旅の行き先
はいどうもニノハジです〜
連続更新4日目です!
この連続更新が何時まで続けられるのでしょうか!?
その後はまぁ、いつも通りポツポツと進めていこうとは思っているのですが…
そんな4日目ですがお楽しみください!
馬車の移動は徒歩よりも速いとはいえ、時間が掛かる物である。
それが離れた距離への移動となれば尚更だ。
ただでさえ広大なズィーア大陸の、更に最大の国であるセストリアである。
隣の大きな街に着くまでも中々の時間を要し、到着した時には日も傾きかけた頃であった。
本日の目的地という事でここで1泊する為、宿屋を探す4人。
宿を見つけた先で部屋割りについて大激論が繰り広げられたのだが、それはまた別の話。
今は入浴と食事を済ませ、今後の話をする為ニイルの部屋へと集まっていた。
「んもう、何時まで拗ねてるのフィオ。ニイルも断ってたんだから、どの道無理だったのよ」
ベッドの中で布団に包まるフィオを、宥める様にレイが言う。
フィオが宿屋到着時、全員一緒の相部屋、特にニイルと一緒に寝ると言い出し、論争の火種を生んだ張本人であった。
レイの猛反発、そしてニイルもレイに賛同した事から、女性3人とニイルの合計2部屋を取る事になり終結したのだが。
「ぐすん……お兄ちゃんと寝たかった……4人全員で同じベッドで寝たかった……」
「流石にそれは狭くて無理でしょう……」
という風に、フィオがいじけてしまったのである。
4人で食事をする際も元気が無く、ニイルの部屋に集まっても、ニイルが寝る予定のベッドから出て来ない有様。
流石のレイも少しだけ可哀想に思い、何とか宥めようしているのだが、全て失敗に終わり今に至る。
「しょうがないでしょう?男女が一緒の部屋で寝泊まりなんて、恥ずかしくて出来る訳無いじゃない。1つ屋根の下はまだしも、同じ部屋は流石に許容出来ません」
「アタシは恥ずかしくないもん……いつも一緒に寝てるし、それにレイやお姉ちゃん、皆と仲良く寝れると思ってたのに……」
「私達は一緒なんだからそれで我慢しなさい?今日は流石に急過ぎるわ……」
かれこれ2年以上一緒に居て、厳しくも優しく導いてくれるニイル。
自分でもチョロいと思いつつも、ニイルに対し特別な感情を抱いてしまうのは、年頃の女の子では仕方の無い事だった。
ようやく最近になり自分の気持ちを自覚しただけに、まだ感情を制御し切れていないレイ。
恥ずかしさの余りしりすぼみになり、最後は殆ど聞こえない位の声で言ったのだが。
しかしフィオはそれを聞き逃さなかった。
「今日は急って何!?急じゃ無ければ良いの!?じゃあ事前に準備してれば大丈夫って事!?」
「な、何を言ってるのよ貴女は!」
これ迄の鬱憤をぶつけるかのように攻勢に出るフィオ。
余りの勢いと内容に、レイは顔を真っ赤にして反論する事が出来なくなってしまう。
「そもそもお兄ちゃんはそんな事気にしないもん!レイだけが恥ずかしがってるだけでアタシもお姉ちゃんも気にしないし!そんな初めての女の子みたいな反応しちゃって!」
「わ、私だって初めてじゃ無いけど……って何で貴女達迄一緒に居る想定なのよ!」
いよいよ話が脱線し始め、変な事を口走り始めた2人。
見かねたニイルがため息を吐きながら立ち上がる。
「お兄ちゃんならアタシ達3人相手でも愛してくれるもん!お兄ちゃんはいつも優しくて上手なん……ひゃわ!」
「貴女はそろそろ黙りましょうね」
これ以上不味い事を言われる前に布団を引っペがし、フィオを抱き抱えるニイル。
そのまま椅子に座り、膝上にフィオを座らせ頭を撫で始める。
「ん〜ふふふ……」
満足そうに喉を鳴らし始めるフィオ。
それを羨ましそうに見つめる自分に気付き、慌てて視線を逸らすレイ。
その先では何時もの無表情ながら、尻尾がシュンと垂れているランシュの姿があった。
(厄介な状況に身を落としちゃったわね……)
内心ため息を吐きながら項垂れそうになるレイを置いて、フィオを撫でながらニイルが口を開く。
「さて、ようやく話が出来ますね。今後の予定ですが明日は市場へ寄り、買えそうな物を補充した後移動します。今後は2週間程掛けて移動し、隣の国デレンティル連邦のフィミニアへと向かいます」
そのニイルの言葉にかなりの移動だな、と思うレイ。
魔法を使わず移動しているので、てっきりすぐ近くに用があるのだとばかり思っていたからである。
そしてそこでふと思い至り口を開く。
「魔法による移動をしないのは何故?そんなに遠いなら魔法で移動した方が速いと思うのだけれど」
正直一刻も早くルエルを追い掛けたいというのが本音ではあったレイ。
今の目的はルエルだけでは無いと分かってはいるものの、無意識の内に逸る気持ちが出てしまっての発言だった。
それを把握しているニイルは諭す様に、それはそうなのですがね、と前置きしながら続ける。
「魔法を使わない理由は幾つか有ります。まず飛行魔法ですが、これは魔力を大量に消費します。その上これだけの長距離となると1日では到底辿り着く事は出来ません。どこかで宿、乃至は野宿をする事になるでしょう。その時魔力を消費した状態で何かあった時、対応に制限が掛かるのが困るのです」
これにはレイも納得出来る。
序列大会前に認識阻害魔法を使用しなかった理由と同じである。
なのでこれには同意を示し、続きを促す。
「仮に飛行魔法で適宜休息を取り移動したとして、その魔法使用時を誰かに目撃されて国へ報告されれば、余計な問題が起きかねません。ただでさえ指名手配されているのですから目立つ行為は避けるべきです」
更に、とニイルは続ける。
「飛行魔法だと人との関わりが極端に少なくなってしまいます。今後情報収集を行っていく上で、それでは本末転倒でしょう」
確かに、とこれもまた納得するレイ。
今回はたまたま目的地がハッキリしているが、今後はそうとは限らない。
当ての無い旅になった際は情報を集めなければならない為、人との接触が絶たれる行為は行わない方が良いだろう。
それともう1つ、とニイルは尚も続ける。
「空間転移の魔法ですが、あれは1度行った事のある場所にしか行けません。それも直近で。その理由は、もし仮に転移した先に建造物が出来ていたら、大変な事になってしまうからです」
空間転移は高度魔法故、レイはまだ使用した事が無い。
なので原理を良く理解していなかったのだが、どうやら座標に魔法でマーカーを設置し、そこに跳ぶのが空間転移魔法の仕組みらしい。
そのマーカー上に建造物が出来ていたら、壁の中に生き埋めにされたりする可能性があるという事。
もし仮にそれが家だったとしても、突然家中に知らない人が現れたら恐怖だろう。
便利そうに見えて意外と不便なんだなと感じるレイ。
そこで1つの疑問が浮かんだので尋ねてみる。
「でも前に世界を巡ってるって言ってなかったかしら?フィミニアという場所には行ったことは無かったの?」
レイがこの地へとやって来たのはニイル達に出会う直前。
故にこの大陸の地理には疎いのだが、ニイル達は違うのではと思っての質問だった。
「残念ながら直近でズィーア大陸に来る事は無かったんですよ。私達もここに来たのは貴女に会う少し前の事でした。ですのでセストリア以外には立ち寄っていませんし、特にフィミニアに行くのは止められていました」
その不思議な言い様に違和感を覚えるレイ。
止められている、とはどういう意味なのだろうか。
聞いてみるとランシュとフィオに止められていたそう。
2人は激しく頷いている。
「なんで2人は止めていたの?」
「え、え〜と〜……」
「それはまぁ、着けば嫌でも分かりますよ」
言い淀むフィオに助け舟を出すニイル。また自分だけ秘密にされている事に少しだけ思う所もあったが、気持ちを切り替え次の質問へと移る。
「じゃあもう3人はセストリアを離れても大丈夫なの?そもそもなんでこの国に?」
「以前にも少し言いましたが、私達は過去の遺物を集める為に旅をしています。今回セストリアに来た理由は、ルエルが遺物を集めているとの情報が入ったからです。それを調べている時に貴女に出会いました。そしてこの前の序列大会の時に、ランシュとフィオが彼の持っていた遺物を回収して来てくれたのです。故にこの地に留まる理由は無い、という事ですね」
2人を見るとランシュは頷き、フィオはピースをしてきた。
2人が常に別行動だったのは、そういう理由だったのだと納得するレイ。
だがしかしそれなら余計に分からない事が有る。
「じゃあなんでフィミニアに『柒翼』の1人が居るって分かるの?」
レイのその質問に頭を振ってニイルは答えた。
「言ったでしょう?当てが有る、と。確証は有りません。どんな人間でどんな能力なのかは見て見ない事には分かりません。しかしあの場所なら居るんじゃないか……そう思っただけです」
そういえばそう言っていたのを思い出すレイ。
しかしそれだけで行く先の候補になる様な場所なのだろうか?
余り納得していない顔をするレイに、苦笑しながらニイルは……
「これも着けば分かりますよ」
とだけ伝え、話を締める為にフィオを下ろす。
フィオの抗議も無視されこの日は解散となった。
そして後々、ニイルのこの言葉を、レイは痛い程思い知る事になるのである。
如何でしたでしょうか?
漫画やゲームの冒険時に思っていた疑問を、自分なりに解釈した結果のお話となりました笑
特に魔法が使えるなら瞬間移動とかすれば良いのになんて思っていたのですが、いざ書き手に回るとどう制限するかに悩みましたね笑
さて次の更新は明日予定ですが間に合わなかったら申し訳ないです!
そろそろ間に合わなくなりそうなので更新されなかった時は暖かい目で見てくださいよろしくお願いいたします泣




