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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

とりあえず短編置き場

なんとなく知っている異世界

作者: 桜桃露雨


 武都と呼ばれる都市に住む伯爵家の子供に転生したらしい。欧州中世風の街並みなのにどことなく日本のような雰囲気が漂っている。

 王制の国だけど王家じゃなく公爵家が世襲制で国を治めている。王家のいる王都じゃなく王国軍最高司令官を代々世襲する大将軍たる公爵家が政事(まりつごと)を執り行い。王家は祭事のみ執り行う体制が前世の記憶を取り戻した私にとって幕藩体制に似ている気がした。

 武都に武門貴族の子弟が人質として常駐させられる制度。王家領にしか支配権を持っていない王家。武門貴族が領主とし各地に封じられていること。


 大将軍はまるで征夷大将軍で、王家は京の帝。武門貴族は大名家で、騎士家は旗本・御家人・陪臣たる大名家の家臣と考えれば江戸時代の日本の政治体制にしか見えなくなった。

 私の家の伯爵家は建前上、侯爵に次ぐ3位の貴族だけど公爵が政権を握り公爵の一族のうち相続権を持つ家だけが侯爵の地位に居るから、武門貴族としては最上位になるみたい。島津・伊達・前田・毛利などの外様大大名に当たるのかな?


 貴族は王都に居る、王家に従い王家領からの税金から年金を受け取る華門貴族。将軍に従い領地を治める武門貴族。

 王家に仕える騎士、これは公家に仕えてた武士。将軍直属の騎士、これは旗本。将軍に拝謁できない将軍家に仕える騎士、これは御家人。

 領主に仕える騎士、いわゆる大名家の家臣。騎士団に属する騎士、難しいけど組屋敷に住み組に封領を与え集団管理してた八王子千人同心とかに近いと思う。神殿に仕える神殿騎士、これは前世で言う寺侍(てらざむらい)に当たるんだと思う。神官騎士、これは前世で言う僧兵や荒法師かな?

 あと、前世の浪人に当たる仕える主人を求める騎士。ギルドに所属する冒険者の騎士、これは口入屋から用心棒にやとわれて派遣される浪人に近いかな?


 国土は王家領、将軍が直接支配する天領、領主が治める領地、学問の中心である文都、商業の中心である商都、国外との交易窓口である交易都市は自治権を認められた自治都市として領地から独立した存在とみなされている。


 私の父親の領地である、フローリア領は王国南東部で海に面する温暖な領地で、東部山岳地帯を境界に

東側をマース王国、北東をマーキュリー王国。北部に広がる大森林を隔て、東側から天領、ルナ騎士団領、将軍家の分家であるヘイズ侯爵領、自治都市である交易港湾都市「マルタ」と接する非常に豊かな土地らしい。らしいというのは私が人質として、武都「ラスグラード」の伯爵邸に住んでいるからね。


 ラスグラードは3重都市とも呼ばれてる、将軍家の王国統治、将軍家による都市統治、住民による自治と身分によって行政の担当が異なる複合政治形態がとられているせいでね。

 伯爵家は、王国統治に従う身分に属するから貴族街の治安維持の辻番所を複数運営しているの。


 我が家のような上級貴族は複数の辻番所を運営し、中位貴族なら単独で下位貴族は数家が共同で寄り合い辻番所を運営しているから貴族街は子供や女性がお供を連れず歩けると評価されている。

 都市統治に従う騎士家は、貴族邸宅と同じ面積の敷地を数家で分け合い組屋敷を運営しているので組屋敷の敷地の入り口に置かれた門番所を組屋敷共同で運営する方式をとっている。

 住民自治の平民街は、将軍家の直轄である町方役人が運営する町番所、大番所。住民が共同で運営する自身番、木戸番に交代で勤務している

 町番所が警察署、大番所が警察分署か中核交番、自身番が派出所で木戸番は自治会の夜回りかな?


 副総理が大老で、大臣が中老、副大臣が若年寄、奉行は庁長官や局長、次官になると思う。

 町奉行はちょっと違って知事になる感じ。行政と治安維持、火事や災害に対応する職務なので警察本部長と消防局長を指揮する知事が一番近いんだ。


 そして今日、領地に居る父上の代理として親族会議を主催する。子爵家3家と騎士家が5家、分家として存在する。分家はもっとあるけど血族的に、付き合い的にこの8家だけが信頼できるから我が家を入れて9家で話し合いをいつもすることになっている。


 今日来れないのが騎士家のうち3家、大番頭(おおばんがしら)を務めるジュノヴェーゼ卿は国境城塞に勤番で出向いているから代理人が来ると連絡があった。

 町奉行を務めるアラビアータ卿は激務故、代理人が来るとのこと。ペスカトーレ卿は昨日の夜に急に倒れたそうで代理人も来ないかもしれない。

 カルボナーラ卿とペペロンチーノ卿は参加をすると連絡してきた。子爵の地位にあるボロネーゼ子爵は領地なのでご子息が参加する。プッタネスカ子爵は間もなく引退予定でご子息に仕事を覚えさせるため代理に送ると連絡があった。ペスカトーレ子爵は役に就いているので武都に在住されているからご本人が参加されると連絡が入った。

 御当主が3人、代理が私を含め5人。わが伯爵家への陰謀への対抗策を話し合うために集まる。

 将軍家より勅許を受け陰謀をたくらんだ連中に罰を与える重要な話し合いなのに。一門すべてに徴集をかけないのは、8家以外は外部の血が多く混じっているため情報が漏れる恐れがあるためだ。

 ペスカトーレ家が2つあるのは子爵家当主マリオ卿の弟にあたるルイージ卿が騎士として叙任され別家を興こされたからだ。


 まず、当家を敵視している老中を失脚させるため彼の弱みを探らせる。庭師と言われる諜報機関がすでに探りを入れていて決定的じゃない証拠はいっぱい集まっている。

 老中と言っても、成り上がりの末端騎士だった彼は信頼できる諜報機関を持っていない。普段は大将軍の名代として大将軍直属の庭師を動かせるから今まで必要と思っていなかったのかも?

 そもそも、軍直属の部隊を私的に使ってたこと自体が罪になる。公爵家の勅命で庭師も特別任務に就いていることになっているので老中がいくら命令しても動かないのよね。


 事態が急展開しちゃった!老中の家臣である騎士が老中を登場の途中で切り捨てたらしい。

 今情報を集めさせているけど、騎士の妹を自助として差し出させたうえで押して不義に及んだんだって。婚約者の居る未婚の少女を、脂ぎった中年に差し掛かった48歳の子爵が自分の魅力に惚れるはずなんて思いあがってたって。。。

 とりあえずことに及んだ騎士への助命嘆願を大将軍に父上の名で出しておこう。


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