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非モテの俺がメスガキの世話をするようになった話  作者: 鬼子
第一章 『たった1人の』
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4 「認識」

 服を見る。

 色とりどりの服は、着用した人間の内面を外に出すようだ。

 だから、人によってファッションは変わるし、それにこめる気持ちにも変化がある。


 歳を取れば似合わなくなるのは、見た目ないし、外に出す気持ちと、秘めた気持ちに大きな差異があるからだろう。


 いや、どうだろうな。


「また何か考え事?」


「いや、別に」


 俺はそう言って思考を停止する。


「で、どんな服欲しいの?」


「んー・・・別に考えてないなぁ」


 そう言って物色する結喜を見つめる。


「別になんでも良いんじゃないか」


「そんなこと言ってるから友達いないんじゃない?今後彼女も出来ないだろうし」


「失礼なやつだな、傷つくぞ」


 結喜の失礼な発言にそうは言ってみたが、傷つくはずがない。

 あれから何も感じないのだから。


「まぁ、いいや。取り敢えず、目を瞑ってみろ」


「なんでよ」


「良いから」


 そういうと結喜はゆっくりと目を瞑る。


「俺はどんな服装をしていた?色は?柄は?小物はどうだ?」


「そんなん知らないよ。私ここ兄ぃに興味ないもん」


 そんな冷たい返事が帰ってきた。


「目、開けて良いぞ」


「はいよ」


 結喜は軽く返事をして目を開ける。


「興味ない。そうだ、大抵の人間は他者に対して関心がない。だから、どれだけオシャレをしようが可愛くなろうが、その姿は誰の目にも止まらない。だから服なんてなんでも良い」


「なら、今後はオシャレをしなくて良いわけ?」


「少し違うな。大事なのは見てくれる人間だ。恋人だったり、夫婦だったり、結喜自身に興味があり、関心がある人間の前ならオシャレをしていくのは効果的だ」


 ま、俺の場合は友人にも見せる事は無いが・・・

 見せる友人がいないし、言ってて悲しくなってきたな。


 まぁそんな事はいいんだ。


「結局何を買うんだ?」


 そういうと結喜は首を振った。

 俺は腰に手を当て、ため息を漏らす。


 女ってこうか?・・・いや。主語がでかいか、結喜だけが長いだけかもしれん、てか買う服のタイプくらい選んどけよ


 そう思ったが口には出さない。

 出したら殺されるかもしれん。


「新しいスカートとかは?」


 俺は提案をしてみた。


「沢山あるじゃん」


「じゃあズボン?」


「義足で?」


 こいつは一体なんなんだ!

 なら何なら良いんだ!


「あれ? 犬神じゃね?」


 すると、背後から少年の声がした。

 俺は振り返り、顔を見る。


「知り合いか?結喜」


「学校が一緒の人だね」


 なんだその言い方は。

 まるで、学校は同じだがこんな奴ら知らないと、そんな感じだ。


 一悶着あるかもしれないと心臓をドキドキと鳴らしながら少年たちを見つめた。

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