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バケモノが愛したこの世界  作者: 一一
第3章 色欲花柳編

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夢の街の現実

はいどうもニノハジです〜

連続更新6日目です!

ストック無くなりました!笑

でもここまで来たら1週間続けたいので何とか捻り出します!

そんな感じですが楽しんで頂けたら幸いです!

ではどうぞ!

「そ、そんな!そんなに待ってられないわよ!」

 レイが焦った様に門番を問い詰める。

 しかし門番達も毅然とした態度で頭を振るのみだった。


「そう言われても仕方ないだろう。皆同じ条件でスコルフィオ様にお会いするのを待っているんだ。同業者ならまだしも、見ず知らずのお前達ではすぐお会い出来る訳無いだろ?」

「うぐ……」


 そう言われてしまい二の句を継げないレイ。

 認識操作が出来ない以上、特別扱いを受けることも出来ない。

 しかし1年以上待ち続けるのは現実的では無い。


「失礼、同業者なら、と仰いましたか?では仮に私達もここで働けばすぐお会い出来るのでしょうか?」

「それは……」


 ニイルからの質問に、今度は門番達が言葉に詰まる。

 彼女達の役職では判断に困るのだろう。

 門番の2人が顔を見合せ、城の中から応援を呼ぼうとした時、まさにそのタイミングで城の中から人が現れた。


 今まで街で見た女性は露出の激しい服装をしている事が多かった。

 しかし目の前の女性は露出が少な目の、そして今まで見た女性達より豪奢な服を纏い、しかしそれでいてどこか色気を漂わせる美女であった。

 聞いていた情報からもしやスコルフィオ本人なのでは、と期待を抱いたレイだったが。


「ヴァイス様!」

 門番達が別の名を呼んだことで少し落胆する。


「……っ」

 しかしここでレイの眼に異変が起こる。

 ヴァイスと呼ばれた女性を見ると、眼がほんの少し痛むのだ。

 この感覚は以前にも覚えがある。

 少し顔を伏せ、バレない様に少しだけ『神性付与(ギフト)』を発動させる。

 その結果、彼女は『神性付与保持者(セルヴィ)』だと判明した。


(やっぱり!だとすれば彼女はスコルフィオにかなり近しい人物の筈!彼女から何か聞き出せれば……)


 そう考えた所でヴァイスと呼ばれた女性と目が合う。

 慌てて目を伏せ能力を解除するレイ。

(バレた!?フードに認識阻害迄してるのに!?)


「ふ〜ん……」

 ヴァイスは何か納得したかの様な、不敵な笑みを浮かべながらレイ達へと近付き、そして戸惑っている門番達へ声を掛けた。

「どうしたの貴女達?何か困り事?」


 それに門番の1人が困惑した顔で答える。

「いえ、その、この者達がスコルフィオ様に会わせろと言ってきまして。直ぐには会えないと伝えているのですが……」

「中々折れない訳ね?で?貴女達はなんでそんなにフィオに会いたいのかしら?」


 ヴァイスはレイ達に向き直り、そう問い掛ける。

 それにニイルは丁寧な所作でお辞儀をしつつ口を開いた。

「お初にお目に掛かります。私共はスコルフィオ様にお伺いしたい事が有り、馳せ参じた次第にございます。以前よりスコルフィオ様から召集の命が有り、こちらに赴かせていただいたのですが、どうやら私共の不手際で日付を間違えてしまったらしく……」


 ヴァイスも認識阻害の対象となっているので、検証も兼ねて発言してみたのだが。


「う〜ん?そんな予定フィオには無かった筈よね?ここ暫くはそんな相手との予定も無い筈よ?」

 やはり門番だけで無く、ヴァイスにもあまり効果が見られない様だった。

 それどころか認識阻害魔法自体が効いていないのか、常にレイを見詰めてくる。


(不味いな……やはりダメか)

 流石に『神性付与保持者(セルヴィ)』相手にこれ以上は危険と判断し、一先ず撤退を考えるニイル。

 しかしそれよりも先にヴァイスが口を開いた。

「貴方達、そんなにすぐにフィオに会いたいの?なら手段が無い訳じゃ無いわよ?」


 その言葉にレイが反応する。

 これで、少なくともレイは彼女の言葉を聞かざるを得ない。


(クソ……先手を打たれた)

 先んじて手を打ってきたヴァイスに対し、内心歯噛みしながらニイルは問い掛ける。

「それは先程この方達が仰られていた同業者になる、という事でしょうか?」


 それにようやく視線をニイルに移し、ヴァイスは答えた。

「えぇそうね。だって貴方達、彼女の客として会いに来た訳じゃ無いんでしょ?」


 その問いに肯定を返すニイル。

 しかしこの方法はあまり取りたくは無かったニイル。

 何故ならそれは……


「だったら貴方達も私達の仲間として一緒に働けば良いじゃない。新人からだから直ぐにとは言えないけど、客として待つより早く会えると思うわよ?」


 そう、レイ達もここの女性と同じ様に働く事になるからである。

 ニイルは決して、ここで働く女性達や売春婦を下に見ているから反対している訳では無い。

 むしろ誰にでも出来ることでは無いと、尊敬の念さえ感じている程だ。

 ニイルは余程の悪人を除き、大抵の人間には一定の尊敬を持って接している。

 何故ならそれが幼い頃に、()()()()()()()()()()()()()()

 故にニイルがこの選択肢を拒む理由、それはただ単純で明快。

 彼が過保護なだけである。

 ニイルが男である以上同じ仕事は行えない。

 それではいざ何かあった時、彼女達を守れない、そう考えているのだ。

 多大な過保護と少しの独占欲。

 そう、言ってしまえばこれはニイルのエゴであり、バケモノとして生きる彼の、数少ない人間性なのである。


「大変申し訳無いのですが、私共は冒険者、その様な者達が突然現れては色々な方にご迷惑を掛けてしまうでしょう。何か別のやり方で皆様に貢献出来る事はございませんでしょうか?」

 その様な理由からヴァイスからの提案を拒否するニイル。


「そうかしら?少なくとも貴女は即戦力になりそうだけど?」

 しかしヴァイスは笑みを浮かべながら、レイを見てそう答える。


(バレてる!?)

 正体が分かっていそうな物言いに、身を固くするレイ。

 そんな彼女を尻目にヴァイスはじゃあ、と別の案を提示してきた。

「貴方達冒険者って言ったわよね?ならここで暫く護衛として働くのはどう?幸いこの街にも冒険者ギルドは有るから、そこで仕事を引き受けていけば良いんじゃない?この街はお世辞にも治安が良いとは言えないから、女の子達を守ってくれる人を常に探しているのよ。そうして実力を証明して有名になっていけば、どこかの偉い人の専属になれたりするかもしれないわね」


 その提案にニイルは思案する。

 確かにそれならば全員が同じ行動がしやすく、危険も格段に減るだろう。

 ただし、明らかにこちらに都合が良すぎる話である。

 このヴァイスという女性、確実にレイの正体を分かった上でこの話をしている。

神性付与保持者(セルヴィ)』であるならば、同じ様な力を持つ人間は危険視し、遠ざけようとする筈。


(罠だろうな……しかし何故こんな回りくどい真似を?意図が読めない)


 ヴァイスの思惑が分からない以上、即答出来ないでいるニイルだったが。


「やるわ」

 レイが一言そう宣言した。

 焦りから早計な判断を下したのでは、そう思いレイを見るニイルだったが。

 確固たる意志をその目に宿し、こちらを見つめ返して来た。

 隣を見ればランシュとフィオも頷いている。

 その3人の様子に、諦めてニイルが口を開く。

「ではそうさせていただきます。ご配慮いただきありがとうございました」

「そう?じゃあ頑張ってね」


 そうしてレイ達4人は城を後にするのだった。



 その日の夜、城内にて。


「さっき例の『ギフト持ち』が貴女に会わせろってやってきたわよ。まさか本当に来るなんてね」


 とある一室にて会話する2人の姿があった。

 1人はヴァイス、もう1人は……


「彼が言ってた事は本当だったみたい〜。でも〜、予想よりもかなり早いわ〜」

 ヴァイスと同じ様な衣装を身に纏い、桃色の髪を揺らす女性。


「でも本当にこれで良かったの?貴女の言われた通りにしたけど。あの子達って貴女を殺しに来たんじゃない?」

 そう問い掛けるヴァイスにその女性は。


「多分大丈夫よ〜。心配ないわ〜」

 絶世の美女にして、フィミニアの支配者。

 付いた通り名は『夜の女王』。

 そして『柒翼』の一角が1人であるスコルフィオその人は。

 そう答えたのだった。

如何でしたでしょうか?

ようやく話が進んできましたね。

敵の正体も現れた所で終わってしまいましたが、

正直明日更新出来るか分かりません!

出来なかったらゴメンなさい!

期待せずに待っててくだされば幸いです!

これから頑張って書いてきます!

ではまた次回お会いしましょう!

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