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バケモノが愛したこの世界  作者: 一一
第1章 人魔邂逅編

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それは今も燻り続ける激情(きおく)

あ、昨日ぶりですニノハジです〜笑

私もこんなに早く投稿出来ると思いませんでした!

急遽仕事が休みになったのでこれチャンスとばかりに笑

そんな訳で前回は言うなれば0話、今回が1話という事になりますので是非お楽しみいただければと思います!

聖暦1580年


「ハア、ハア、ハア!」


 走る。

 走る、走る、走る。


 薄暗い夜の森の中を、2人の少女が駆け抜けていく。

 一体どれだけ走り続けただろうか。

 行き先も分からず、何が起こったのかも分からず、ただ手を引かれながら足元の悪い森の中をひたすらに走るこの状況は、6歳の少女には流石に過酷過ぎた。


「も、もう走れないわ!」

「もう少しの辛抱ですレイミス様!あと少しで国境に辿り着きます!それまで走り続けてください!」

 それでも足を止める事は許されない。

 足を止めてしまえば待っているのは死、のみだ。

 幼い少女でもそれ位は分かる。


 何せ目の前で父が殺されたのだから。

 逃げる時に国民の悲鳴が聞こえてきたのだから。

 国が燃やされるところを見てきたのだから。

 だから分かっているのだ。

 自分も見付かったら殺されてしまうことに。

 だから逃げるしかないのだ。

 たとえ一緒に逃げていた母と妹がはぐれてしまっても、幼い自分が探しに戻る事など出来ようはずも無いのだと。


 そう必死に自分に言い聞かせここまで逃げてきたが、いよいよ体力の限界が来てしまったらしい。


「あう!」

 レイミスと呼ばれた少女が、足を取られ転んでしまう。

 疲労なのか恐怖なのかそれとも両方か、足もガクガクと震えており立ち上がる事が出来ない。


「レイミス様!大丈夫ですか!?」

「もう無理よぉ……走れない……お母様ぁ……」

 心配してくれる少女にも、泣き言をぶつける事しか出来ない。


 泣いていないで走れと言うには、6歳の少女にとってあまりに酷な出来事が多過ぎた。

 体力も気力も限界のレイミスの心は、もう折れかかっていたのだった。


「大丈夫です!レイミス様!」

 と、そんなレイミスを励ますように、務めて明るく少女は声を掛ける。


「レイミス様なら大丈夫です!ちょっとお休みすればまた走り出せます!なんせエレナート家始まって以来の才女と呼ばれた方なのですから!」

「そんなの今関係な……」

「大アリです!ですからちょっと休んで動ける様になったら、先にこの先の国境に行っていてください。必ず合流しますから!」

 そうして、少女はレイミスを木の影に横たわらせた。


「な!?どこに行こうというの!?私を置いていかないで!」

「私はこれから、はぐれてしまったお二方を探してきます。大丈夫です!必ずお二方を連れて、レイミス様の元に帰ってきますから!」

「なら私も一緒に……!」

 それを聞き、無理矢理起き上がろうとするレイミスを諭す様に、少女は言った。

「私が強いのはご存知でしょう?だから大丈夫です」

「貴方は私の侍女じゃない!私から離れないで!」

 しかしレイミスは首を横に振り、泣きついてしまって。


 そんなレイミスの頭を撫でながら、少女は安心させるように微笑んだ。


「確かに私はレイミス様の侍女ですが、それ以前にエレナート家に拾われた身です。エレナート家の皆様にお仕えするのが私達の恩返しなのです」

 それに、と、まるで妹を見る様な目をしながら続ける。

「不敬ではありますが……レイミス様の事を、まるで妹の様に思っておりました。私には家族が居ませんでしたが、家族とはこんな感じなんだろうと思ったのです。だからこそ、家族を教えてくれたレイミス様の家族を、私も守りたいと思います」

 そう言って立ち上がり、元来た場所へ戻ろうとする。


「それなら!貴方ももう家族じゃない!居なくなっちゃヤダ!」

 溢れる涙を止められず、レイミスは幼子の様に叫ぶ。

 そんなレイミスに、少し目を潤ませながら少女は言うのだった。

「ならお姉ちゃんの最期のワガママ、聞いて頂戴?そして……ちゃんと最後まで生き抜いてね。レイミス」


 そう言い残し、元来た道を走り出す。


「いやぁぁぁぁぁ!お姉ちゃぁぁぁぁん!」


 2人共分かっているのだ。

 ここで戻ったら殺されてしまうだろう事を。

 だからこそレイミスは止めたかった、止めたかったのに……!


 どれだけ泣いていただろう。

 涙も枯れた頃、ようやく足も動くようになった。

 レイミスも元来た道を戻ろうかとも考えたが……

 しかしそんな事をしてしまえば、姉の最期の願いを踏みにじってしまう。


「生きなくちゃ」

 そうして決意を口にし、先を進む。

 これから先、どんな過酷な事が起きようと決して諦めず、生き抜く事を誓う。


 そう、姉の最期の願いと、自分達をこんな目に合わせた奴らに復讐するまで、絶対に生き抜いてみせると。


 数時間後、国境に辿り着き3人を待っていたが……


 誰1人、レイミスの元に現れる事は無かったのだった。

はい、という訳でいかがでしたでしょうか?

楽しめるかいまた暗い話やんけ!

と言う方全くもってその通りです返す言葉もございません泣

私ハッピーエンド厨なんですけどどうしてこうなった?

しかしここでようやく主人公が出てきましたね!

とりあえず仕事休みなので次の投稿もこのまましちゃおうかと思います!

次は主要な人物達が出てきて話が分かってくると思いますので!

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― 新着の感想 ―
レイミスさんはひどい仕打ちを……。 お父様とお兄様も残念です。 忠義に厚く、勇敢な侍女さんも……。 いや。ひょっとするとこの侍女様はもしかすると……と希望を持ちます! 一一さん、緊迫感のある一話目でし…
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