第十一話〜ミクロの獣の悪行〜
「!!?」
目の前で起こっている惨劇。洋画を見慣れている白羽チヨ子はともかくとして、普段ニュース番組や歴史小説しか見ていなかった横島隆太にとっては刺激の強すぎるソレが、目の前で行われていた。
複数体のボクサワーにフォーキスが、グレテイスが、プルニウスがつかまり。プロボクサーが戦意喪失した相手に対してやるかの如く一方的にパンチのラッシュを浴びせたり、その筋骨隆々な腕の力を使いサイエンスクリーチャーの身体の骨をへし折らんと握りつぶしたりしている。
「こ、こんな、のって・・・。」
「横島、こんなのはあまり見るものじゃない。」
目の前の悲惨な出来事にショックを受ける横島の目を、白羽チヨ子が手で覆う。その傍らで白羽チヨ子は。目の前で行われている惨状をきっちりとその目に焼き付けていた。
『本当に・・・私・・・達はぁ・・・っ、なにも・・・知らない・・・。』
『まだ仕置きが足りねえようだな、こいつらは。』
『ほんとうだ・・・俺達は・・・なにも・・・なにも・・・っ!』
『僕の・・・言うことを・・・!』
グレテイスが異議を唱えようとしたその時、惨い音を立ててボクサワーの拳がグレテイスの顔面にめり込み。そのめり込んだところから赤い物がにじんだ。
非日常とでもいうべき光景から、横島隆太の目を手で覆いながら自身は目をそらさずにいる白羽チヨ子。
その後もサイエンスクリーチャーの三体は反論をしようとしたのだが。そのたびにルバホークが"お仕置きが足りない、反省の色が見えない"などと言いはなち、ボクサワーが胴体に、顔面にとパンチを打ち込んでいく。
ケガもだんだんとひどくなっていくプルニウス、フォーキス、グレテイスの三匹。・・・そこへライムグリーンの身体をしたアルマジロのような生き物が、おなかに星の紋様が刻まれ右目に切り傷のようなモノがあるクマのような生き物に連れられて現れた。
『おお、ヒユウズダ。・・・アルジーマを連れてきたのか。』
『こいつもなかなか強情。・・・ルバホーク、俺、手を下す、いいか?』
『ラーニウス様からの命は何だ?その命に従うならば…わかるだろう?』
ライムグリーンの身体のアルマジロのような生き物・・・アルジーマにとっては死刑宣告にも等しい言葉。それをルバホークが放つや否や。おなかに星の紋様の刻まれたクマのような生き物・・・ヒユウズダがアルジーマをビルの壁にたたきつけた。
そのビルの壁にひびが入り。ガラスが割れ・・・アルジーマが痛さで叫び声をあげる。
横島隆太の為にも、これ以上はやらないでほしい、と願う白羽チヨ子。・・・しかし、ミスラウ軍による一方的な戦いは、まだまだ続くのであった。




