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この世界で上を目指したい。  作者: しゃーー
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7話 冒険者

 さて魔法を極める旅に行こうか。


 俺はそう決意して強く踏みしめて歩く。

 まずは生活を出来るようにお金を稼がなくては。

 そのためにはギルドに行って登録をしないといけない。

 ギルドの場所を知らない俺はまずは道を聞くことにした。


 「すみません、冒険者ギルドの場所ってどこですか?田舎から来たので分からなくて。」


 とりえあず近くにいるおばあちゃんに声をかける。


 「ギルドはそこの大通りをまっすぐいけばつくさ。・・・えらいねぇ。最近冒険者を本気で志す若い人が減ったからね。」


 「え。そうなんですか?若い人少ないんですか?」


 じゃあ同じくらいの歳の人いないのか?全員年上とか息つまりそう。


 「あぁ。ほとんどの人が現場とかで働いている。」


 「ほとんどの人?」


 じゃあ残りの人は?


 「そうさ。それ以外はたいてい親のすねかじっているよ。」


 あ。残りはニートなのね。


 俺はおばさんにお礼をいい、様々な人が歩いている大通りを行く。


 そうして見えてきたのが赤いレンガで作られた大きい建物だ。

 ビルやマンションで例えると5階ほどはありそうな高さだ。

 門の上に鷹のシンボルが備えられてある。


 俺はそこへここからスタートラインを切る気持ちでわくわくするような、ドキドキするような希望に満ちた表情でドアをくぐる。


 「おいこらぁ!くそガキがここへ何の用だぁ!」


 俺の希望に満ちた顔が消え去った。


 「すいません!ごめんなさい!失礼しましたぁ!」


 入るとすっごく怖い顔をしたおっさんに怒鳴られた。

 しかも筋肉がすごくて大きな鉈を持っていた。

 怖過ぎるだろ。

 大丈夫?お巡りさん機能していないんじゃないの?この町にお巡りさんいるか知らないけどさ。

 若い冒険者が少ない理由ってこれじゃないの?


 俺はそこへここから地獄の門を開くような気持ちで膝をブルブルさせながら、ドキドキと絶望に満ち溢れた表情でドアをくぐる。


 「またおまえか!だから何の用だ!?」


 「すみません!冒険者になりたくて来たんです!なんかごめんなさい!」


 そういえばなんで俺怒られてるの?


 「ふざけるな!冒険者はそんな生半可な仕事じゃねーんだよ!帰れ!」


 「あぁ!?なんでそんな怒ってるんですか!?なんですか!?悪いことしましたか俺!?」


 頭に来た!なんでこんなに帰れと言われなきゃいけないんだ!


 「お前らの腐った根性なんて分かってるんだよ!冒険者にになってギルド証発行してもらって!それで依頼をこなしたことないくせに『僕はギルドで働いてます』っていうつもりなんだろ!」


 「違います!てかこの町のニート腐ってますね!俺は純粋に強くなりたくて冒険者になるんです!」


 ふざけんな!俺が怒られる理由ニートのせいじゃん!


 「うそつけ!何度その言葉に騙されたか!お前らのせいで冒険者は肩書きだけで働かない集団って言われてんだよ!」


 「そんなの知りませんよ!じゃあ俺にこう突っかかってくる前に働いたらどうなんですか!」


 「あぁ!俺の注意喚起が無駄だってか!?」


 「えぇ!無駄ですよ!こんなくだらない言い争いをするくらいなら働いたらどうです!?」


 あ。こめかみピクピクしてる。言い過ぎたか。

 でもなんかすっきりしたからいっか。


 「てめー殺す!!」


 「えぇどうぞ!その瞬間俺の返り血を全身に浴びることになりますけどねぇ!」


 そういうと大きな鉈をしっかりと握りしめ、大きな足音を立ててこっちに来る。

 あ。地球の記憶が蘇ってきた。

 これが走馬灯ってやつか?


 「そこまでにしてください。これ以上騒ぐとギルド証剥奪しますよ?」


 そういって奥からはっきりと声が聞こえる。

 その声の主は真面目そうな女の人でギルドの人だろうか。

 胸には外にあった鷹のシンボルがつけられてある。


 「ちっ・・・。」


 そのまま鉈をしまい、もといた席に戻っていった。


 「あなたもこれからは注意してくださいね。」


 そういって女の人は戻っていこうとした。


 「ま、まってください!ここで冒険者になりたいんですけど!」


 このタイミングで言いずらいけどまぁしかたない。


 「・・・ついてきてください。」


 あ。この人厄介者がきたみたいな目をしてる。


 この人について行って個室に連れ込まれた。


 「まず、字は書けますか?」


 「え~と多分。」


 あの言語がわかった時に字も読めるようになってたから書けるはず。


 「ではこれに記入を。」


 そういって出された紙を見る。

 そこには、名前、年齢、生まれた場所、なぜ冒険者になるのかをそれぞれ書かないといけないようだ。


 「書けました。」


 「わかりました。拝見しますね。・・・ヤシマツグミ様。生まれた場所がすごく遠い所とは?」


 あ。駄目なのか。

 すごいジト目で見られてる。

 なんて言おうか。 


 「あ、そういえばこれを。」


 俺はそう言って女将さんからもらった紙を渡した。


 「なんですかこれは。──なるほど。彼女からですか。少し待ってください。」


 そう言ってギルドの人はこの個室を出た。

 しばらくすると小さなカードを持って来た。


 「これがあなたのギルド証です。再発行する場合にはランクが最初からになるのでくれぐれもなくさないように。」


 「ちょっとまってください!ギルドについての説明とかは!?何もなしですか!?」


 そのままここを出ていこうとするので焦る。


 「ハァ・・・。え~とギルド証にはD~Sまでランクがあるんです。ここの上、二階がDランクの依頼置場、3階がCランクと階があがるにつれて受けれる依頼の質はあがります。依頼達成の報告は一回の窓口でお願いしますね。」


 そう言って彼女はだるそうに出て行った。

 めんどくさいのは分かるけどため息はやめていただきたい。

 なぜか精神的に来る。


 それはそうと冒険者になったのだ。

 ここから俺の新たな第一歩を踏み出せる。

 わくわくした俺は早速二階に行く。

 

 そして依頼掲示板を確認する。


 『息子が家から出ないんです。助けてください』


 『子供が働きたくないと行って5年がたちます。どうにかなりませんか?』


 『冒険者になったきり一向に外を出ません。誰かパーティーにうちの子を入れてあげてください。』


 なるほど。冒険者やめようかな。

 

 


 


 

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