ヲタッキーズ175 アキ・バーレスク
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!
秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。
ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。
ヲトナのジュブナイル第175話「アキ・バーレスク」。さて、今回は秋葉原に集うヲタク3人が相次ぎ殺されます。
全く関係の見えない3人の死に捜査は難航しますが、やがて東秋葉原の一角にあるエンタメ空間の存在が浮上、捜査のためにヒロインはダンサーとして…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 秋葉原ボードビル
僕は、追い詰められる。ソコはミラーハウスだ。振り返ると何人もの僕が同時に振り返る。遠く、メイド達の声がスルw
「テリィたんは?」
「いないわ」
「何処に消えたの?」
今、声は出せない。汗ばむ手で音波銃を構える。次の瞬間w
「パシッ」
暗闇の何処かでミラーが割れ、僕の像が粉々になる。さらに次々と鏡が割れて逝き、破片を撒き散らしながら砕け散る。
「光だ!」
残る2枚の鏡像に開いた扉と、その先の外の世界が見える。
走れ、ココを出なきゃ!扉は目前。飛ぶ込むように外へw
「テリィたん?」
摩天楼の谷間の裏通りだ。ラギィが音波銃を構え立ってる。
「テリィたん、伏せなさい!」
僕は無言で音波銃を構える。瞬間、戸惑いの表情を浮かべたラギィだが、直ぐ獲物を狙う目になって音波銃を構える。
同時に発砲w
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
3 days earlier…
ヲタッキーズのマリレは、デスクの上で卵を立てようと必死だ。その横で雑誌を読んでいるエアリ。
傍らをコツコツと靴音を立てて歩くのは万世橋警察署のラギィ警部。思わず卵を床に落とすマリレ。
因みにエアリとマリレはメイド服だ。ココはアキバだしw
「あら。ヲタッキーズの2人は、ハンプティダンプティの捜査でもしてるの?」
「え。ラギィ、だって今日は春分の日ょ?」
「ごめんね。マリレは、今日は生卵が立つ日だと信じてるの」
エアリが弁明しながら、雑巾を渡し卵が割れた床を指差す。
「因みに卵が立つと言うのは、ただの都市伝説ょ」
「ソレに、確か卵が立つのは秋分だったような…」
「違うわ。去年テリィたんがやってたモン!」
僕の名を聞き、途端に不機嫌になるラギィ。
「余計なコト、言わないの」
エアリは、マリレの後頭部をピシャリ。
「テリィたんから、連絡はナイ?」
「ナイわ」
「思い切ってスマホしてみたら?」
ラギィは首を横に振る。
「衛星軌道から戻ったら連絡スルと言ったのはテリィたんょ。連絡がないと言うコトは、他に何か重要なコトがある証拠だと思うの」
「テリィたんは、第3新東京電力時代の宇宙発電所勤務の経験を買われ、今、秋葉原D.A.大統領の特命で衛星軌道上の太陽発電衛星にいる。でも、とっくにミッションは終わったのに、帰って来ない。きっと、新刊の原稿が描き上がってなくて、元カノの編集者から逃げ回ってるのね」
「きっとそうだわ。テリィたんのコトだから」
突然、ラギィのデスクの上でスマホが鳴動スル。
ハッとするラギィ。メイド達はひやかしモードw
「はい。ラギィ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
地下アイドル通りの殺人現場。青白ストライプのお洒落なサンシェードを突き破り遺体の長い髪と血の滴る手がダラリ。
恨めしげな視線?が地面に飛ぶ。
「おっと… 誰かが彼女は頭で立たせようとしたみたいね」
「ハンプティダンプティ状態だわ」
「ね?やっぱり卵が立つのは春分の日なのょ」
違う。ソレは醜聞…じゃなかった、秋分の日。
「死因は転落じゃないわね。被害者は、何発か音波銃で撃たれた後で、3Fの部屋の窓からダイブって感じ?」
「被害者はクロエ・ホトマ。警官が駆けつけた時、犯人は既にいなかった。遺体が落ちるのを見た人がいる。ただ、警官が部屋に駆け上がると、既に犯人の姿はなかった。管理人も不在で犯人を見た人はナシ」
「ありがとう、エアリ。さらに聞き込みを続けて。何か情報がアルかも」
うなずくエアリ…と、素っ頓狂な声w
「あら?テリィたんだわ」
みんなが一斉に振り向く。開店準備中の書店の奥から、僕がゆっくりと歩いて来る?みんなは怪訝な顔。
ソレは新刊本を手にした、僕の等身大のポップだ。手にしている新刊のタイトルは"裸のギャバ子"だw
全員の視線が(作品のモデルの)ラギィに集まる。
「執筆は終わったみたいね」
「新刊を送ってくれないなんて」
「秋葉原にも戻ってたのか」
書店員が、ショーウィンドウにステッカーを斜めに貼る。
"coming soon, meet the author, this Friday at 7pm"
「やっぱり秋葉原に戻ってるのね。ホント、私達に連絡も寄越さナイなんて」
「はいはい、ラギィ。テリィたんが恋しいのはわかったから、遺体に集中ょ。マリレ、被害者の情報は?」
「恋人が今、コッチに向かってる。先に被害者の部屋を見ておかない?」
ラギィとメイド達は、ショーウィンドウの中の僕を睨みつけるようにして移動スル。
僕は、黒いジャケットに紫と白のストライプシャツ。自信なさげに曖昧な笑顔を浮かべている。
「いかにも原稿が未だって感じね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ビル3Fのクロエの部屋。
「クロエは、ドアを開けてから犯人と御対面して後ずさり。そこで先ず1発撃たれた」
「…そして、相手から逃れるようにして窓まで逃げる!」
「その時、トドメの大口径Hzの音波が彼女を貫通して窓を粉々に粉砕した…」
なるほど。窓ガラスが割れ落ち、窓枠だけが残ってるw
「あら?荷造りをしてたのね」
室内には、横倒しのスーツケースから衣類がハミ出てる。鑑識がカラーコーンと数字の札を立てている。
ラギィは、ビニール手袋をつけた手で、スーツケースからシステム手帳と財布を取り出して札束を確認。
「強盗目的じゃなさそうね…鑑識は、指紋や繊維痕がないかを調べて」
「わかりました。警部」
「警部、恋人のエバンさんが来ました」
システム手帳を制服警官に渡すラギィ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「じゃ誰かがいきなりステーキ、じゃなかった、イキナリ理由もなく、彼女を撃ったと?」
いきなりステーキ、じゃなくて、イキナリ激昂するエバン。
「いいえ。こーゆーケースでは、必ず何かしら理由があります。クロエとは、いつからお付き合いを?」
「…半年前かな?」
急に慎重になるエバン。何処か胡散臭いw
「彼女に何か恨みを持つような人はいました?」
「ナンセンス!彼女は、敵を作るようなタイプじゃない!」
「彼女のお仕事は?」
一転、澱みなくスラスラ答える。
「教師だ。いや、教師だった。生徒達からも愛されてた」
「エバンさん、今日彼女と会う約束は?」
「いや、してない。何で?」
またまた慎重になるエバン。忙しい性格だw
「クロエさんは、荷造りをしていました」
「え。何でだろう。おかしいな。明日は学校があるんだ。それなのに外泊だなんて」
「落ち着いて。エバンさん」
急に泣き出しそうになるエバン。背後で鑑識が証拠品を入れたビニール袋を示す。ユックリとうなずくラギィ。
「ちょっと失礼します…なに?」
「被害者が握ってました。危うく見逃すトコロでした」
「クロエは、この住所に行こうとしてたのカモ」
"神田佐久間河岸町111 417号室"
「行ってみるしかナイわね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
住所は、神田リバー沿いに建つ、お洒落なSOHO系デザイナーズマンションだ。アーティスト好み?家賃が高そうw
「マヤナ・ドリンの部屋だ。32才。前科ナシ」
「417号室?」
「YES」
ドアにカメラを構えた男の絵。
先頭のラギィが音波銃を抜く。
「扉が空いてる」
メイド達も一斉に音波銃を抜く。ドアの隙間から覗くラギィが音波銃を構え飛び込む。
「万世橋警察署!万世橋警察署!」
「動かないで!」
「手を上げなさい!」
手を上げる…僕←
「テリィたん?」
「ラギィか?」
「何でココにいるの?」
ラギィは、音波銃の銃口をやや下げるが…コンクリート打ちっぱなしの部屋でベッドの上に女が倒れている。
その横に、まぁ、その、何と申すか、音波銃を持って突っ立っている謎のヲタク、僕。コレはヤバい展開だw
思わズ、ベッドを振り返る…
「テリィたん、ヤメて!音波銃を下ろして!」
「サッサと音波銃を下ろしなさい!」
「ミユリ姉様を悲しませないで!」
何でミユリさんが出て来るンだょ?
「早くして!馬鹿野郎」
「馬鹿野郎?」
「だって馬鹿なんだモン」
僕は、音波銃を床に投げ捨てる。
「おい誤解だって。ちょっち待ってくれょ」
「あら、どうかしら?ホラ後ろ向いて」
「テリィたん。殺人容疑で逮捕ょ」
第2章 宇宙が語ってる
取調室。ラギィがファイルを手に無言の入室。
「何か違うな。改装した?」
答えはない。僕の前に座る。
「権利については聞いてますね?」
「マジで?宇宙に出張した話とか聞いてくれよ」
「自分が殺人の容疑者だってわかってる?」
「薄々な。でも、手錠はプレイだと思ってる」
可愛く睨まれる。頃合いだ。
「元気そうだね」
やっと微笑むラギィ。
「テリィたんもね。容疑者だけど」
「ねぇ何を怒ってるの?」
「テリィたんが音波銃を持って遺体の横に立ってたりスルから」
僕は弁解が下手だ。
「だから!行ったら死んでたんだって」
「だったら通報してょ」
「通報しようとしてたら君達が入って来たんだ」
我ながらウソくさい。ホントなんだが。
「マジ?じゃそもそもなぜ彼女の部屋にいたの?」
「電話があったから」
「え。マヤナと付き合ってたのね?」
ソッチかw
「あのさ。僕は御屋敷のインテリア用に彼女から彫刻を買ってルンだ」
「カラダの関係は?」←
「…ソレを知ってどうなる?」
僕は…ホントに弁解が下手だw
「あのね。コレは殺人動機の捜査なの。答えて」
「殺人動機?…ないよ。彼女とは寝たコトはナイ」
「誓う?キレイな人ょ?巨乳ょ?」
ホントに殺人動機の聴取かコレ?
「誓う。別の人がいる」
「だ、誰?」
「その口紅は…」
真っ赤になって叫ぶラギィ。
「ヤメて」
「知ってるだろう(ミユリさんだけどw)?」
「久々に会ったのに、テリィたんの恋人のコトなんて知らないわ。だって、所詮、私は元カノだもの。どーせ軌道をグルグル回ってる間に何度も恋人が変わってルンでしょ?」
そりゃ時速2万8000kmだからなw
「もしかしてヤキモチか」
「まさか。あの元カノの編集者でしょ?彼女は夜も〆切がありそう」
「そういう君こそ例の刑事と続いてる?まだ付き合ってるの?名前はなんだったっけ。トムデ?」
ふと視線が落ちるラギィ。地雷だっ
「別れたのか(一応トドメを刺すw)」
「…マヤナは電話でなんて言ってたの?」
「問題があるけど、警察には行けないって」
真実だ。
「ソレで何でテリィたんに連絡を?」
「マヤナは、俺が君と付き合ってる、いや…警察と付き合いがあるってコトを知ってたからだ」
「何の問題?」
ベケットは突っ込んでくる。
「さぁ、ソレを部屋で聞くつもりだった。すると、ドアは開いて部屋は荒らされてた。そして、彼女の遺体と銃があった」
「あのね。何度も事件現場にリサーチに来て、捜査手法にも詳しいテリィたんが、なぜ凶器に指紋をつけるようなマネをスルの?ワザと犯人と間違われたかったの?」
「マヤナは射殺されてたんだぞ。物音がした時、犯人が戻ってきたのかと思って、思わず落ちてた音波銃を手にした。自己防衛さ。自分の命が危険にさらされてルンだから、そうするしかない。ソコにラギィと伝説のガンウーマンが来た」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ガンウーマンって誰?」
取調室とマジックミラーで隔てた隣室で顔を見合わす2人のメイド。
「えっとラギィね。突入の時、先頭だったし…」
「とにかく、テリィたんが音波銃を持ってたから仕方なかった。ずっと連絡も寄越さなかったし」
「そうょ。きっと天罰だわ…何?」
制服警官が書類を渡しに入って来る。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
取り調べ?は進む。
「テリィたんが何を言っても信じられナイわ。だって、貴方は話をデッチ上げるのが仕事でしょ?」
「良く知ってるな」
「この子、知ってる?クロエ・ホトマ。彼女は射殺された。まさか元カノの1人?」
写真付き免許証の画像を示す。
「死んだ時マヤナの住所を握り締めてたの。かなりのお友達ょ」
「別の事件?2つの事件を結びつけるモノは?」
「テリィたん、貴方ょ。貴方は何か知ってルンじゃないの?」
ノックする音。ドアが開くとヲタッキーズだ。
「ラギィ。ちょっと良い?」
「やあ!ヲタッキーズ!may the MOE be with you!」
「フン」
一応、僕は彼女達の会社のCEOだ。気持ちよく挨拶スル上司。ソッポを向くOL。実に日本的な風景。
「君達も疑ってるのか?勘弁してくれよ」
ラギィを取調室の外へ連れ出すヲタッキーズ。
「マヤナとクロエを撃った音波は45口径Hzだった。テリィたんが"所持"してたのは38口径Hz」
「つまり、テリィたんはマヤナが護身用に所持してた女子向け音波銃を拾ったに過ぎない」
「でも…このママ勾留しちゃえば?」←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
再びドアを開きラギィが顔を覗かせる。
「テリィたん。帰って良いわ」
「マジすか」
「テリィたんの疑いは晴れた。自由の身ょ」
ドアを開けっ放しにして出て行くラギィ。誰かの気が変わらない内に腕まくりしラギィを追いかける。
「で、次はどうする?」
「次?テリィたんは御屋敷に御帰宅したら?」
「おいおいおい。僕は、2つの事件の被害者をつなぐ重要参考人だぞ」
必死の売り込み←
「そして、貴重な目撃者。巻き添えに出来ないわ」
「もうなってる(逮捕されたしw)!」
「テリィたん。もう良いから帰って。太陽発電衛星や元カノや出版記念パーティが貴方を待ってるわ。私も仕事しなきゃ」
くるりと踵を返し去るラギィ。
「みんな、何を怒ってるんだ?」
振り向けば、僕と視線をズラす2人のメイド。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
御屋敷のバックヤードをスチームパンク風に改装したら居心地良くて客の回転率は急降下だ。今も…
「何コレ?」
「カワイイ!」
「も1度見ょう?」
パンダが仲間のパンダを湖に突き落とす画像を見て笑い転げる、僕の推しミユリさんと常連のスピア。
「おかえりなさいませ、テリィ様」
「テリィたん、おかえり。ねぇこの動画見て。超カワイイの。絶対見て!」
「後にするよ」
カウンターの中からメイド長のミユリさんが絡む。
「テリィ様も何方かの穴に落とされたようですね」
ミユリさんには隠せない。
「実は…ラギィに逮捕された」
「え。逮捕?クスクス。新書の宣伝が終わるまで万世橋には行かないって言ってたのに」
「そう思ってたんだけど、知り合いが殺されてさ」
ミユリさんは動じない。小首を傾げる。
「まぁ大変。どなた?」
「マヤナだ。ウチの彫刻を作ってくれた人」
「え。あのヤリマン…失礼、貞操観念がステルス超低空飛行のマヤナが?手がかりは?」
振り返るスピア。彼女は、自称僕の元カノ会長だw
「ソレがまだ何もないンだよ」
「みんな元気でしたか?ラギィは?」
「元気そうだった」
元気そうだったけど…怒ってるw
「ホントですか?なんか信じられないわ」
「ミユリさんこそ春ミュージカルのプロデューサーとはどーなの?」
「あら、テリィ様。ランバラルは入ってません的ご発言ですね。兵に手は出させるなょ…ソレよりスピアが冬に出会った彼から連絡がないと悩んでますけど」
常連のハッカーに話を振る。
「半島旅行から帰ったら必ず連絡するって言っていたのに」
「スピアから連絡すれば済むだろう」
「気があれば向こうから連絡するわょ普通」
おお!恋の駆け引きだ!甘酸っぱいぞ。
「連絡したいけど、スピアにどう思われるか、不安があるんだろ?お前が心変わりしてたらどうしようとか、例えば…」
「おや?テリィ様ともあろう方が腐女子の恋愛ポリシーを御存知ナイ?」
「ミユリさんは反面教師だ。ソレよりスピア、何でソンなに怒るのかな」
そうだ。なぜ女子は直ぐ怒ルンだ?
「もう顔も見たくナイわ!」
「チャンスをあげろよ」
「テリィたん!どっちの味方?」
火の粉が降りかかるw
「モチロン、僕の大事な元カノ会長の味方さ…だけど、ソイツもきっと誠意を見せるょ。多分サプライズとか考えてルンじゃナイか?」
「いいえ。彼はチャンスを逃したの。チャンスは、逃したら終わりなの」
「待てょスピア」
止める間も無くスピアはお出掛け。PCは棍棒を持ったパンダの画像を流す…うーんコレは可愛いな。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋に捜査本部が立ち上がる。
「ラギィ。テリィたんを拘置所にブチ込めば良かったのょ!」
「そんなコトしちゃダメょ。拘置所の他の人達に申し訳ないわ」
「そっち?」
ラギィとエアリが、全く意味のナイ文字通りの無駄話をしていると、マリレが飛び込んで来る。
「クロエもマヤナも弾道分析の結果、同じ音波銃で撃たれたコトがわかった」
「マヤナの知人は?聞き込みはどう?」
「全員がクロエを知らないと言ってる。逆に、クロエの恋人や同僚もマヤナを知らない」
首を傾げるラギィ。唇を噛む。
「つまり、こうね。被害者は高校の化学の先生と彫刻家の2人の女性。2人は家も離れているし、接点が見つからない。生活パターンを考えても接点は見当たらない。ところが、どうしてだか、同じ日に同じ犯人に殺されてる。何処かでつながってるハズょ。通話記録と口座を調べてちょうだい」
「そうね」
「任せて」
出掛けるマリレ。エアリは出掛けにラギィをチラ見。
「ルイナの所見を聞いてみる。何かわかったカモしれないわ」
エアリの視線を感じ逃げるように席を立つラギィ。エアリは溜め息を漏らし急いでマリレの後を追う。
「マリレ!」
叫んで追いかけていくエアリ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
夜のタワマン20F。殺人現場を立哨中の婦警。ソコヘ、2人分のベーグル&コーヒー持参で現れる僕。
「久しぶり」
「おぉテリィたん。戻ったのね」
「まぁねラギィは?」
既に婦警の視線はベーグルの辺りを漂ってる。
「1時間位前に帰ったわ」
「何か発見は?」
「特になかったみたい」
僕はベーグルの紙袋とコーヒー2つを、胸の辺りまでスリスリと持ち上げる。ニッコリ受け取る婦警。
「ビニール手袋して」
「持って来てる」
「何も触らないでね」
僕は、ポケットからビニ手を出して、彫刻家のアートゴコロに溢れた部屋の中を歩く。
裸体の彫像や"BOY"と描かれたネオンサイン。丸いボンボリみたいなシャンデリア…
「おや?こんなトコロにも血痕が…」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋の検視局は地下にある。
「ラギィ。何か面白い人を逮捕したんだって?聞かせてょ」
「今は嫌ょ」
「ちゃんと吐き出さないと胃潰瘍になるわょ?」
検視局のモニターをハッキングして女子トークする超天才ルイナは、ラボから"リモート鑑識"中だ。
「ルイナ、何かわかった?2人の被害者の共通点を探してルンだけど?」
「2人ともタトゥがアル。窓からダイブしたクロエのタトゥは薔薇。マヤナのタトゥは人魚。絵柄的に多分同じ彫り師だと思うわ」
「タトゥなんて今どき珍しくナイ。他には?」
遺体の白い布をめくるラギィ。
「そー言えば、関係ないカモだけど、クロエの手に少し気になるモノを見つけた」
ラギィがペンライトを当てると"227"の文字。
「アパートやロッカーの番号かしら」
「薄いから1週間ぐらい前に描いたモノね。ソレからコレ。領収書がポケットに入ってた」
「タクシー?」
ビニール袋入りのタクシーチケットだ。
「殺される数時間前ょ」
「わかった。どこからどこまで乗ったかタクシー会社に聞いてみるわ」
「テリィたんの話はナシ?」
答えズ検視局を出るラギィ。スマホが鳴る。
「ラギィ?2人の通話記録を調べたら、やっぱりつながってたわ。死ぬ前に2人とも同じ番号から着信があった」
「誰から?」
「トッド・マカチって奴で窃盗などの前科がアル」
ビンゴ!
「住所はわかる?」
「モチロン、わかるわ」
「ってか、今から突入だけど」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
突入!
「万世橋警察署!万世橋警察署!」
「手を上げて!動くな!」
「え。また?」
手を挙げながら…振り向く僕←
またか。僕は苦笑いだ。音波銃を構えて飛び込んで来た敏腕警部とメイド2人も呆然。激しい既視感←
「あはは…今、説明スルょ」
「問答無用!後ろを向いて!」
「話せばワカル」
歩み寄る僕に音波銃が突きつけられるw
「先ずは聞けよ」
「テリィたんこそ話を聞いて」
「捜査って犯罪じゃナイだろう?」
3人は僕に音波銃を向けたママだw
「そうね。でも、不法侵入も殺人も犯罪なの」
「協力しただけだ。市民として」
「ヤメて。そもそもどうしてココがわかったの?」
必死の抗弁。
「手がかりをたどって行き着いた!」
「何言ってんの?キャリアから被害者の通話記録を入手したとでも言うの?」
「いや違うけど」
ソッポを向く僕。
「じゃあ何?」
「黙秘する。ジュネーブ協定に基づき…ぎゃ!痛い!痛い!痛い!」
「どーしてココがわかったの!」
いきなり僕の耳たぶを捻り上げるラギィw
「ごめんなさい!実は、マヤナの電話を勝手に調べちゃいましたぁ!」
「家の電話を?」
「最後に通話した人をリダイヤルしたらトッドの留守電につながった。住所はネットで探したんだょスピアが勝手に。どう少しは感心した?」
ガチャリと手錠を取り出すラギィw
「当局の許可なく現場に立ち入った」
「だけど、ビニ手はしたょ!」
「警部。死後数時間は経ってます」
鑑識の尻馬に乗る僕。
「ほら、僕じゃナイょおまわりさん!」
ソファに横たわる死体を振り向くラギィ。
「音波銃?」
「YES。今回も45口径Hzのようです」
「変だな」
とりあえず、逝ってみただけナンだが、全員の視線の集中放火を浴びる。何なんだ?何か逝わなきゃ!
「被害者のトットは自動販売機の仕事をしてた。他の被害者との接点は何かな?」
僕のアドバイスを受け、死体に近寄るラギィだが、一緒に動こうとしたら、胸をドンと押し返される。
「鑑識を呼んで。3つの現場に共通する証拠が出るカモしれない。あと3人の共通点も徹底的に調べて。出会い系サイトや依存症の会とか」
「ラギィ、僕"達"は何をする?」
「テリィたん。友達が死んだのは残念だけど、勝手にいきなり現れて捜査に参加したいと言われても困る。同行したいなら、秋葉原に来たらとっくに連絡してたハズょね?だから、テリィたんが、今ココにいるのは、たまたま運悪く事件に巻き込まれただけょ。それだけなの」
マズい展開だ。煙幕を張ろうw
「待て、ラギィ。僕だって連絡を待っていた。今回の事件は、何かわかるか?コレはサインだ」
「え。何?サイン?」
「2人で捜査をしろと言う宇宙からのサインだ。宇宙の意思に叛いたら、人類を誰が補完スル?」
ラギィは呆気にとられてる。もう1推しだ。
「ラギィ。宇宙だ」
「そんなバカなコトを言って、また私の邪魔をしたいワケね?」
「違うょラギィ。宇宙に乾杯だ」
もう一息?
「そう。もう良いわ。今回だけは許すけど、私の言うことを聞いて。私が指示したコトを指示した通りにして。絶対に勝手な捜査はしないで」
「約束だ。後悔はさせない」
「もうしてるわ」
第3章 なんて素敵なバーレスク
その夜の"潜り酒場"。
御帰宅したらメイド長は不在。常連でハッカーのスピアがカウンターに入って冷蔵庫の中を覗いてる。
「うーん冷蔵庫って、いつもイカしてるょね。クールなクセして、真夜中でも開けるとヤタラ明るい」
「…眠れないの」
「例の彼氏のコト?」
うなずくスピア。
「スマホして来た」
「良かったじゃないか!」
「出なかった」
え。
「出なかった?なぜ?」
「だってムカついて。だのに、折電も留守電もナイの。どーすれば良い?直ぐかけ直したら待ってたと思われるわ。いつかけ直せば…明日?明後日?」
「ズバリ!新しい彼氏を探せょ」
非難の眼差しw
「テリィたんって恋愛が下手?」
「確かに得意ではナイな」
「もう!」
僕の腕を抱くスピア。ヨロけて冷蔵庫に手をつく。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
"秋葉原マンハッタン"と呼ばれる摩天楼群に登る太陽はナゼかギラギラとオレンジ色だ。
早朝からデスクで考えゴトをしているラギィ。コーヒーを2つ持ってきて1つデスクに置く。
「どう?」
「もうすぐトッドの婚約者が来るわ」
「3人の共通点は?」
ホワイトボードを眺めながら少し急かしてみるw
「小学校まで遡ってみたけど、何も出ない」
「"裏NERV"が経歴を改竄してルンだ」
「テリィたんっていつもNERVょね」
疲れ切ってるのか、ニコリともしないラギィ。
「毎回言い続ければいつか当たるさ」
「テリィたんが"使える人"だって忘れそう」
「…賭けナイか?」
挑発スル。
「僕が先に3人の共通点を見つけたら、僕の勝ちってコトで」
「やってやろうじゃないの!私が勝ったら2度と事件の捜査に関わらないコト!」
「わかった。でも、僕が勝ったら、また僕はラギィのリサーチを続ける」
成立!目がイキイキするラギィw
「勝負ょ!」
「ん?でも、ヲタッキーズが勝ったら?」
「それはないな」
「無理ょ」
自問自答にラギィの答えが被る。振り向くとエアリとマリレがポカンと口を開けてコチラを伺ってるw
詰め寄ってくるメイド達。
「何の話してるの?」
「秋葉原に戻ったのに連絡しなくてゴメンと謝られてた。で、進展あった?」
「…マヤナの部屋にあった血痕はトッドのものだった。ついでに、マヤナの靴にもトッドの血がついてたわ」
おぉ大収穫だ。ラギィも身を乗り出す。
「つまり、マヤナはトッドの死後、彼の部屋にいたってワケね?」
「タクシー相乗りサービス会社に聞いたら、トッドの部屋から東秋葉原まで乗車したコトもわかった」
なかなかヤルなヲタッキーズ。
「ふーん」
「その20分後またタクシー乗って帰宅してる」
「その後、僕に電話したのか」
制服警官が顔を出す。
「ラギィ警部。トッドの婚約者が来ました」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
トッドの婚約者は…何とマトモだ。ヒッツメ髪の黒縁メガネ。コスプレでなければ生粋のマジメ女子w
「トッドには3人セフレがいましたが、どなたとも違います。この方々に見覚えはありません」
「3人のセフレ?何か小説の題名になりそうだな」
「私がヘタなので…」
学級委員が淡々と議事を語るような話ぶりw
「トッドには前科があるンだ。違法なコトをしてた可能性はナイのか?」
委員長タイプに弱い僕は、ナゼか強気で責め立て、コレまたナゼかラギィに睨まれるw
「存じております。しかし、トッドは良い人でした。過去に悪いコトもしましたが、優しかった。そして、自販機ビジネスを始めてからは、犯罪とは無縁の生活でした。ただ…」
「ただ、何だ?」←
「何ヶ月か前に怪我して働けなくなったのです」
溜め息をつく婚約者。委員長の溜め息。萌え←
「自販機ビジネスも廃業寸前となり、近所の男から借金をしましたが、その相手がヒドかった」
「脅迫された?」
「YES。トッドの返済が遅れた時がありましたが、そしたらソイツは音波銃を持って家に参りました。借金を返さないなら殺すと言って」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
(巨乳)委員長を脅す奴は許せない!取り調べだ!
「奴には1500万円貸した。ソレが?」
茶色のジャケットにネルの赤シャツだ。
ストリートの高利貸しカビノ・カルノ。
「カビノさん。トッドを脅したそうだな!」
「だから?」
「おい!(巨乳委員長の)彼は死んだ」
顔色1つ変えないカビノ。
「あぁ知ってるよ。でも、おまわりさん。1500万円じゃ殺人は見合わない。取り立ての手段は、他にいくらでもある。それにトッドは利子も全部キッチリ返済してくれた」
「そんな話、信じられると思ってるのか!」
「そりゃ信じねぇだろうな。だが、事実さ」
時計をチラ見するカビノ。次の約束でもアルのか?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
捜査本部で書類の山に埋もれる4人。
「テリィたん。カビノはシロょ。昨日は1日中妻と乙女ロードでお買い物してたらしい」
「まぁうらやましい」
「待て。人を雇って殺させた可能性だってアル!」
続々情報も入って来る。しかし、(巨乳でマジメでメガネな委員長タイプ女子を泣かせるとは)許せんw
「でも、そもそもカビノにはトッドはともかくクロエまで殺す理由がナイわ」
「きっと、トッドを殺すトコロを見られたンだ。あ。借金の保証人だった可能性もお忘れなく」
「テリィたん、見苦しいわ!彼はシロょ!」
ラギィはファイルをめくりながら断言。
「トッドの銀行口座は調べたか?」
…すると、ヤタラゆっくり振り返るメイド達w
「コレから調べようと思ってたトコロょ」←
「え、そっか。いや、その、ほら。トッドは全額返済したとか言ってたけど、自販機ビジネス?ドンだけ儲かるのか知らないけど、良く返済出来たなぁ、あの性格で、ってどんな人かも実は良く知らないンだけど、まぁ、何となく、ちょっち疑問に思っちゃってさ。春分の日を迎えるに当たって」
「…」
沈黙が流れ…次の瞬間、全員が無言で立ち上がる。
「確かに、トッドのビジネスはズッと赤字だったのに、2週間前に950万円が突然、口座に入って来てるわ」
「ラギィ、入金は何日?」
「え。入金は7日だけど」
マヤナの口座を調べてたエアリもファイルを示す。
「7日にマヤナの口座にも950万円の入金があった。マリレ、クロエはどう?」
「同じょ!7日に950万円が入ってる」
「ええっ?!」
ビンゴ!全員が脳内で大合唱w
「多分、それぞれの950万円の出ドコロは同じね」
「待って。マヤナとクロエのカード利用の履歴をクロスチェックすると、2人共"裏ZOO"という場所で9日と16日に5000円以下の支払いをしてるわ。ラギィ、トッドは?」
「トッドも同じょ」
今や全員が身を乗り出してるw
「3人は、その"裏ZOO"で会ってたのか」
「誰が入金したのか突き止めましょう。あと、この"裏ZOO"が何なのかも知りたいわ。ヲタッキーズ?」
「ROG。マリレ、行くわょ」
飛び出す2人。僕は残された書類をトントン。
「…テリィたん。未だ勝負はついてナイんだからね。3人が何でツルんでるのか、未だ共通点は見つかってないンだから」
「く、く、く。メチャ懐かしいな。このやりとり」
「そ、そんなコトはナイんだからね!」
とか逝いながら、頬を染めるラギィ。アキバに来る前に"新橋鮫"と恐れられていた頃の面影はナイw
萌えるぜ←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜の"潜り酒場"。マリレが御帰宅。
「テリィたん、ダメだった。銀行に聞いたけど、950万円の入金は、いずれも現金だったから、出所はワカラナイって」
「おいおい、マリレ。せっかくの僕の天才的なヒラメキが捜査にコペルニクス的な転回を迫ったと逝うのに」
「ラギィもガッカリしてたわ」
カウンターの中のミユリさんはクスクス笑う。
「自販機と彫刻家と化学教師が関係スル犯罪ですね?ムリヤリ理屈をこじつけるのはテリィ様のオハコでは?」
「ミユリさん。今回は、さすがに僕の妄想力も追いつかないょ」
「いいえ。追いつくのは、きっと時間の問題です」
ミユリさんの前だと、素直に非を認められルンだ。まぁソレは僕自身の寛容な性格、美点でもアルが。
続いて、エアリが御帰宅。
「カード会社に聞いたけど"裏ZOO"は、ネット会社を仲介してて住所は不明」
「あらあら。ラギィは、またまたガッカリね」
「ソレが…実は、ラギィには言ってナイんだけど、住所は不明でも、カードが使われた場所のプロバイダは記録が残ってた。で、そのプロバイダをスピアにハッキングしてもらったら、この住所が出ちゃったの。どーしよーかしら。テリィたん、見ちゃダメ。違法ハッキングだから」
レトロにも手描きのメモをピラピラさせるエアリw
「で、メイド仲間に聞いたら、結構バーレスクな現場ナンです…ミユリ姉様のお出ましを願おうかと」
「え。私?何で?貴女達で片付けてょ。ソレでもヲタッキーズ?」
「いいえ、姉様。ハッキリ申し上げて、私達"若手"の手には負えません。ピンヒールの御用意を」
ミユリさんにメモを押しつける。
第4章 元カノ全員幸せ
いわゆる"アキバ"の住所は千代田区外神田だ。住所としての"秋葉原"は実はお隣の台東区にアル。
「ミユリさん。ホントにココか?」
「はい。エアリのメモだと…」
「カードが使えそうな店は皆無だ。どちらかと言うとカードを盗まれちゃう系の場所だぜ?」
アキバから遠く離れた、古い雑居ビルが立ち並ぶ界隈。夜は無人で真っ暗。そのまた裏通りは闇の中w
路地裏にピンクのネオン管が瞬く。
「この鉄扉かな?脇に錆びたテンキーがアル」
「テリィ様。私が」
「え。番号を知ってるの?」
ミユリさんがピコピコやると…何と鉄扉が開くw
「来たコトあるの?」
「クロエの手に描いてあった番号です」
「何ソレ?美味しいの?」
重い鉄扉が開くや、ピンキーでアップテンポな音楽が流れて来る。そして、扉の向こうに広がるのは…
ピエロのナイフ投げ、大蛇を首に巻く蛇遣い、思い切り火を噴く…ん?全員女子だな。照明もピンクw
真夜中のサーカス団?新しいエンタメ空間?
「素晴らしい!この世の天国だ!」
「テリィ様。きっと未だ序の口ですょ」
「御注文は?」
スチームなメイドから声がかかる。
「情報だ。この3人に見覚えナイかな?」
殺された3人の写真をカウンターに並べる。
「あら。3人共キティのお仲間だわ」
「キティって誰?」
「ココの経営者ょ。今、ヲタクの連れと踊ってる」
ええっ!あれ?ミユリさん、何処?
蒸気メイドが指差す先に…ポールダンサーが2人、絡み合うようにして踊ってる。え、ミユリさん?
1人はボディスーツを脱ぎ捨て、パープルのランジェリー姿でヒップを♾️にグラインドさせて挑発?
1人はメイド服を脱ぎ捨て、(ややツルペタなw)バストを小刻みに震わせるシミーシェイクで応えてるw
五反田のキャバレーバンドにいた頃を想い出す。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
赤い帽子のタバコ売り女子が行き交う店内。すっかり"アキ・バーレスク"の世界観に馴染む僕。
スーパーヒロインのストリッパー…いいや失礼、バーレスクダンサーとテーブルを挟み向き合う。
「死んだの?」
「YES。3人とも貴女の仲間だと聞いたけど」
「クロエはダンス。トッドは蛇のショーをやってたわ。私達はボードビリアンょ」
え。女教師の裏の顔w
「アーティストのマヤナもダンサー?」
「彼女は常連。店には、インスピレーションを得るために来てたわ」
「やぁ。火を噴くようなダンスだったらしいな」
白ジャケに黄色いシャツの襟を出した軽薄中年だw
「そうなの。でも、若い子のヌードストリップじゃなかった。焦らして脱ぐチラリズム!バーレスクダンスの精華ょ。メイドさん、貴女も"覚醒"したスーパーヒロインね?明日からステージに上がって。ギャラは弾むわ」
「私は貴女とお話ししたいだけ。コチラの方は?」
「え。オーデ(ィション)じゃナイの?ねぇ他のお店には絶対行かないで…彼は、私の夫でココの共同経営者のワール・モーノ」
悪者?何て安易なネーミングだ。犯人登場?笑
「何があった?アンタ達は万世橋なのか?」
「もっと最悪カモ。南秋葉原条約機構ょ。で、この3人はこのエンタメクラブでつながってた」
「え。SATO?スーパーヒロイン殺しなの?…店の誰かが犯人ってコト?」
意外にも心配そうなキティ。羽飾りみたいなガウンを羽織ってる。恐らくガウンの下はランジェリーw
「…3人とは親しかったの?」
「いいえ。挨拶をスル程度だったわ…あ、マヤナとクロエにはタトゥを彫ってあげたけど。私、彫り師だから」
「そう?3人は親しかった?」
小首を傾げるキティ。
「特に親しいとは思わなかったわ」
「この店で他に親しい人は?」
「別にいなかった」
微笑みながら尋ねるミユリさん。
「常連のリスト、ある?」
「あるわ。貴女に免じてコピーをあげる」
「あと、ココで働く人、全員のリストも欲しいな」
愛想よく応じるキティ。さらに口を滑らす。
「そう言えば、あの3人が絡む、ちょっとした事件があったわ…何週間か前、クロエの恋人が来て、少し暴れたんだけど、その時、仲裁に入ったのがマヤナとトッドだった」
「そー言えば、恋人のエバンは酔っ払って変なコトを叫んでたな」
「まぁ。どんなコト?」
必死に想い出すキティ。
「お前達、何をしてるかわかってルンだぞ!とか…恐らく浮気してるとか思ってたみたい」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ミユリさんから話を聞いたラギィはカンカンだ。
早速、クロエの恋人エバンを呼びつけ取り調べ…
あ。未だ任意出頭だけどw
「おまわりさん、ゴメンナサイ!確かにクロエを尾行して、あのヘンテコなエンタメクラブまで行きました。てっきり、浮気してるか何か隠してる気がして。だって、最近スゴい体位を覚えて迫ってくるンです。きっと…」
「どうして、今までそのコトを黙ってたの?」
「だって、喧嘩したナンて言えば、絶対に私を疑いますょね?そして、アンタ達警察は、いつだってつまらない先入観に囚われ、身近な誰かに冤罪を着せては仕事したつもりになる」
スゲェその通りだw
いとも安易に冤罪を着せ、思考停止をしたがる警察の性癖を社会は厳しく糾弾すべきだ。自浄は無理w
「貴方は、3人の被害者達の共通点も知っている」
「だが、殺してない3人の内の誰も」
「ソレでも、捜査には協力出来たハズょ」
激しく首を振るエバン。
「そうやって、捜査が僕に集中すれば、またアンタ達は犯人を逃すだろ?」
「エバン。クロエの口座に入金した?貴方じゃなければ誰が入金したの?」
「入金?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
取調室から出て来る僕とラギィ。
「エバンは"アキ・バーレスク"での喧嘩は認めたけど、入金のコトはホントに知らないのカモ」
「3人のクラブ以外でのつながりも相変わらずワカラナイわ」
「…で、エバンの供述を信じる?」
うなずくラギィ。
「でも、彼が容疑者であるコトは変わらない。ねぇマリレ。令状をとってエバンの家の家宅捜査をお願い。エアリ、クラブの常連は?」
「ミユリ姉様がもらって来たリストの中に前科者が数名いるわ」
「被害者とのつながりを調べて」
彼女は、もうやってる。
「ROG」
「テリィたん、何?」
「見覚えがあるぞ」
僕は、エアリが調べてくれた書類を見てつぶやく。
「テリィたん?」
前科のアル常連の顔がホワイトボードに貼られてたマヤナのマンションに転がってた彫造の顔と一致w
「クリソツだ」
「マヤナの知り合いね。サンダ・ドイル。武器の不法所持で逮捕されてる」
「マヤナは、トッドの遺体を見た後、コイツの家に顔を出したンだ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
捜査本部に彫像の男、サンダ・ドイルを召喚。
「あぁマヤナなら知ってる。"アキ・バーレスク"って言う変態クラブで出会ったんだ」
「どういう関係?」
「セフレだ」
そりゃ…最高の関係だw
「俺の見た目がタイプだと言われた」
良い顔立ちだ。さすがMr.彫像w
「最後に会ったのはいつだ?」
「念のために申し添えるが、ドイルさん。事件当日に会ってたと言う証拠があるのょ」
「そうか。助けて欲しいと彼女から言われた」
意外な一言だ。
「助ける?何から?」
「言わなかった。ただ、誰かに追われているように見えた」
「なぜそう思うの?」
淡々と応えるMr.彫像。
「音波銃を借りたいと言ってきたからだ」
「(トッドの遺体を見て)次は自分だと確信したンだろうな」
「サンダさん。彼女が何に巻き込まれたのか、知りませんか?」
突っ込むラギィ。期待に応えるMr.彫像w
「ワカラナイが、予想は出来る。何週間か前、マヤナとセックスした時、匂いがしたんだ。あの匂い」
「え。あの匂い?」
「違うょおまわりさん。シンナーやアセトンや漂白剤の匂いさ。実は"覚醒剤"を作ってる友達がいるが、連中からも同じ匂いがした」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
アキバに開いた"リアルの裂け目"の影響で腐女子のスーパーヒロインへの"覚醒"が相次ぐ。
一方アキバの地下では覚醒を焦る腐女子を食い物にスル"覚醒剤"が売られ社会問題化してる。
「そっか"覚醒剤"!なぜ気づかなかったのかな」
「テリィたん。ホントに"覚醒剤"だと思う?」
「だって"バーレスクの3人"は、みんな金に困ってた。きっと、ある晩、集まって愚痴ってたんだ。すると、クロエが冗談を言った。"’覚醒剤’でも作っちゃう?"って。でも、後の2人は笑わない。そして、ソレだと飛びつき、実行に移す。絶対そうだ。"覚醒剤"で決まり!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「絶対に"覚醒剤"じゃないわ」
"リモート鑑識"の超天才ルイナは断言w
「マジ?」
「マジ。でも、確かにMr.彫像のサンダさんの言う通り、3人から薬品は検出されてるわ。漂白剤。アセトン。塩化ナトリウム。アンモニアね」
「なら"覚醒剤"だろう?」
勢いづく僕。
「ブ、ブー。コレだけの材料では"覚醒剤"は作れません。他の薬品も検出されないと。とにかく"覚醒剤"自体が一切検出されてないわ…とにかく"覚醒剤"じゃナイけど、何かを企んでたのは確かね」
今日は僕のタブレットを(多分相棒のスピアが)ハッキングした超天才は髪はおろしてオメカシしてるw
デートかな?ソコへ!
「ラギィ!エバンの家で、こんなモン見つけた。どーやら凶器みたいょ」
マリレが示す証拠品袋の中に音波銃w
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
再び取調室。今回は物証となる音波銃が発見されたからラギィは超強気で"取り調べ"に臨む。だが…
「絶対僕のじゃない。そんな音波銃、知らない!」
「じゃあ何で貴方の部屋にあったの?」
「だから、知らないって」
エバンも必死だ。
「"アキ・バーレスク"で何があったの?」
「言っただろ?喧嘩だょ」
「原因は? 4人で何かを企んでたハズょ。エバン、何の計画?なぜ殺したの?」
叫ぶエバン。
「弁護士を呼ぶ!弁護士が来るまでは、もう何も話さない!」
唇を噛むラギィ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜の"潜り酒場"。
「今、公選弁護人が署に向かってる。ソレまで、誰も、何も動けない。ラギィは完全に逝き詰まった」
「テリィ様。(学生時代の同棲相手で元カノの)ミクス次長検事サマに連絡して。司法取引に応じてもらいましょう。とにかく、今は真相解明が優先です」
「…ミユリさん。その顔」
カウンターの中で何か逝いたげなミユリさん。
「マリレが見つけた凶器からは、指紋が出なかったそうです」
「きっと拭いたんだょ」
「なぜ捨てなかったのでしょう」
人差し指を唇に当てる。萌えポーズだ。
「後で捨てようとして、時間がなかったんだ」
何だか夢中になって応えるバカな僕←
「普通なら最初に捨てます」
「きっと再使用しようとしたんだ。音波銃のリサイクルさ」
「誰を殺すためのリサイクルですか?」
答えには詰まるが、ミユリさんが微笑むから何だかウルトラハッピーの2乗な気分(懐かしいなw)←
「きっと自己防衛だょ…エアリ、おかえり」
「ただいま。ミユリ姉様、今、ラギィには報告して来たけど、エバンの口座に特に不審な点はなかったわ」
「ソレが動機カモな。彼は、分け前をもらえずに殺したんじゃないか?」
辛抱強く微笑み続けるミユリさん。
「でも、何の分け前でしょう?そもそも3人は、何に加担していたのでしょう?」
「彫刻家。自販機業者。化学教師。バーレスクで何をしてた?筋立ては素晴らしいのに、あとヲチさえ決まればな」
「黒い目をしたA BOY、いつかbig money、叩きつけてヤル」
歌うようにつぶやくミユリさん。
「big moneyを作った挙句に殺害された?」
「YES。big moneyです、テリィ様」
「そ、そうか!」
今、僕の脳内には山田省吾のロックが流れてる。
「彫刻家に化け学の教師に自動販売機の業者。何の企みかわかった。ミユリさん、クロエのバッグを見て来る!」
やっとピンと来た僕。まぁ、今にして思えば、全部ミユリさん達の手のひらの上だったンだけどさw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋の捜査本部。僕が事件の証拠品箱を持って飛び込むとラギィはホワイトボードの前で待ってるw
「テリィたん、今頃何を探してるの?」
「やった!財布があったぞ!」
「そうょ。強盗じゃなかったから、犯人は手をつけてナイけど?」
財布の中の千円札を抜き、ラギィに見せる。
「シリアルナンバーを見てくれ」
ラギィは札2枚を摘んでズラす。ナンバーが同じw
「同じね」
「年代は2004年"タメ口英世"以降の札だ」
「確か今年は新しいお札が出る年ね」
ヤタラ詳しいラギィの良く出来ました風の笑顔には全く気づかズ偉そうに講釈を垂れる僕。あぁバカw
「コレがヲチだ。"バーレスクの3人"はニセ札を作ってた。ニセ札を作るプロセスは3段階だ。原版づくり、紙とインクの製造、そして印刷だ。この内1番難しいのは紙作り。しかし"バーレスクの3人"にその問題は無い。何しろ自販機から大量に集まる千円札を使えルンだからな」
「スゴーい、テリィたん。自販機ね?遺体についてた薬品は、千円札を漂白して白紙にスル時についのね?」
「YES。ココで化学教師のクロエの知識が映える」
わかってしまえば簡単だ。
「その後、ニセ札用の白紙の原紙を製紙スルのさ」
「なるほど!次は金属製の原版プレートでbig moneyを印刷ね?」
「YES。原版プレートを彫金出来るのは彫刻家だ。彼女の技術なら彫金は可能だ」
僕とラギィの妄想がハレーションw
「揃ったわ!ニセ札用の原版プレートに紙もある…でも、テリィたん。未だ必要なモノを忘れてナイ?」
「え。何だろうSHOP…あ!」
「犯人がわかった!」
僕とラギィは異口同音だ。鼻と鼻がぶつかりそうな距離で見つめ合い微笑み合う。嬉しそうなラギィ。
「テリィたん、お出掛けょ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
白昼の"アキ・バーレスク"。雑な掃除後の店内は無人と思ったらレジの現金をバッグに詰める人影w
「ホラ、早くして」
「原版プレートはゲットしたぞ」
「ズラかるわょ!」
ボストンバッグを引きずるように持って走る男は、バーレスクの共同経営者のワールだ。
片やニセ札?を溢れさせたバッグを両手に持って立ち上がるのは、妻のキティ・ギルテ。
「あら?お出かけ?手を挙げて」
ヲタッキーズを従えたラギィが音波銃を構える。
「バッグから離れて。コチラに来て」
渋々と両手を挙げるキティ。
マリレがニセ札を確認スル。
「ニセ札だと何でわかったの?」
「足りないのはインクだった。でも、彫り師の君なら用意が出来る」
「そして、凶器の音波銃をエバンの家に置いたのも貴女。エバンが疑われるように上手く仕向けたけど、音波銃にエバンの指紋をつける時間はなかった」
ラギィが続ける。おぉ夫唱婦随ポイ。美しいな←
「危ない!」
その時、プロレス用金網リングの向こうからワールが音波銃を撃つ。僕はラギィに飛びつき床に倒す。
直ちにエアリとマリレが膝打ちで音波銃を撃ち返し火力で圧倒されたワールはバッグ片手に逃げ出す。
「早く追って!」
「行くわょマリレ!」
「コッチょ。急いで!」
音波銃を構えたメイド達は走り去る。
「ありゃキティは?」
「ニセ札もナイわ」
「テリィたんはココにいて」
追おうとするラギィw
「でも、奴等が戻ってきたら?」
キティの音波銃を渡される。ラギィは、店内の何処かに姿を消して、僕は急に心細くなる。
音波銃を構え周囲を見回すと、ヤタラたくさんいるマネキン人形の向こうに逃げるキティ。
「おい、待て!」
無言で邪魔する?マネキンを左右になぎ倒しながら走る。後を追って飛び込むとソコはミラールームw
「いないわ」
「テリィたんは?」
「何処に消えたの?」
遠くで声がスル。僕が振り向くといくつもの僕の像も一斉に振り向く。音波銃の発射音。鏡が割れる。
「警察ょ!動くな!」
鏡が粉々に割れる中、扉に向かって走る僕。音波銃が何度も発射される。伏せながら外に飛び出たら…
ラギィが音波銃を構えて立っている。
「テリィたん、伏せなさい!」
僕は無言で音波銃を構える。瞬間なんでと逝う顔のラギィ。次の瞬間お互い冷徹な視線で同時に発射w
「あぅ!」
「ぎゃ!」
「動くな!銃に触るな」
振り向けば僕の後ろにムーンライトセレナーダー。そして膝を撃ち抜かれのたうつワール。
ラギィの背後には、エアリ&マリレ。メイド達が取り押さえるのは…真っ黒焦げのキティw
ミユリさんの必殺技"雷キネシス"だ。
僕の撃った音波は…多分大きくハズレ笑
まぁ概ねOKな結末さ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
解散が決まり後片付けの始まった捜査本部。
「ある晩、被害者は出ないと思って"アキ・バーレスク"で計画を練ったそうょ」
「ニセ札はクラブを通してマネーロンダリング、上がりはみんなで分配したってワケか」
「良い計画なのに、なぜ失敗したのかしら」
またまた僕のポイントを押さえた解説。
「トッドのせいだ。借金をニセ札で返して借金取りにニセ札シンジケートの存在がバレた」
「その借金取りは、ニセ札シンジケートを丸ごと譲れ、サモないと警察に言うと脅した。もともと素人の3人は譲ろうとしたが、組んだ相手が悪かった。キティ夫妻は猛反対」
ラギィが別ファイルを読み上げる。
「キティは、別名カーラ・ブリザ。"blood type BLUE"。"覚醒"はしたが弱度のフェノメナキネシスに止まる。覚醒後は勤務先を解雇され、五反田の四叉路でフリーのストリッパーとして生計を立てる。有楽街で恋人を轢き殺そうとして蔵前橋(の重刑務所)に服役。出所後は、名前を変えて東秋葉原で全く新しい人生を歩む。ソレを失うワケにはいかなかった…堕落したスーパーヒロインの凄まじい半生って奴ね。そもそも"バーレスクの3人"がかなう相手ではなかったのょ」
「ニセ札を刷るのに必要なモノは全てゲットした。仲間を殺しても続けられる。薬品も原版もインクもアルからな」
「とにかく!事件は解決。ふりかえりとしては…射撃がウルトラ下手なテリィたんに音波銃を持たせたラギィのミスジャッジね。自分のTOだから仕方ないミユリ姉様はともかく、私ならテリィたんの銃口の前には絶対立たないわ」
エアリの一言に爆笑が起きるw
「テリィたん。私達の賭けは、どーやらテリィたんの勝ちみたいだわ」
「うーん。でも、もし嫌なら」
「何で?公正な勝負だったわ。約束だから」
途端に上機嫌になる僕。make my day!
「じゃ!また明日」
「また明日ね、テリィたん」
「あはは…」
黄金バットみたいな笑い声を残し去る僕。その僕を見送るラギィは、ナゼかニンマリと微笑んでいるw
「ラギィ。貴女、ニセ札の計画だって先に気づいてたでしょ?」
「え、何のコトかしら。ヲホホ…」
「ねぇ気づいたのは、ミユリ姉様とどっちが先?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜の"潜り酒場"。
疲れ果てた(何に?)僕が御帰宅スルと、スピアがスマホをしながら逃げるようにカウンター席を離れるw
「ミユリさん、アレは何だ?ヤタラ楽しそうだけど、まさか…」
「YES。テリィ様、もう1時間も話してます」
「ホント?うふふ」
幸せそうなスピアの笑い声w
「ミユリさん、どっちからスマホしたの?」
「関係ありません。2人の気持ちがシンクロしたのだから、ソレで良いと思いませんか?」
「まるで、今回のミユリさんとラギィみたいだ。でも、ミユリさんはOKなのか?ラギィは有力な元カノだぞ」
御屋敷のソファを独占したスピアは、僕をチラ見スル。そのヲチョボ口が小さく"ありがと"と動く。
「テリィ様。私は、テリィ様の元カノには、みなさん幸せになって欲しいと思っていますょ」
おしまい
今回は、海外ドラマによく登場する"バーレスク"をテーマに、バーレスクの怪しい経営者達、店に集うボードビリアン、常連客達、それぞれの恋人、セフレが入り乱れる中、謎のシンジケートを追う超天才や相棒のハッカー、ヲタッキーズ、敏腕警部などが登場しました。
さらに、主人公の元カノの新しい恋&焼けボックリの布石などもサイドストーリー的に描いてみました。
海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、ホントに昔はどーしよーもない店だったのに、ある日突然インバウンドの行列店に早変わりする秋葉原に当てはめて展開してみました。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。