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バケモノが愛したこの世界  作者: 一一
第2章 序列大会編

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31/86

綱渡りの反撃

はいどうもニノハジです〜

そろそろ折り返しかなという所まで来ました!

…多分!

グダらずに書き切れるか正直自身は有りません!

でも楽しんで読んで貰えたら嬉しいです!

では今回もよろしくお願いします!

 一瞬の隙を突き、ルエルに深手を負わせる事に成功したレイ。

 その後呪いを付与させる事も出来、恐ろしい程に順調に計画は進んでいる。

 ニイルの言う通りルエルの慢心を突いた作戦だったが、ここまで見事にハマるとはレイも内心では驚きを隠せないでいた。


 しかし予想以上に深刻な事態も同時に起こっている。

 それはレイへのダメージが大きい事だ。

神性付与(ギフト)』を発動する迄の間に受けたダメージが、治癒魔法で少しは回復出来たもののかなり尾を引いている。

 何より現状マズイのが、『神性付与(ギフト)』の弊害が現在進行形で続いている事だ。


 ニイルより授かったこの『神性付与(ギフト)』だが、能力はニイル曰く、色々な物が良く視える、との事だった。

 実際に使ってみると、視力が良くなるという事では無く、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()様になった。

 詳しく言うなら魔法陣の内容を、一目見ただけで理解し、模倣すら出来る様になった。

 ただ、複雑な魔法や大規模な魔法等はまだ一瞬で理解する事が出来なかったり、そもそも解析不能だったりと、レイの印象では正直微妙な能力と思わざるを得ない。


「それが今の貴女の限界なんでしょう。鍛錬を積めば今より様々な物が視れる様になりますよ」

 こちらを見透かしたかの様に諭すニイルに、レイは率直な感想をぶつける。

「確かに相手がどんな魔法を使うのか、それを一目見ただけで理解出来るのは戦いでは有利になると思うわ。でも『神性付与(これ)』を使わなくても知識を深めれば対応出来るんじゃないかしら?」

 実際簡単な魔法陣ならもう見れば分かるし、と続けるレイ。


 それに苦笑しつつも、ニイルは丁寧にこの力の利便性を説く。

「学んですぐ実践に活かせるかとなれば、意外と難しいものなのはこの日々の修行で分かっているでしょう?これはその咄嗟の状況の時に役に立ちます。それに世の中知らない魔法、消えてしまった魔法は星の数程有ります。強敵に会えば自分の知らない魔法で封殺されてしまうかもしれませんよ?」

 それに、とニイルは続ける。

「その魔法陣の仕組みを理解出来れば、その魔法陣を消滅させる事も出来、また書き換えて新たな魔法にする事も出来るでしょう?魔法を消したりするのは対抗魔法を使ったりして魔力を消費しますが、魔法陣を弄るだけなら魔力は使いません。新たに魔法陣を作り出すより、消したり既存の物を書き換えたりする方が断然早く済む、というメリットも存在します」


 そんな事が可能なのか?という怪訝な顔をするレイに、またも苦笑しながら説明を続ける。

「そこは貴女の努力次第でしょうね。この力と同じ、今は簡単な魔法しか見えなくとも、ものに出来れば必ず貴女の役に立つでしょう。それまで努力は怠らない事です」


 それでもやはり訝しむ心がレイにはあったのだが、その後実際に見せながら説明する、とニイルに実演され、反論する余地を無くし口を噤む事となった。


「それと注意点ですが、この力はあまり多用しない様に」


 様々な説明を終え、この日の修行も終わりという所で、ニイルはレイに言った。

「貴女が思っている以上にこの力は強力です。本来の力が発揮出来ないのは、貴女が死なない様に無意識に抑えているのと、私が封印を掛けているからです」

「え?」

 その言葉に呆けてしまうレイ。

 そこまで凄い力だと思っていなかっただけに、理解が追いつかなかった。


「この能力は脳に多大に依存します。例えば魔法陣を解析する際も、構造が読み取れるだけに通常よりも多く情報量が脳へと送られる事になります。能力が使えないという事は脳がパンクしない様に制限しているという事。それを超えて情報を流し込めば良くて廃人、最悪死に至るのは当然でしょう」


 その忠告にゾッとするレイ。

 もし、新しい力にはしゃいで後先考えずに能力を多用していたらと思うと……

 反省し、気付かず浮かれていた気持ちを締め直す。


「魔法の知識が増えれば、先程言っていた通り能力を使わずとも理解出来る様になりますし、能力を使いこなせる様になればそこら辺の問題も自然と解決出来ます。まぁ、それは追々説明していきましょうか」


 なんて事を言っていたのを思い出すレイ。

 それを今、如実に実感していた。

 雷装状態だったが故に普通の思考では間に合わないと『神性付与(ギフト)』を多用していたレイ。

 魔法障壁は強力だったので使わざるを得なかったが、魔法弾に関しては知識のある簡単な魔法ばかりであった。

 それすらも『神性付与(ギフト)』を使用したばかりに、脳への負担が深刻なレベルに迄達しようとしている。

 頭が割れるのではないかと思う程に痛く、目や鼻から血が流れ続け止まらない。

 気を抜いたら意識を手放してしまいそうではあるが、歯を食いしばり耐えている現状であった。

 鈍りそうな思考に喝を入れ、必死に次の手を考える。


 現在こちらが有利に見える状況だが、レイのコンディションは限界に近い。

 そしてルエルのプライドとも言える慢心故にここまで拮抗しているが、長期戦になる、又はルエルがプライドを捨て本気になった時、レイの勝算はゼロになるだろう。

 これがギリギリ迄力を隠していた理由である。

 2年間の修行を経ても尚、それだけの差が有るのだ。


(そんな事は百も承知でこの作戦を立てたのよ。それに分の悪い賭けではあるけれど、勝算が無い訳じゃない事はニイルが保証してくれている)


 そしてギリギリではあるが、その作戦も上手くハマっている。


(後はこの流れのまま一気にカタをつける!)

「ハアアアアアアアア!」


 自身を鼓舞する様に裂帛の気合を放つレイ。

 全身から迸る雷の量も増え、レイの足元の地面がひび割れていく。

 直後レイの姿が消える。

 先程よりも迅く、刹那の内に斬り捨てる為に突撃したレイだったが。


「がは!?」


 剣がルエルへと届く直線、見えない何かに上から押し潰され地面へ叩きつけられてしまう。

 更にその圧力は増し、レイを中心に地面が陥没していく。


「あああああああ!」

 ただでさえボロボロの体が更に押し潰され、全身が悲鳴を上げる。

 何とかその圧力に耐えながら周りを()()と、何かよく分からない力が自分を中心に広がっているのが視えた。

 あまりにも複雑で今の自分では解析出来ないが、しかしこの構造に似た物は見覚えが有る。


(これは……魔法!?)


 そう、この謎の力を視ると、魔法陣から生み出された物と似た特徴で構成されていた。


(でもこんな構成視た事も無い!)


 今までレイが目にして来たいずれかの属性の魔法では無い。

 しかしこの力は()()()()()魔法にそっくりで……


「まさかこんな小娘相手に、本気の重力魔法を使う羽目になるとはな……」


 その時、傷を受けて以降無言で俯いていたルエルが口を開く。

 身動きが取れずルエルの表情を伺う事が出来ないレイだったが、その声色には激しい怒りの感情が込められていると感じた。


(重力魔法!()()()の高等魔法!さっきも一瞬使っていたけれど、やっぱり一緒か!)


 先程レイが大ダメージを負う切っ掛けとなった瞬間を思い出す。

 あの時も何故か地面に叩きつけられ、身動きが取れない状況で大量の魔法が降り注いだ。

 それが重力魔法だったのならば頷ける。

 そしてあの時は神性付与(ギフト)を使用しておらず、ただ()()だけだったので構成が分からないのも無理は無い。


(そもそも闇魔法なんて高等魔法は、まだほとんど視えないのに!)


 光と闇の原初属性は他の5属性と違い、全ての魔法が高等魔法に分類される程の難易度を誇る。

 その理由の大部分を占めるのが、他の5属性とは必要な魔力量も、魔法陣の作り方も、そのほとんどが別物に近いというのが挙げられるであろう。

 一説によると、元々魔法とは光と闇属性しか存在しておらず、その後一般の人間が扱いやすい様に改良した物が5属性だ、と言われている。

 故にその属性を扱える者は少なく、有名な物で光属性の治癒魔法でさえも、広く普及出来ていないのが現状である。


(そんな闇魔法の、更に高等魔法である重力魔法を無動作(ノーモーション)で!?)


 先程ルエルが重力魔法を使用した時は、一瞬ではあったが魔法陣を使用していた。

 一瞬で魔法陣を完成させた、あの作成スピードは驚くべきものだったが、それでも略式魔技を使ってはいなかった。


(それで無意識に略式は使えないと思い込んでしまった!)


 もし仮に使えたとしても、まさか『雷装』状態のレイに対して使えるとは思っていなかったというのも有る。

 それが出来るのならとてつもない技量である。


 こうしてレイへと傾き出した流れは断ち切られ、反撃の芽は摘み取られてしまった。


 真の力のその一端を垣間見せたルエル。

 しかし知れば知る程に、その底は依然として見えなくなるのだった。

如何でしたでしょうか?

一旦ルエル強過ぎるなと感じる今日この頃…

上手く纏められるか!?

頑張ります!

では次回もお楽しみに!

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