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非モテの俺がメスガキの世話をするようになった話  作者: 鬼子
第一章 『たった1人の』
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プロローグ

 誰かが言った。


「それって、理想では無いですか?」


 誰かが言った。


「目を見れないなら、心を見よう」


 誰かが言った。


「不平等に平等だ」


 誰かが言った。


「人間は汚いだろ」


 顔のない誰か、いや。きっと俺は知っている。

 忘れている。いや、忘れているのではなく、忘れたのだ。


 そもそも、知っているという事実を知らないかもしれない。


 まぁそんなことを考えている。

 何を言っているかわからない?だよな、俺もわからない。


 突如、頭に衝撃が走る。


「いった・・・」


「いった・・・じゃないですよ。授業は終わって、チャイムもなりました。初めから最後まで眠って私がどれだけ君のために準備をしていると思っているんですか?鳴海君」


「何言ってるんですか、先生。俺のためではなく、生徒のためでしょう。それにテストの点数は取れているし、成績にも響いてないはずです」


 そういうと、俺の目の前にたつ教師は頭をかきながらため息を漏らす。


「なんですか」


「なんですかじゃありません。成績が良くても、他人から見た君の評価は地を這っています。眠り癖、どうにかなりませんか」


「なりませんね、人間の三大欲求ですから。別に寝るのは悪いことではないでしょう? 寝る子は育つ。良いことじゃないですか」


 そう話すと教師はその場に座り込み、俺が先程まで眠っていた机に両腕を乗せた。


「確かにそうです。寝ることは悪いことじゃ無い。でも、場所と時間が良くありません。 教師と言う立場でこれを言うのは問題になるかもしれないが、正直不愉快です」


「・・・気をつけます」


「よろしい! 放課後、職員室に来るように」


 そう言って教師は立ち上がった後、教室を出ていく。

 それからいくつかの授業が終わり、場面は職員室前に移る。


 職員室の扉を叩き、ノックする。

 教職員の視線がこちらを向き、その中には鋭く身体を貫くような視線もチラホラと見える。


鳴海 心(なるみ こころ)です。地神(ちがみ)先生はいらっしゃいますか」


 そう言ってみるが、一向に教師の姿は見えない。

 直後、背中を叩かれた。


「鳴海君早かったですね」


 俺の肩を叩いたのは地神だ。


「地神先生、職員室に来ましたよ」


「はい、見ればわかります」


 手を拭く彼女を見つめ、大体の行き先はわかった。

 地神はハンカチをポケットにしまい、先に歩く。


「あれ、先生!職員室じゃ無いんですか?」


「職員室でも良いですが、私はあまりそこの空気が好きじゃありません。こちらに」


 そう言って先に行ってしまった地神の後をおう。

 着いたのは誰もいない教室だった。


「地神先生?」


「どうですか、学校は。つまらないですか?」


 地神は俺にそう聞いた。


「どうですかね。あまり考えた事がありません」


「はい、知っています。 鳴海君、君は少し前から何にも集中出来なくなりました。 あの時からですね?」


「・・・その話はしたくありません」


 そう話すと、彼女は優しく笑った。


「少しはしっかり休んでください。何かあれば相談に乗ります」


「教師を信じろと?」


「どうでしょう?それは鳴海君次第です」


 そう言って地神は優しく笑う。

 優しく・・・いや、どこか寂しそうな。同情しているようにも見える表情だ。


 俺にはそれが苛立たしく、直視できなかった。


「さぁ。今日は帰りましょう」


「もう良いんですか?」


「はい。授業中に注意したことで、反省していたのは知っていますから」


 そう言って、地神は俺の横を通り過ぎていく。


「妹さんによろしく。鳴海君」


「地神先生、俺に妹はいませんよ」


「そうでした」


 そう言って地神は教室を出て行った。

 ガラガラと閉まる扉の音だけを聞き、夕陽が差し込む教室に沈黙が流れる。


 深く深呼吸をして、俺は帰る。

 その日は、モヤモヤとした気持ちと共に眠ったのをよく覚えている。

こんにちは、鬼子です!

今回から初ジャンルに挑戦しようと、新たな小説を書かせていただきます!


正直、短いまま終わるか、長くなってしまうのかはわかりません。

ですが、楽しんでもらえる作品になるように努力します!

ぜひ、楽しみながら読んでいただけると嬉しいです!

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