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バケモノが愛したこの世界  作者: 一一
第2章 序列大会編

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24/87

意外な因縁

はいどうもニノハジです〜

まさかの3日連続更新です〜

書くのが楽しくて楽しくて笑

書いてたら今回もとんでもない文章量になりそうだったので、少し削ったり次回以降へのお話に回したりしましたので今回はいつもと同じ位だと思います!

さて、では更新3日目の今回もお楽しみください!

 ニイルが去って少し後、ニイルの試合が始まろうかという時。

 半泣きになりながら薬を飲み終えたレイと、それを笑いながら(はや)し立てるフィオ達3人の元に、1人の来客が姿を現す。

「失礼するわ」

「スノウ!?」


 部屋に入ってきたのは、先程迄レイと戦っていたスノウであった。

 試合直後に気を失っていたはずだが、今は元気そうにこちらへ歩いてくる。


「良い試合だったわ。まさかこんなに強い女の子が居るなんて思わなかった」

 そう言いながら手を差し出すスノウ。


「その言葉、そっくりそのまま返すわ。どうやってそこまで強くなったのかしら?」

 レイもその手を握り返しながら答えるが、その時フィオとランシュが異常な程警戒しているのに気付く。


「2人共、彼女はさっきまで私と戦っていたスノウよ。試合後に闇討ちしに来た訳じゃ無さそうだしそんなに警戒しなくても……」

「そういう訳じゃ無いんだけどね……」


 先程の戦いを経て、試合の恨みで襲って来るような人間では無いと感じていたレイは、2人を安心させる様に言う。

 しかしフィオもランシュも警戒を解こうとしない。


 それに2人の顔を見ながら当然よね、と呟くスノウ。

「でも安心して。ニイルにはちゃんと話をして来た。私にはよく分からなかったけど、彼はちゃんと納得して帰って行ったわ」

 その言葉に驚愕する3人。

 代表してレイが質問をぶつける。

「ま、待って!いつの間にニイルと出会ったの!?」

「ついさっきよ。私の所に来て1つだけ質問してきたの」



 その時の事を思い出すスノウ。

 救護室に運び込まれ、目を覚ました直後彼が部屋に入ってきたのだ。

 3人の死体を持って。


「な、なん……!?」

「失礼、部屋の前で出くわしましてね。私を見るなり襲い掛かって来たので返り討ちにしましたが、貴女のお知り合いでしたか?」

 ニイルのその問いに死体を見るレイだったが、いずれも見た事の無い人物であった。


「いえ……違うわ……」

「そうですか、なら良かった。では今すぐにこれを飲んでここを立ち去る事です。どうやら貴女は命を狙われている様だ」


 そう言いながらスノウに怪しげな液体を渡す。

 それはレイにも渡していた回復薬だった。


「あ、貴方は……?」

「私はニイル。レイの師匠をしています」

 スノウの質問にフードを脱ぎながら答えるニイル。

 現れたのは、自分より少し年上くらいの顔をした、黒髪の青年だった。

 その言葉に試合中の言葉を思い出すスノウ。


「レイが言っていたわ。私にはバケモノの師匠が居るって。見た目がこんな普通の人とは思わなかったけど……」


 それに笑みを浮かべながらニイルが返す。

「黒髪を見て普通と言われるとは思いませんでしたよ。余程バケモノの様な見た目を想像していたと見える」


 その返答に、バケモノじゃないとは言っていないと言いたかったが、言えずに口を(つぐ)むスノウ。

 スノウが今まで出会ってきた人物の中で、1番強いと感じたのは自分の父親であった。

 今の自分でさえ、父親を前にすれば『強い』と感じるだろう。

 しかし目の前の人物からは恐怖しか感じない。

『強い』とか『弱い』では無く、ただただ『怖い』。

 理由の分からない恐怖が襲い、理由が分からないからこそ余計に恐怖を感じられた。


 二の句が継げないスノウに苦笑しながら、ニイルは死体を投げ棄てつつ口を開く。

「やれやれ、これだけ血の匂いを纏っていたらランシュにバレそうですね。さて、ここに来た理由は貴女に1つ、質問したかったからです」

「な、なに……?」


 ニイルはスノウを真正面から見据え、質問を投げかけた。

()()()()()()()()()()()()()()()?」

「ひっ!」


 口調の変化と共に変わった雰囲気、それはまるで底の見えない闇の様で更に恐怖が湧き上がる。

 思わず声を上げてしまうスノウを、しかし変わらず何の感情も感じ取れない瞳で見つめるニイル。

 その恐怖を抑え込むようにスノウは叫んだ。

「わ、私は!この力で!守りたい人達が居るの……!だ、だから!その為に戦う!」

「嘘だな」

 瞬間ニイルから、有り得ない程の殺気が溢れ出す。

 常人では余りの恐怖に気を失ってしまう程だが、スノウはギリギリ耐える事が出来た。


「今は手加減したが次は無い。お前の本心を答えろ。そんな偽善に隠した物では無く、本当の想いを」


 余りの恐怖と、自分の心を見透かした様な言葉に涙が出てくる。

 呼吸も絶え絶えになり、今すぐにでも意識を手放してしまいたい。

 死への恐怖から、早く逃れたい一身で彼女は本心を……



「……ノウ?スノウ?ちょっとスノウってば!?」

「ハッ!?」

 顔が真っ青になっていくスノウを見かねてレイは大声で呼び掛ける。

 その甲斐あってスノウの意識は現実へ帰ってきた様だった。


「ちょっと大丈夫なの?彼に何かされた?」

 心配そうに顔を覗き込んでくるレイに、少し目眩を覚えながらも大丈夫と返答するスノウ。

「彼に心の痛い所を突かれちゃってね。反省してたところよ」


 息を整え、改めてフィオとランシュに向き直る。

「彼の質問にちゃんと答えて、彼は納得していったわ。決して逃げて来た訳じゃ無い」


 その返答に一応納得したのか警戒を解く2人。

「ふ〜ん……それなら良いけど。ならその『剣』、ちゃんと大切にしててよね」

 と、そう言うフィオに続き、ランシュが何度も頷いている。


「それ、ニイルにも言われたわ。貴女達『追霜剣(これ)』を知っているの?本当は貴女達、何者?」

「知らな〜い!」

 それに答えずそっぽを向くフィオ。

 どうせ答えてくれないだろうと思っていただけに、反感は無い。


(ニイルもこちらの質問に答えてくれなかったし)

 ニイルも言いたい事だけ言って去っていったのだ。


「貴女の本心は分かりました。その想いが変わらず、貴女が正しく力を振るうならその剣は預けておきましょう。()()()()()()とその剣は、相性が良いのでね」


(なんで、私が求めてる()の事まで知っているのよ)


 得体の知れない恐怖を思い出しつつ、レイへ向き直るスノウ。

「貴女の言った通り、本当にバケモノの様な人だったわ。あれ程強い人が師匠なら、貴女の強さも納得ね」


 スノウのその言葉にほんの一瞬、悲しい表情を浮かべるフィオとランシュ。

 それに気付かずレイとスノウは会話を続ける。


「確かに恐ろしい所も有るし、私にも秘密ばかりでよく分からない人では有るけれど、でもとても優しい人というのだけは分かるわ。私にはそれで十分」


 それはレイがこの2年で感じた本心だった。

 本当の彼はとても優しい人間だと思っている。

(ランシュとフィオにはとことん甘いからね)


「〜〜〜〜!!!!」

 その言葉を聞いたフィオは、抑えきれぬとばかりにレイに思い切り抱きつき、その後に続いて、ランシュはレイの頭を撫で始める。

「な、何!?フィオ苦し……!ランシュまで!?」


 その光景を微笑ましそうに見ながら、スノウは3人へ声を掛ける。

「確かによく知らない人間が何か言う事では無かったわね。最後に挨拶も出来たし、私はそろそろ行くわ」


 その言葉に2人の包囲網を突破しながら、レイが少し名残惜しそうに答える。

「随分早いのね。最後まで見ていかないの?」

「一刻も早く修行したくてウズウズしてるのよ。今度会ったら負けないから」


 それに不敵な笑みを返しながらレイも言う。

「私だってまだまだ強くなるのだから、次も私が勝つわよ」


 そうだ、と思い出した様に呟くレイ。

「自己紹介がまだだったわね、私はレイミス、18歳よ。変わらずレイって呼んで欲しいわ」


 それに驚いた顔をしてスノウが答える。

「私はルヴィーネ、18歳よ。周りからはよくルヴィって呼ばれるわ」


 その紹介にレイも驚く顔をする。

 そして。

「「同い歳なの!?」」

 なんて、2人でハモってしまって。

 それに同時に吹き出し笑い合う。


 こうして2人は再会を誓い合い、別れるのだった。

いかがでしたでしょうか?

スノウの本名が明かされ良いライバル関係の相手が出てきたのではないでしょうか?

今後彼女がどうなるのかご期待ください!

…忘れないであげてね?

さて今回は3日連続更新でしたが、これ以降は流石にどうなるか分かりません!

でも今とても楽しいので早い段階で更新したいなと思っています!

では次回お楽しみに〜!

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