1.人である時
目の前の光景は酔い潰れたかのように揺らしている、脳の奥深くまでその浮遊感が襲われていた。
僕は何をしている?だめだ、思い出せない......いつものように会社で残業をしている途中だったはず。
ああ、思い出した。
私が愚かなことをしたな。
気が短い上司の言葉に言い返した途端、理不尽極まりな怒鳴りがつばを挟みながら僕に飛ばしてくる。
なんという不快な記憶だ。
でも僕はなぜ今のように空に浮いているだろう?
あっ、それか。
机の角だ、ちょうど僕の後ろ1cmぐらいのところにあった。
死ぬ前の脳が高速運転か、やばい薬が飲み過ぎた時のタイムスローか、だな。
意外に楽な気分だ。
たくさんの縛りから解き放された、と言う予感のせいだろう。
全てを後に捨てて死ぬなんて......なんて贅沢だ。
残された妹とお袋は心配だけど、彼女たちは僕より器用で強いのだからな。
僕のようににこんなクソみたい会社に縋らなくても生きていられる。
何が首席プログラマだ。こんな呆気ない死に方になったんじゃないか!
虚しさや怒り、それでも僕は自分の死を受け入れようとした。
限界まできたようだ、焼き切れたような気分だ。
頭からややしたのところがそこにぶつけた。
もともと徹夜のせいかもしれないが、痛みを感じる前に意識はもう深い闇に沈んだ......
だから僕はその時の記憶がはっきり覚えないのもそれが原因なのか。
うん......いや、多分そんな衝撃の下飛ばしたものは記憶じゃない気がする。
幸い、僕はなんとか生き残ったみたいだ。
今は何も見えないが、耳も何も聞き取れないが、鼻も詰まったと言うより鼻の感覚がない。
......
よくねぇよ!!
全然良くねじゃないか!
これってあれか、五感が全て失って、意識だけが残ったってやつ?
人生最もあいたくない状況ランキングトップなやつだこれ!
家族に負担を掛けた上、僕はこの何もないところで残りの人生を過ごすのか?!
こう言う場合は逆に残業しすぎたこの弱まった体に縋りたくなる......
うん、虚しいな。
暗いな。
でも...肌から暖かいものに触れられている触感があった。まるで真冬の太陽のような淡くて、儚い感触であった。
光?もし普段なら、ちょっとした光があったら瞼が赤く見えるじゃないか。
諦めるな、僕はまだ治療中って可能性が、まだあるかもしれない。
......よし、一旦寝よう。
多分これはあれだ......治療の副作用みたいなもの、脳が傷ついたからな!未知の領域である人間の脳は何が起こっても可能......なはずだ。
不安だけど、もし本当なら今は休みを取っておこう。
このあと、何回も睡眠に沈んだこともあって、一向に目覚める傾向がない。深く深く闇の中、逆に段々とこのような環境に慣れてきた。とても不思議な感じだ。
そして、あることに気づいた。
僕が寝ている中に、自分の夢が全て見えることを。
人間としてはそれは不可能に近い、もしできるなら、それも一種の超能力だろう。知っている限り、僕はそういう超能力がない。
もし僕の頭が衝撃で何かの能力が目覚めたら?
うん、ないな。
僕はこれからどうなるんだ?
その時だった。
「うん?」
なんと、僕の目の前にピッカと何かが光った。それだけではなく、同じ光が僕の目の前に、数が最初の光を中心に広げる、段々と無数の電磁パルスとなってまるで巨大な川のようだ。
眩しい......のはずなんだが。
僕の目は何の不快感もない?
まるで当たり前のようにそれを受け入れた。
その直後、ちょっとした目まいして、僕はようやく夢から目覚めたような気分にはまっていた。
病院の真っ白な部屋の風景ではなく、なんか......
「森?」
あれ?僕は確かに話した感じはあったが、何も聞こえていない?
確かめたい時、分かったが...喉や口がない。まるで切り落とした腕を動かすような感じだった。
ええええぇぇぇぇぇぇ!!
ど、どうして......僕は一体......
考え、きっと記憶の中には何かの手がかりが......
思い出した。
僕は......
それは、倒れた時のこと。その上司は相当慌てる、なにをしようかも分からないが、後の人生はきっとよくないのだろう。
そして、下にあるのは
僕の体だ、目が大きく開いて、心肺も呼吸も止まった。
......僕は死んだ。