表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

#3 助動詞 (1)

今回は助動詞の前編です。

よろしくお願いします。

英語で助動詞といえば「can, could」「may, might」「will, would」「should」「must」などが主なものですが、これらは動詞に意味を付加するという意味では日本語とほとんど変わりません。しかし使い方が日本語より応用が効きます。助動詞のあとは必ず動詞の原形が付きます。


例文1:I can do that.(私はあれができる)


「私は・可能・する・あれを」つまり「私はあれができる(・・・)」と訳すことができます。単純に可能という概念を付加すると考えるのが良いでしょう。


例文2:You can complain to me.(あなたは私に文句が言える)


「あなたは・可能・文句を言う・~に・私 (を)」つまり「あなたは私に文句を言うことができます」更にくだけた表現で言えば「文句があれば言ってくれ(・・)」となります。日本語ではあなたは省略することが多いですよね。また、してくれ(・・・・)という場合は疑問形にすることで相手にお願いする文章になります。


例文3:Can I ask my question?(私の質問に答えてくれ)


「可能?・私は・訊く・私の・問いかけを」つまり「私は私の問いかけを訊くことが可能ですか?」くだけた表現で言えば「質問()答えてくれ」となります。目的語は基本的に「~を」と訳しますが、助動詞がある場合は「~()」や「~()」と訳すとうまくいくことが多いです。また、名詞「able」+「to」で同じような意味になります。(しかし厳密には違います)


例文4:I am able to jump rope.(私は縄跳びができる)


「私は・状態・できる・目的として・縄跳びを」つまり「私は縄跳びを目的としてできる状態です」くだけた表現で言えば「私は縄跳びができるよ」となります。「able」は“可能”という“名詞”というだけはあってしてくれ(・・・・)という意味で使うことはあまりありません。むしろ可能だということを強調したいときはこちらの方を使うことが多いです。(やや硬い表現です)


また、もう一つの用法として「可能性」も表すこともできます。


例文5:Raw meat can go bad in a warm place.

   :(生肉は暖かい場所で腐ることがある)


「生の肉は・可能性・向かう・悪くなる(腐る)・~中で・不特定の・温かい場所」つまり「生肉は暖かい場所で腐ってしまう可能性がある(・・・・・・)」くだけた表現にすると「生肉は暖かい場所で腐ることがある」となります。ここではgoは「行く」ではなく「向かう」という意味で使っています。行く(・・)向かう(・・・)も主語が「人」か「人以外」かの違いで方向的なベクトルが同じだからです。bad=悪い=悪くなる=“腐る”と日本語に訳すときに“動詞のような扱い”になることもあるということも覚えておきましょう。


またこの用法には過去形である「could」も使うことができます。一般的に助動詞の過去は「だろうなぁ……」という諦めのニュアンスを持っています。したがって


例文6:The meat could have already gone bad.

   :(あの肉はすでに腐ってしまったかもしれない)


「特定の・肉・可能性(諦め)・状況だ・すでに・向かわれた・腐る」つまり「あの肉はすでに腐りに向かわれてしまった(・・・・)可能性がある」くだけた表現にすると「あの野菜はすでに腐ってしまったかもしれない(・・・・・・)」となります。これは疑問形にすることができます。

※このhaveは前章で説明しました。状況を説明するhaveで「完了」を表します。(状況動詞)


例文7(a):Could you tell me?(教えてくれないか?)

例文7(b):Could it be?(ひょっとして……? ――疑いの感情)

例文7(c):She could not be 30s.(彼女は30代のはずがない)


(a)は「可能性(諦め)?・あなたは・教える・私に」つまり「あなたは私に教える可能性があるだろうか」くだけた表現にすると「教えてくれないか(・・・・・)?」となります。

また、(b)では「可能性(疑い)?・形式主語・状態」つまり疑っている状態を表します。日本語に訳すと「ひょっとして……?(疑いの感情)」というニュアンスになります。

(c)では否定のnotを用いてより疑いを強めています。「彼女は・可能性(疑い)・否定・状態だ・30代」つまり「彼女は30代のはずがない」となります。


ここで「it」は“形式主語”と呼ばれる特殊な主語です。これは後日詳しく解説する予定です。ここでは特に意味のないけれども「英語には主語が必ず必要なので形式的に穴埋めしました」という意味で捉えておいてください。他にも「that」などが形式主語になることがあります。


例文7(d):Can you tell me?(教えてくれるか?)

例文7(a):Could you tell me?(教えてくれないか?)


例文7の(d)と(a)のニュアンスを比べてたとき、言い方が丁寧になっていることが分かりますね。

また、もっと丁寧にしたいときは「may」を使います。mayは“かもしれない”という意味の助動詞で、相手を立てるときに使ったり、憶測をしたりするときに使います。


例文8(a):May be already done.(もう終わってしまったんだろう)


「憶測・状態・すでに・し終わった」つまり「もう終わってしまったんだろう(諦め)」という意味になります。may+beでmaybeたぶんという意味にもなります。


例文8(b):May I come in?(入ってよろしいですか?)


「憶測?・私は・入る・中へ」つまり「私は中へ入れる(・・)でしょうか?」日本語では「中に入ってよろしい(・・・・)でしょうか?」という意味になります。また、「might」はもっと可能性が下がったときに使います。


その応用で「will」(意志)とその過去形の「would」(希望的意志)について考えてみます。


例文9(a):Yes, I will.(はい、やります)

例文9(b):I will take it.(私は受け取るつもりだ)


(a)は「はい・私は・意志がある」つまり「私はやるつもりだ/私はやるだろう」という訳になります。また、「would」は日本語では希望があると訳すのが良いでしょう。

(b)については「私は・意志がある・受け取る・(形式)」つまり「私は受け取る意志がある」という意味になります。「take」が多義語だけに“いろいろな場面で使える言葉”なので使い勝手の良いフレーズです。


例文9(c):I will be there.(私はそこにいるだろう)


「私は・意志がある・状態・(存在)」つまり「私はそこにいますよ」というニュアンスになります。抽象的な言葉のほうがいろいろな場面で使えるので「私は見守っているから」という意味にもなったりします。


また、「will」と似た表現に「be going to」があります。(でも同じではありません)


例文10(a):I am going to take a bath.(私はお風呂に入ってきます)


「私は・状態・向かっている・目的で・入る・定義されていない・風呂に」つまり「私はお風呂に入る目的で向かっている状態です」くだけた表現にすると「お風呂に入ってきます」と訳せます。また、「will」との最大の違いは“意識の高さ”です。この文は絶対的な意志がなくても入ることを意味します。逆に言えば、意識に関係なく目的に向かって動いている様子を「be going to」で表すことができます。


例文10(b):The door is going to close.(そのドアは閉まりそうだ)


「定義された・ドア・状態・向かっている・目的で・閉まる」つまり「そのドアは閉まる目的で向かっている状態だ」くだけた表現にすると「そのドアは閉まりそうになっている」という意味になりますね。「will」には意志があるので物にはほとんど使えませんが「be going to」には使えます。


例文10(c):The store is going out.(その店は潰れそうだ)


「定義された・店・状態・向かっている・(通常の状態外に)」つまり「その店は外に向かっている状態だ」くだけた表現にすると「その店は潰れそうだ」という意味になります。「out」は“通常の状態外”を表しているものですから動詞とは言えず「going to out」とはなりません。(通常、動詞に対して目的を表すtoが付きます)


次は「would」(希望的意志)について考えてみましょう。


例文11(a):I would like to eat the cake.(私はそのケーキを食べてみたい)


「私は・希望がある・好きな・目的として・食べる・特定の・ケーキを」つまり「私は特定のケーキを食べる目的として好きな希望があります」くだけた表現にすると「私は(特定の)ケーキを食べてみたい(・・・)」これは「I want to ... (~したい)」をより丁寧にした表現と考えて良いでしょう。「I would」は「I’d」と略されることが多いですね。


「should」と「must」の応用方法は次の章で扱います。お疲れさまでした。

お読みいただきありがとうございます。

前回に引き続き学校では習わない英文法解釈でした。次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=270396573&size=300
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ