第4話~嘘かまことか、はたまた捏造か~
先ほど横島隆太を襲った怪異。それがあってからというものの、横島は顎に手を当て。何かを考えこむような様子を見せ始めていた。
「・・・どうしたんだ、横島。」
「白羽さん・・・。どっちが本当なのか、迷っていただけだよ。」
「そうか・・・横島でもわからないのか。」
自身の質問に返ってきた横島の言葉にそう返す白羽チヨ子。それを聞き、隆太がチヨ子に問いを返した。
「えっ?白羽さんも?」
「うん。・・・サイエンスクリーチャーの事を疑いたくはないけど・・・それを裏付けるものがないと。」
「そう、だね・・・。」
何とも言えない表情を浮かべる横島隆太。少しして・・・黒い表紙のメモ帳が地面に落ちているのが目についた。
そのメモ帳は何やら土ボコれのようなものにまみれてはいるものの劣化は見られず。あたかも最近おかれたかのように見える。・・・そのメモ帳を、白羽チヨ子は手に取り。中を見た。
そのメモ帳には。何者かが書き記した日記のようなものが書かれていた。
『何者かの手記
マイクロアニマル達に危害を加えた、というサイエンスクリーチャーとかいう生き物たち。その生き物達はかなり弱く、俺とその仲間たちの持つ力だけで簡単にボコボコにできてしまった。
また、マイクロアニマルもパワーアップしてサイエンスクリーチャーに向かっていき、今までの恨みを晴らさんばかりにサイエンスクリーチャーを倒していき・・・俺達は最終的にマイクロアニマルたちから感謝の言葉を述べられた。
ああ、なんといういい気持だ。ミスラウ軍に入った甲斐があるというものだ。』
――・・・ミスラウ軍、という単語はともかく、これだけ見るとサイエンスクリーチャーが本当にマイクロアニマルを虐げていたかのように見えるな・・・
真実は一体、どっちなんだ。ますます考え込むチヨ子。・・・と、次は横島隆太が経年劣化の目立つ一つのメモ帳を見つける。
そのメモ帳には・・・マイクロアニマルの物と思われる書記が書き残されていた。
『ミスラウ軍、ありがとう
我々マイクロアニマルは、長年サイエンスクリーチャーに虐げられ続けていた。カヲルというトレーナーもサイエンスクリーチャーのその爪によって引き裂かれて死んでしまった。
アニマルホスピタルやアミーゴストアも、サイエンスクリーチャーによって破壊され、我々には絶望しか残されていなかった。
しかし、そんな我々を…神々は見捨てていなかった。ミウラス軍のラーニウスという少年がサイエンスクリーチャーを懲らしめるという約束をしてくれたのだ。
その少年は見事それをやってのけ。黒龍という少年をも懲らしめてくれた。
ありがとう、ミスラウ軍。ありがとう、ラーニウス。』
それを読んで、ますますどれが真実なのかわからなくなる白羽と横島。
「・・・此処にいる怨霊は、もしかして…?」
「・・・今までのメモを見ている限りだとそうなるだろうけど・・・。・・・もう少し、探ってみよう。」
戸惑いかける横島に何とか気を取り直した白羽が提案し。彼女達はさらなる探索を続けたのだった。
すべては、戦いの真実を求めるため。・・・そして。彼女たちは・・・ミスラウ軍の仲間がとったものと思われる、確固たる証拠を手に入れた。
・・・それには、衝撃的な真実が移されていた。