6.アイ
ボコボコ......
まるで沸かしったカレーのような音が沼の池に満ちている、周りの植物はほとんど枯れていた。
......僕が何をした?さぁぁ、ぼくはなにをしたのかね...
いやいや!ただの冷やすだけだよな?!
どうしてこんな事に.......責任がどうしよ.......
『管理者が見当たらず。純粋な自然だと見られる。』
はぁ.......人間だった時のくせ、っか。いざという時、まず法律的なものに関心向けるのはよい大人じゃないな。
しかし自然破壊の罪が重いが、それを咎める人も近くにいないらしい。
先程のキャンプもここの地元の人のとは思えない。
破れたとは言え、装備や食料品が大量持ち込み為のバックも見つけた。何かの革なのでき水袋も結構な量がその辺に散乱している。
僕は身についた土を軽く横の木に叩いて振り落とそうとすると、既に何もついていないだとわかった。
やっぱり便利だな。
これなら汚れも気にしなくて済む、仕事もじゅん......うん、またか。
......なんで仕事のことしか思い浮かばないんだろう。
『メモリーエリアには複数のバッグが発生しており。現在は第一事項として修復中。』
あっ、そう。頑張れよ。ははぁ...僕も肩の力を抜けないとな。
仕事早いアシスタントがいるとホントに心強い。
正直、今の状態は結構やばい。人間だった頃ほどではないが、こんな森に放り出されたのだ。
エネルギーも三日ぐらいしかないしな。つまり、タイムリミット内で、補充する方法を探さないといけない。
まぁ、余程凶暴な生物じゃない限りこんなまずくて硬いやつに襲い掛からないだろう。
静かに方法を考えよう。
......
......っと言っても、今の状況では僕より詳しいやつがいるじゃない。
『状況解決について
①.世界システムへのハッキング。
②.新生AIの確認。
③.創造デバイスの装着。』
ほら、頼もしいだろう。
意味がぜんぜんわからんだけどな!
世界システムて何ぞや!
ちょっと聞いてみたら『世界の原理』と言うものが出てきましたが...あれ?僕が無能と言うことか?...
なぁ、今の状況そんなもんを考えるのは本当にいいのか?頭焼き切れたよね?こっちは生死の問題なんだけど。
まぁ...今の自分は元々よくわからない機械だからそんなもんか。そちらに任せる。
こっちにも何かやれることあるはずだ。あ、そうだそうだ。新しいAIがあったんじゃないか。
今の時代ではAIはとっても大事だからなぁ~まぁ、ジャングルにいるだけどな。
自分の中にAIなんかに使うと何ができるのだ?そもそも僕はいま制御できているからな...さ、さっきのは単なる事故だ、体にはまだ不慣れが残っていたから!
一応聞いてみよう。
『AI-01選択:①.人格AI
②.サポートAI
③.独立AI
④.補助脳』
うん、結構色々あるな。プローグラマーとしての知識は全然役に立たなかったが、これもこれである程度RPG感覚で行けるので、やりやすい。
でも、これも一旦保留とする。
正直言って、以上の内容は何に役立つのか全然わからないので、選択は間違ったら色々ややこしいことになる予感がする。
じゃ、やはりこれか。創造デバイス。
もしこの手のゲームなら、これは必要な道具を作成できる、チェックポイントにもなれるみたいなものじゃないか?まぁ、ゲームじゃあるまいし、そこまで都合のいいことなんか、あるわけないよね。
はっはっ...なにを考えてるんだ僕...本当に仕事し過ぎて頭までおかしくなったのか...
サポートシステムに頼んだら、無事に創造デバイスが完成した。
実は既に作成中していて、僕が目覚めた時一時停止したらしい。エネルギーも既にそれを生産するためにシステムが僕が目を覚ます前に既にそっちに割っていたらしい、だから余分なエネルギーも消耗しなくて済む。
キャンプ場の中に椅子になれそうなもの座って(置く)、僕はその創造デバイスと言うものを頭の前で3D映像で再現した。
うん...すごく微妙。
椅子というか椅子として使っている木の箱だけど、座り(置き)心地はあまり良くない、なんか転んで落ちそうな感じがする。
それでも僕は頭を傾げざるを得なかった。
創造デバイスの3D映像もボールであった。
うん、デザインに手が抜けてるな。正直、これって3D映像の意味なくないか?
頭の中で響くアナウンスがありがたい存在だが、根本的に僕自身に関する解説は何もなかった。試したが返事はなかった。
エネルギーは限られている、2日は短い。そして、なにかを作ってもエネルギーを消耗する。
じゃ、何か作ってみようか。
でも何を作ればいいのか?ピストルか?いやいや、やくざか!僕。
あと、ここ(ジャングル)ではピストルの効率は最悪だ。そもそも、それは人間に使うものだ。野獣に使うタイプもあるが、個人的には回転式拳銃、すなわちヘビーリボルバーなのだ。
使いやすいというより趣味である。リボルバーは男のロマンだ。
とこの時、二つの腕が短い機械音を発して小さい口を開けた。青い光が目の前で3D映像と同じ感じで頭の中で考えたものを映した。
そうそう、これだこれ。やっぱりかっこいいよな~
そう思いつつ何故か光一段強くなって、青い色のはずの拳銃が金属の色を持ち始め、木々の日漏れが反射され、特有な鈍重感が出て来る。
そして、落ちた。
目の前の地面に少しだけめり込んだ。
呆然とそれを眺めている。
『残存エネルギー60%、活動時間2日3時間』
...やっちまった。
恐れ恐れと拳銃を拾い、思ったより重かった。現実味のある重さだ。
えーと、確かここを押すと...
弾を入れるところを開けた後、中には6発の弾が入っていた。
弾を出して、光の下でキラキラと金色に近い輝きを放った。サイズがどうなるかが不明。
好きは好きだけどマニアまでは行っていない、中途半端なところだね、僕。
日本人感覚で銃を持つと、やはり手が思わず震えだした。
ほ、本物の銃...
そして、デカ!馬鹿でかい!周りのキャンプにあるものと比べてみると、銃身の長さは半メートル弱、弾のサイズは口紅ぐらい。
銃を持っている腕を目前に、正面や下などからゆっくり観察する。
確かにリボルバーだけど、形は想像したものと違う。銃身は半自動ピストルみたいな長方形である以外は確かにリボルバーだけどね...
『想像した威力と内容には誤差が発見し、最終結果に変動あり。』
うん...ってことは、想像したものをそのまま制作、もとい創造したのか。僕が想像した形より想像した能力の方に依存するってことか。
でも、想像したものの能力がはっきりしない場合はどうなるだろう。
『注:創造デバイスの能力は思考領域とAIに依存する。』
ご親切どうも。
これなら色々やっていけそうだ、慌てることはない、まだ2日はあるんんだ。
視線を上に向けると太陽の光が段々弱まっていく、頭の上から注ぐ太陽の光も段々とオレンジ色を帯び始めた。
無人のジャングルとは言え、意外と心が穏やかだな。
なんだろう、まるで昔子供の頃両親と一緒に海へ旅行するような感じでしたな。ホテル代金や残した仕事などのものがなく、ただひたすら目の前の夕陽と海風を楽しむ。
これは...呪縛から解き放たれた感じだ。
木々が風によって揺れている、空は暗くなりつつ、薄く星々は前世よりも遥かに多い。自分は一体どこにいるのだろう。
家族を思い出し、多分も二度と会えないだろうな。
元気に生きてくれ、体は既に赤の他人である僕にはまだこんな儚い思いをすることができる。そのまま星々の光とともに僕の家に辿り着くのかな...
...さっ!僕も元気を出さないと!
そういえばアナウンスの声は今後も色々お世話になるそうな感じがする、なんか名前とかつけとこうか。
そうだな...なんかそのまま母さんや遥(妹)の名前をつけるのもなんだか変な感じがする。A...AI...あ...あい...
アイってどうだ?
『サポートシステム名称の変更ーーアイ。承認』
よろしく、アイ。
敬語も使わない、最低限の言葉しか使わない。寂しいではあるが、奇妙に親しみ感も湧いて出た。
よろしく、アイ。
『よろしく、マスター』
ええ...ありがと。