表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

3.自分のスガタ

 正直言って、冷静になったら逆に不安になった。

 鏡になれるものがない。

 自分の体、体の形はどうなったのかさっぱりだ。

 もし目の動きやほかの、自分が知らない何かの”パーツ”が目立つ動きがあったらどうしよう......

 でも、なんとかなるみたいだ。自分のめを動かすイメージがあった。そして、蜘蛛はそれを気づいていないみたい。

 それでも、その悍ましい顔をこんな距離で見るのは決して気分のいいものじゃない。

 ...ここまではいいけど、蜘蛛は段々とこっちに近づき始めた。

 先から自分が機械だからくりだと自分に言い聞かせるのだが、自分も本当の意味で信じていたというわけではないのだ。

 そもそも自分が今まで生きてきた現代の日本では、自分のようなものをどう定義すればよいのかも、全く分からないのだ。

 AIが市民権をもらったニュースは見た覚えはあるが、はっきり言って、それは生物と言っていいものとは思えない。

 自分はどうだろう...

 ...少なくとも、美味しいには見えないね。

 蜘蛛はそう嫌いじゃないが、こんなに近い距離で大型な虫をみるのはやはり気持ちいいものじゃない。

 脱出しないと本当にやばいかも。

 さき試したように、僕は腕の筋肉を収束するのをイメージする。この二つの腕も小さく振動し始めた。力が入り込んでいるのを実感した。

 当然のことだが、その蜘蛛もこっちに気づいた。

 まだ警戒しているのか、真っ直ぐに来るではなく石の上に陣取っている、こっちの様子を覗いている。

 好都合だ、腕に段々と力が溜まっている感じがする。このまま続けば......あれ?続けば......あとは?

 か、考えていない...こいつを潰す?いやいやいや...普通の虫ならまだしも、これほど大きくなると、ちょっと気が引くわ...

 イメージ通りにいけるかな?いや、多分それはないな、成功するイメージが全くないな...

 ...一回やってみる?

 頭の中がぐちゃぐちゃになりそう。

 蜘蛛はその突然の動きのせいで逃げ出す可能性がある。

 まだ二つの腕が土の中に残っているので、一つの腕は今岩を掴んでいる、もう一つの腕を急速に空を、正しくいえばその近くの木の枝に向かう。

 僕は腕でその枝を掴もうと試していた。

 引力で自分の本体をここから逃げ出すという作戦である。

 おお!感じているぞ......!はっ!!

 まるで巨大なエアガンをぶっ放つかのような爽快感のなか、僕の腕が凄い勢いで飛び出した。

 そして、何かのを掴まった感じはなく、ただ風の音とともに狙ったところの後ろにある空に消えていた。

 あ、あれ?

 ま、まぁ......始めはみんなこんなもんだ、うん......

 密かに自分の中で”自分ーーかっこいいけど、ガラクタ”説が浮かび上がった。

 それは本当に勘弁して欲しい......

 幸い蜘蛛をびっくりすることが成功したようで、どこかに逃げ出した。

 実際に僕みたいな食えるかどうかすら怪しい奴をほっとけばいいのに。

 そう言えば体格差はほとんどないな。

 取り敢えず助かったみたいだな。

 でも腕の一つがどこに飛んだのかいまいちわからないな。引力でこっちにゆっくり近づいているのは分かったが、具体的な場所は分からない。

 腕のコントロールも段々慣れた、先と比べると結構すんなりと土から抜け出した。

 環境はジャングルみたいだが、あちこち生き物の声に満ちていて、自分はまだ人間だった頃に住み慣れた家近くにある人の手による保護された小さくて、穏やかな森と大違いだ。

 本物の自然がこんな感じだったのか......

 この三本の腕が上手く立てるだどうかに心細いだが、普通に立っている。いや、立っているというより浮いているだな。

 体自体が何らかの力によって空に浮いている。

 ......これはすごいな。

 ロボットとは言え、今になってはファンタジーみたいな感じが出た...いや、SFか。

 今そんなことより......僕の腕が!!

 どこにいちゃったの!なんとか位置が分かればいいと思ったのだが、突然何も感じられなくなった、遠すぎか......

 あああ!調子に乗りましてすみませんでした!

 テクテクと、腕を地面に刺しながら前へ進む。

 浮いては浮いているけど、地面より一定の距離以上は離れられないから、普通のように歩ける。

 この森には沼といえるほど柔らかすぎな土でできていて、早くしないとどこかの沼底に沈めるかもしれない。

 線...と言うべきか。その線が太陽なのか?空に飾って、暖かそうな光は木々の枝や葉に遮られ、少ししかこの沼に注ぐことができなかった。それでも、光の背景に緑の影広がる光景はとても美しく思った。

 腕をなくしたじゃないのなら、ゆっくり観光したい気分だ。

 今は二つの腕で歩いている。正直、これが人間に一番ではあるが、体の違和感が凄い、なんかこう”四足にするべきだ!”みたいな謎のこだわりのようなもの。

 も一本の腕は腕が動ける範囲試している。こんな事はもう二度と起こりたくないな...

 三本足の化け物気分を絶賛体験中だ。

 はぁ......一体どこに落ちたんだ...


 歩くこと十分。

 なんと!人の痕跡だ!小さなキャンプ場だ!

 けれどボロボロになってた。木々の間で作った寝床が破られ、キャンプファイヤーも大きな何かに踏みつけられて、あちこち灰みたいな汚れが散らしている。凹んで倒れたコップや鍋、中身は何らかのキノコの煮物であるらしい、まだ腐っていない。

 ここはつい最近まで人がいるのだ。

 でも、破壊されたものから見ると恐らく......

 触覚や嗅覚などの感覚を失い、目と耳だけを頼って生きているとは実際のところ、結構現実感が薄いんだ。

 まだ目覚めてから1時間も経ってない今、まるで映画やゲームなどをやるような感じだった。

 正直言って、今の僕は本当に生きているのか?

 これですら怪しいのだ。

 地面に落ちた剣に近づき、綺麗な骨董品みたいな剣が地面に取り残された。テレビで見た歴史番組中に出そうな古代ヨーロッパの両手剣だ。

 ゲームなどより遥かに画質がいいな...と言う感想が浮かび上がった。

 ......高そうだな。

 いや、今はそんなことより、ようやく自分の姿が確かめることができたんだ。

 正直言って、周りは全部汚れた沼で、綺麗な水溜りが見つからないんだ。でもこんな立派な剣なら多分問題ないと思う。自分の顔(ボディー?)を前に出て、そして僕の正体がそこに映された。

 ......ボールだな。腕と同じ真っ白。

 そう、僕はサッカーボールみたいの大きさみたいな白いボールになった。

 ......

 ......な、泣いてないぞ!

 どんな人生(?)にしても、せっかくの第二の人生(?)を鮮やかに生きていくのだ!疑問は認めない!ううう......

 僕が立ち直るまで5分ぐらいかかりました。

 よし!気を取り直しに行こう!

 こんなに落ち込むには原因があるのだ。ここまでの途中色々試したので、それが原因なんだ。

 人工知能、そしてこんな高度な思考能力を持つロボットは自分の状態とかも確認できるはずなんだが、心の中で”ステータス!”とかを念じったが、何も起きなかった。

 最初から詰めである。とんだ出来損ないかもしれない。

 本当に勘弁してもらいたい......

 まぁ、最初からネット小説のような都合のいい話がなくてもいいが、せめてマニュアルをくれよ!

 それもままならない状態だから、ちょっとずつ調べるしかないか......

『サポートシステム起動。

 エネルギー低下中。

 現在ーー78%。

 予測活動時間はーー3日2時間45分弱。』

 女性のアナウンサの声がまるで頭の中で直接響いてきた。

 電車内のアナウンスに近いが、声はもっと機械的な感じがした。

 でも、この内容って......先までその”サポートシステム”とやらは起動していないのか?だから何の反応もないってことなのか?

 もしそうだったら話が早い。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ