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バケモノが愛したこの世界  作者: 一一
第2章 序列大会編

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34/87

決着

はいどうもニノハジです〜

タイトル通り決着です!

あまり長くダラダラ書いててもなと思って、余分な箇所を削ってたら1話で収まりました!笑

読み応えのある戦闘シーンを書ける人だったらもっと長くても大丈夫だったのかなと考えてしまいますが…

常に今の私の全力をぶつけていますので、楽しんでいただければ幸いです!

ではどうぞ!

「ハーッハッハッハッハ!見ろ!てめぇのよく分からん魔法も俺の魔法の前には無力!このまま無限の闇に引きずり込んでやるよぉ!」


 レイの魔法、『電磁加速魔弾(レールガン)』がブラックホールに飲み込まれたのを見た時、ルエルは自身の傷の痛みも忘れて笑いが込み上げ、勝利を確信するに至った。


 それはそうだろう、今も重力に引き摺られ、レイが暗黒に飲まれそうになるのを、剣を地面に突き立て必死に堪えている。

 しかしブラックホールに飲み込まれるのも時間の問題だろう。

 この魔法は維持させるのに常に魔力を消費する。

 魔力を注ぐのを止めればこの魔法は解除されるが、逆に言えば注ぐ魔力を増やせばその分引き寄せる重力が増すのだ。


(このまま限界まで魔力を注いで、アイツがどれだけ耐えられるのか見届けてやるぜ)


 実際のところ、ルエルの方も魔力はほとんど残っておらず、この魔法を維持するだけで精一杯だった。

 しかし最早レイに打つ手は無し、そう判断し残りの魔力のほとんどをこの魔法に充てる事を決める。


 しかしルエルは知らなかったのだ。

 最後まで油断や慢心を捨て切る事が出来なかったその傲慢さ、ソレこそがこの戦いの命運を分けるのだと。


(来た!)

 周囲を視ながら好機だと悟るレイ。

 ルエルは完全に油断し、障壁以外の魔法を用意していない。

 残りの魔力量を視るに、どうやら完全にこのブラックホールに注力している様だ。

 そしてレイは『電磁加速魔弾(レールガン)』を囮に使って迄この状況を待っていた。


(事前に視ていたお陰で、この魔法には『電磁加速魔弾(レールガン)』が効かない事は分かってた。効かないと分かればルエル(やつ)が勝ちを確信し、油断するだろうという事も!)

 その予想は正しく的中し、ルエルは隙だらけの姿を晒している。


(これで全て終わらせる!)


 レイは地面から剣を抜き、敢えてブラックホールに向かって飛び出した。

 徐々に迫る黒球を冷静に解析しながら、次の魔法の準備を始める。


「諦めたか!死ねぇ!」

 ルエルが歓喜の声を上げる。

 レイの目前に黒球が迫り、後ほんの少しでルエルの思い描く未来が来るだろう。

 しかしブラックホールがレイを飲み込む寸前、その黒球はあっさりと姿を消し、更にルエルの周りに展開されていた障壁全ても消え去った。


「んだと!?」

 完全に油断していた。

 レイは重力魔法を消す事が出来ない。

 故にこのブラックホールが完成した時点で自分の勝ちだと。

 堪らず驚きの声を上げるルエル。


「ここだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「チィィ!」


 急いで左手を突き出し、障壁を展開しようとするルエル。

 しかし事前に略式での準備を終え、魔法発動直前であったレイの方が1歩先を行った。


(『強化魔法限界突破(オーバーブースト)(プラス)『雷装制限解除(リミットオーバー)』!)


神威付与(ギフト)』により自身への反動を考慮しない、命懸けの魔法へと改良する。

 その2つの魔法を組み合わせ、今まで以上の『雷装』状態へと至るレイ。

 そのスピードは今までの比では無く、有機物では有り得ない、『電磁加速魔弾(レールガン)』に迫る程の迅さにまで達した。

 雷速を超えたレイに当然反応出来る筈もなく、障壁を展開する前に迫った剣は左手の指を全て切り落とし、そのままルエルの首へと迫る。


 遅れてやって来た斬撃音がレイの耳に届く。

 しかし剣から伝わる手応えがあまりに少ない。

 それもその筈、確かに切り捨てたと思っていたルエルが、目の前から姿を消していたのだ。


「!?……どこに……」

「こっちよ」


 声がする方に顔を向けてみると、ルエルを抱えた女性が宙に浮いていた。

 どうやら先程の声の主はこの女性らしい。

 突然現れた女性に驚きを隠せないが、それ以上に驚くべき点が有る。


(私の眼でも捉えられない程の高速移動!?一体()()は何!?)


神威付与(ギフト)』から送られてくる謎の女性の情報、それはどんな物でも解析出来(わか)る筈なのに、しかし目の前の()()を理解出来ない。

 何せあの女性が放っている力が、明らかに人間のソレを超えているから。

 そして、その力に耐えられるだけの身体能力(スペック)を有しているから。

 外見が人間に見えるだけで、明らかに人間では無いバケモノ(なにか)がそこには居た。


「ガフッ!ハア……ハア……てめぇ……なんでこんな所に……」


 ルエルの知人なのであろう。

 しかし彼の言葉の節々から仲が良いとは思えないと感じたレイだったが、反対にその女性はにこやかに笑いながらルエルへと答える。

「随分余裕の無い様子ねぇ。口調まで乱れて、そんな姿を晒すなんて何年振りかしら?(ワタクシ)がここに来た理由なんて、愛する貴方を助ける為に決まってるじゃない」

 甘ったるく、媚びる様に答えるその女性に、ルエルは吐き捨てる様に答えた。

「黙れ……てめぇは人を愛さねぇ……てめぇが欲しいのは、ハア……俺の()だろう……」


 その言葉に悲しげな顔を作りながら、ルエルの首筋に出来た傷に顔を寄せ血を舐めとる。


「ぐっ……」

「酷いわ〜……(ワタクシ)はこんなにも貴方を愛してるって言うのに。ほら見て、貴方の血ならいくらでも飲めちゃう」

「気色悪ぃんだよ……良いから離せ……俺は今からアイツを……殺さなきゃならねぇ……」


 その言葉に2人がレイを見る。

 あまりにも異質な存在に目を向けられ、思わず気圧されてしまうレイ。

(何をビビっているの!?あの女(アイツ)はどう見てもルエル(ヤツ)の味方!なら私の敵なのは当たり前でしょう!?だったら戦わないといけないのに!なんで体が動いてくれないのよ!)


 人間は謎の存在や正体不明な物に恐怖するという。

 例に漏れず、レイも初めて目にする存在に竦んでしまっていた。


(でも初めて見た感じがしない……?この恐怖をどこかで感じた事が有る気がする……そう、あれは2年前の……)

 レイが危うく殺されかけ、ニイルに助けてもらった時の事を思い出す。

 あの最後にみせたニイルの姿、あの時ととても似て……


「そんな状態でこの子を殺れるとでも?そちらが2人になると言うのなら、こちらも私が出るしか有りませんね」

 そんな思考を遮って、ニイルがレイの頭を撫でながら発言する。

 突然真横に現れたニイルに驚きつつも、その手から感じる温かみに少し安心するレイ。

 改めて目の前の2人に視線を移すと、ルエルが明らかに苛立った表情で、謎の女性の手から逃れようともがいていた。


「うるせぇ……今からでも本気を出せば、そんな小娘一瞬で片付けられる……」

「ダメよ〜貴方もうボロボロじゃない。そんな状態でマトモに戦える訳無いでしょ?これは貴方の油断が招いた敗北よ、諦めて逃げに徹しましょ?」

「だったらてめぇも……手伝いやがれ……俺ら2人が本気出せば、それこそ一瞬で終わるだろ……」

 尚も食い下がるルエルに、女性は呆れながら説得を続ける。


 そんな様子にレイが口を挟もうとするが、その前にニイルが遮る様に言葉を紡ぐ。

「おや、手負いの貴方が増えた所で、足でまといにしかならないのでは?お仲間の方が余程建設的な考えを持っていますよ?」

「んなもん……俺の本気を見てねぇから言えんだろうが……今までのはほんの……お遊びだ……次は確実に、殺す!」


 瀕死だというのに今まで以上の圧力(プレッシャー)を放つルエル。

 それに臨戦態勢を取ろうとするレイだったが、ニイルが突然笑い出してしまう。

 全員が困惑する中、ひとしきり笑った後、ニイルが口を開いた。

「ではもう一度、今度はこう言い直しましょうか。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「「!?」」


 その言葉にルエル達2人の様子が明らかに変わった。

 今までの格下を見る態度から一変、最大級の警戒をニイルへと向ける。

 そんな状況に付いていけていないレイが、困惑した表情でニイルを見る。


「な、何を……」

(静かに。状況が変わりました。今戦えば確実に殺されます。今ルエル(ヤツ)を殺すのは不可能です)


 ニイルから通話魔法にて告げられる言葉に愕然とするレイ。

 確かにレイですら立っているのがやっとの状態である。

 そこに得体の知れない援軍が来たとなれば諦めざるを得ないだろう。

 ここまで追い込んだにも関わらず、あと一歩届かなかった現実に、唇を噛み締める。


「てめぇ……やっぱ一体何者だ……?」

「ルエル、やっぱりダメね。()()は今戦っちゃダメな相手よ。戦うなら万全な状態じゃないと。不安要素が過ぎるわ」

 そんなレイの様子を気にする余裕も無いルエル達。

 流石のルエルもニイルという存在を無視出来ないのか、暴れるのを止め、女性の指示に従う。


「逃げる気!?」

 その雰囲気に逃亡を感じたのだろう。

 レイが慌てて叫ぶ。

 それに憎らしげな表情をしながらルエルが答える。

「勘違いすんな……見逃してやるって言ってんだ……次会ったら容赦しねぇ……万全の状態で殺してやるよ……」


 そう言い残し、傍らの女性に撤退を促そうとした時、思い出した様にルエルが話す。

「あぁ、それと……俺に復讐したいって言ってたな……?ならコイツもその対象だぜ……?何せあの戦争は()()が決めた事だからな」


 そう言いながら謎の女性を見るルエル。

 その言葉に理解が及ばず、しかしそれでもレイは困惑しながら叫ぶ。

「な、何を言っているの!?私達の国を滅ぼしたのは貴方じゃない!」

()()()()()()()……()()()()()()()()……復讐したいなら……俺達全員が対象だろうぜ……」


 新たな事実を告げられ、更に困惑するレイ。

 まさかあの戦争が計画的な物だったなんて、到底信じられない。

 一体何故、何を目的にあんな酷い事を考えたのか。

 問い質そうと1歩踏み出そうとするが、膝から力が抜け落ちてしまう。

 アドレナリンが切れたのだろう、全身の力が抜け激痛が走り、意識が遠のきかけていく。

 咄嗟にニイルが支え、レイの代わりにルエルへ問い掛ける。

「という事はつまり、貴方達7()()が裏で操っているという事でしょうか?」

「本当に……気味わりぃな……なんなんだよ……てめぇ……」


 それに心底嫌そうな顔で吐き捨て、ルエルを抱えた謎の女性は来た時と同様、高速で空の彼方へと消えたのであった。

如何でしたでしょうか?

という事で次回、最終回になります!

って第1章の時も同じ事言ってましたね笑

この展開から皆様お察しの通り第2章が終わります笑

こんな伏線散らばすだけ散らばして終わるなんてそんな事しませんとも笑

そして間に合ったので、次回のエピローグは31日に更新予定です!

何とか今年中に第2章終わらせたかったので一安心です笑

と言いつつまだエピローグ書いてないので間に合わなかったら申し訳ないです…

でも頑張って書くので皆様31日に(多分)お会いしましょう!

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