい。」


イオは泣いているのか、体をプルプルと震わせて声も涙声になっている。

本当に悪いと思って反省しているのか、それとも嘘なのかは判別はつかないけど、それでもちゃんと謝ってはいるみたいだ。

いつもの自信満々な感じは微塵も見られない。

それに何だか今のイオを見てると、逆にこっちが悪いみたいになってくる。

見た目は完全に小学生の女の子だからな。


「…はぁ〜。本当にもう無理矢理言う事聞かせてたりはしないな?」


「…うん。もう友樹と初美の関係を無理矢理進める事はしない。約束するよ。」


「わかった、じゃあ今回は許すよ。」


「…本当?」


イオが顔を上げると、目元に涙を浮かべていた。

どうやら本当に泣いていたみたいだ。

加害者なのになんで泣いてるんだよとも思うけど、それでも子供に泣かれるのは弱いからなぁ。


「ごめん、糸島さん。イオもこう言ってるし許してあげて良いかな?」


「う、うん。私は何もされなかったし大丈夫だよっ!」


糸島さんは両手を振りながら気にして無いアピールをしてる。

それにしても、どことなく糸島さんもバツが悪そうな顔をしているけど、もしかしてイオとなんか有ったのか?


「だってさ。イオも糸島さんに感謝しろよ?」


「うん…うん!友樹も初美もありがとう!」


イオはそう言いながら俺の胸に飛び込んで来た。

な、なんか男と分かっていてもイオみたいな可愛い子に抱きつかれると照れるな。

俺の胸に顔を埋めて顔を擦り付けてるイオの頭を、俺は優しく撫でてやる。

本当、こういうのが出来るから可愛いって強いよなぁ…悪い事しても、泣いて謝られと許しちゃうし。


「…あっぶな。」


「んっ?何か言ったか、イオ。」


「んーん!ありがとうって言ったんだよ!」


イオは明るい笑顔で俺を見上げる。

…なんだかんだあったけど、実害は無かったし、糸島さんと遠賀課長への疑いも晴れたし、2人が天使と知り合いっていうのも分かって相談相手も増えたし、結果的に良かったのかな。

そ、それにイオの言ってる事が本当なら糸島さんも俺の事が好きらしいし、本当に恋人同士になれたりして…。

そこだけはイオに感謝かな!

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