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バケモノが愛したこの世界  作者: 一一
第2章 序列大会編
16/79

第1回戦

はいどうもニノハジです〜

前回少しお待たせしたので連続更新です!

遂に始まります序列大会!

そして一向に姿を表さない主人公達!

一体この物語は何処へ向かうのか!?

実は私もあまり分かっていません!

そんな感じですがお楽しみください!

「さぁ皆様お待ちかね!遂にこの時がやって参りました!3年の時を経て本日開催されます序列大会!司会進行は私、いつもお馴染みバラン・ラーバンが務めさせて頂きます!」


 数多の観客が詰め掛ける中、遂に始まったこの国最大の武闘大会。

 司会が高らかに謳い、それに呼応する様に周りの客席から歓声が飛び交う。


「今回の会場も例年通り、騎士団の皆様が日々鍛錬に励まれている修練場をお借りしています!ですのでこの場を借りて、常に私達の安全を守ってくださっている騎士団の皆様と、そしてここにお越し下さっているセストリア王国の王、デューレル・ド・レブン・セストリア陛下に感謝の意をお伝えしましょう!ありがとうございます!」


 その声に呼応し客席の1番高い位置、そこに用意された玉座に座する老人が立ち上がり、他の観客に手を振る。

 もう80歳を超えている身でありながら、軽やかに立ち上がり手を振るデューレル王に、更に会場は盛り上がりを見せた。


「では盛り上がって来た所で!早速選手達の入場と行きましょう!今回は凄いですよ!何と今回の参加人数は過去最高の500人越え!それだけの強者が集まり繰り広げられるバトルに、私も今から楽しみでなりません!では参りましょう!選手!入場!」


 観客の大歓声を受けながら入場してくる選手達。

 それぞれ思い思いに、観客に手を振る者も居れば、耳障りだと言わんかのように、怪訝な顔をしている者も居る。

 そんな中現れた2人の男に観客中の視線が集まり、歓声が飛んだ。


「おぉっと!?ここで現れたのは前回大会優勝者のゴゾーラム選手、そしてその後ろには準優勝者のダリウム選手だ!やはり今大会でも優勝候補のお2人に目が離せません!」


 そんな紹介を受けたゴゾーラムとダリウムだが、ゴゾーラムは気だるそうに欠伸をしながら、ダリウムは脇目も振らず真っ直ぐに歩いて行き、ファンサービスは皆無であった。


 そうして続々と選手が入場し、有名選手の紹介がされている中、ダリウムは目の前のゴゾーラムに話しかけた。

「どうだ?先程の2人組は見えるか?」

「あぁ、俺達の前方、他の選手に紛れるようにして居やがる。今はさっきの様な嫌な気配をさせていないから誰も気付いて居ないがな」

 そう答えるゴゾーラムはただ一点を見据えていた。


 先程見かけたフードの2人組、その時は2人とも白いフードだったのに、今では白いフードと黒いフードに分かれている。

 恐らく分かりやすくする為の運営側からの指示だろう、それでも頑なに顔を見せないというのはかなり怪しいが。

 その様子を見て、ゴゾーラムはダリウムに言う。

「あれだけ顔を見せない辺り、恐らく暗殺者かそれとも犯罪者か。どちらにせよ裏の住人で間違いないだろう。騎士団(おまえたち)もそう考えて居るんだろ?」


 その問いに首肯しながらダリウムが答える。

「団長にも伝えて、この会場の守備隊にも先程からあの2人のマークを徹底させている。何かあれば俺達だけじゃなく、周りもすぐ動ける様にな。それと、団長からお前にも伝言だ。『死ぬんじゃないぞ』との事だ」

「ハッ!アイツに心配される様じゃ俺もまだまだだな!奴にとって俺は庇護される存在らしい」

「逆だ。悔しい事だが団長はお前の実力を高く評価している。ただ単純にお前の心配をしてだな……」


 そんな軽口を言い合いあってるうちに、選手が全員入場し終えた様だ。

 司会が改めて進行をしている。


「これにて選手が出揃った様です!それにしても壮観ですね!この広い修練場いっぱいに強者が集まっています!しかし!一人一人試合をしていたのでは何日あっても足りません!なのでここからは8つのグループに別れ、乱戦を行って頂きます!」


 その声に併せ、地面から8つのフィールドがせり上がってくる。

 恐らくセストリアの魔法師団によるものだろう。

 彼らの土魔法でフィールドを作り出したのだ。


「今から各フィールドで初戦を行って頂きます!ルールは簡単!他の選手を戦闘不能にするか場外に落とすかし、4人になるまで戦って頂きます!勝ち残った4人、合計32人が次に勝ち進む事が可能です!もちろん例年通り、武器や魔法の使用は可能です!ただし!選手を殺害した場合は反則となり失格、そのまま牢獄行きとなりますのでご注意下さい!」


 例年はもっと人数が少ないので、この様な試合運びになったのだろう。

 そして不穏な動きをするなら、この人数が多い時が1番気付かれ難い。

 ダリウムは2人組と同じ組になり、彼らの動向に注視したかったがそう上手くいかないらしい。


「それではこれより受付の際に貰った番号に則り、グループに別れて頂きます!その後試合開始です!」


 こうして序列大会の初戦が始まろうとしていた。



「では準備も出来た様なので始めましょう!改めてお伝えしますが、戦闘不能になるか、場外で失格、選手の殺害も失格となります!選手には魔法師団の方々から防御魔法が付与されますが、それを貫通し、怪我をした場合はフィールド付近で待機している魔法師団の方々にお伝えください!では序列大会第1回戦!始め!」


 その声と同時に選手が戦い始めた。

 ゴゾーラムとダリウムは別々のフィールドに、フードの2人組も別のフィールドに分けられている。

 あのフード達を見ようとするダリウムだが、他の選手達が襲い掛かり、上手くそちらに意識を割く事が出来ない。

 まるで戦争だな、と思いながらチラリとゴゾーラムの方を見れば。

「ハッハッハッハ!どうしたどうした!そんな程度かぁ!?」

 背中の大剣を振り回し他の選手を場外に叩き落としていた。


「あの戦闘狂め。今がどういう状況か分かっているのか?」

 呆れながらも目の前の敵に意識を戻し、レイピアの鋭い突きで場外へ落とすダリウム。

 そんな時司会からこんな声が響いて来た。


「な、なんだぁ!?凄い凄いです!とてつもない速さで他の選手を切り伏せていくぞぉ!?彼は何者なんでしょうか!?フードに隠れていて顔が一切見えません!そしてこちらも!今度は黒いフードですね!こちらの選手はなんと!魔法の同時発動をしています!その数なんと10以上でしょうか!?しかも属性がバラバラです!その魔法で周りの選手を近寄せない!こんな芸当見た事ありません!」


 その言葉に全員の意識がそちらへ向く。

 司会の言う通り、その2人のフィールドの人数がどんどん減って行っていた。

 驚愕で全員の動きが一瞬止まる。

 それはダリウムも例外では無く、有り得ない出来事に惚けてしまっていた。

(なんだあの2人は!?白いフードの方の速度、あれは私の全力と同じかそれ以上ではないか!?それに黒い方、あれは最早兵器だ!あんな芸当が出来るのは、この国の魔法師団長殿位ではないか!?)


 惚けてしまった意識を現実に戻し、すぐに切り替えるダリウム。

 次々に目の前の敵を突き落としながらしかし、ダリウムの脳内は混乱していた。

(しかし奴らが裏の住人であるならば、こんなに目立つのはマズイのではないだろうか?裏では目立つ者から死んでいくという。何故彼らはあんなにも派手に動いているのか。もしや単純に関係が無いのか。いや、まさか陽動?)


 もし陽動だとしたら何か別の目的がある筈。

 それを騎士団(なかま)に伝えたかったが、選手である以上そんな術は無く。

 周りが気付いてくれるのを願うばかりであった。



 順調に人数を減らしていくにつれ、選手達の戦い方も変わってきていた。

 ある者は他の選手と共闘し、またある者はそのグループの強者を避けるように立ち回っている。


 かなり人数を減らした所で、ゴゾーラムに戦いを挑む相手は居なくなっていた。

 皆、遠巻きにゴゾーラムの様子を伺い、他の選手達と戦闘を行っている。

 そんな様子に苛立ちを隠せなくなってきたゴゾーラムは声を張上げた。

「どうした腰抜け共ォ!こんな程度で臆病風に吹かれやがって!何の為に参加してんだぁ!?」


 それにたじろぐ選手達。

 そんな中で1人の選手が前に進んできた。

 それは先程見た水色の髪の女騎士であった。

 水色の瞳に動きを阻害しない為の面積の少ない鎧、恐らくダリウムと同じ高速戦闘を主とする騎士だろう。


 その女騎士が言う。

「我が名はスノウ。故あって偽名にて失礼する。貴殿はゴゾーラム殿とお見受けした。1戦お付き合い願いたい」

「ほう!少しは骨のある奴が居るじゃねぇか!俺もアンタは気になってたんだ、少しは楽しませてくれよォ!」

 そう言いながら上段から思い切り振り下ろすゴゾーラム。

 回避された所を横なぎに吹っ飛ばしてやる、そう考えていたゴゾーラムはしかし、真正面から受け止めたスノウに驚く事になる。


「そんな細腕でやるじゃねぇか!身体強化か!?」

 更に追撃とばかりに、連続で剣を振り下ろすゴゾーラムに、返答せず冷静に対処するスノウ。

 そして一瞬の隙に、ゴゾーラムの懐に入り込み、剣を振るってきた。

「強化!」

 本能の警告に逆らわず、飛び退きながら最大限の身体強化を施すゴゾーラム。

 彼の鍛え抜かれた肉体を強化し、更に防御魔法も合わさったお陰で切れることは無かったが、腹部にダメージを負ってしまい少しよろめく。


(素早いとは思っていたが、予想以上だ。しかも一撃が重い。俺の剣を真正面から受け止めるだけの事はあるな!)


 改めて剣を構え直し、狩人の様な目を向けるゴゾーラム。

「やるなぁ!?だが、俺はまだまだ本気じゃねぇぞ!」

 そう言いつつ、強化された肉体で、先程よりも早く接近する。


 その動きを冷静に分析しながら対応しようとするスノウ。

 再び両者がぶつかり合う寸前、司会の声が響いた。


「試合終了〜!ご覧下さい!今残っている32人がこの戦いの勝者となります!皆様盛大な拍手をお願いします!」


 それに会場中が歓声に包まれる。

 どうやらここまでらしい。

 ゴゾーラム達が居たフィールドにはまだ人が居たと思ったのだが、2人の戦闘の余波でほとんどが吹き飛ばされたしまった様だ。


 それに少しガッカリしながら剣を収めるゴゾーラム。

「不完全燃焼だが、アンタとの決着は次に取っておこう」

「ええ、私もこれ程の強者と戦えて楽しかったわ」

 スノウも答えながら剣を収める。


 こうして序列大会の初戦は幕を閉じたのだった。

如何でしたでしょうか?

戦闘シーンが始まると途端に長くなる…

読み応えあると思って頂ければ汗

そして新キャラも出てきましたね!

書いていて難しいですがやっぱり書いてると楽しくなりますね!

そして本番は次の2試合目からです!

また長くなるのかなぁ笑

では次回お楽しみに!

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