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まさしくファンタジー

少女に言われた通りに街道をしばらく歩くと建物らしきものが見えてきた。

大きな湖の中心に町が建っており中央には雲の上まで続いてるんじゃないかと思うぐらいの塔が立っている。


「ほえー」


壮大な景観に思わず声が出る。まさしくファンタジーだ。

スカイツリーを初めて近くで見た時とは比べ物にならないぐらいにテンションが上がる。


町の近くまで歩くと、大きな門の前に鎧を着た衛兵がいた。行きかう通行人は何か通行証みたいなのを見せて門を潜って町に入っている。・・・・・てか俺、通行証なくね?

ですよねー。そりゃ世界が違うんだもん。町に入ればなんとかなると思ったが、まず町に入れないっていうね。ピンチ多くね?この世界俺に厳しすぎない?お金とか払えば入れるのだろうか?でも持ってないしな。


「坊主。そんな所でなにしてんだ?」


うぉ!ビックリしたぁ!

しばらく木陰に隠れて門を見ていた俺に話しかけてきたのは、背が低い太った髭モジャ親父。


「いや、あの・・町に入れなくて困ってまして」


「ほぉ。坊主はここら辺のもんじゃねぇのか?」


坊主って歳でもないんだけど。


「・・はい」


ドワーフっぽい親父は俺の下から上までじっくり眺めると


「・・・変わった格好してるな。その服と代わりにワシが町に入れてやってもいいぞ」


「え?」


あー!このジャージか。やっぱり珍しいのかな?

でもこれを剥ぎ取られると俺着るものないんですけど・・・


「どうだ?悪い話じゃないだろう?」


うーむ・・・このままじゃ飢え死にしそうだし背に腹は代えられぬ。


「分かりました!ですが代わりの服を頂けますか?これしかないもんで」


「・・・いいだろう。これを着ろ」


そういうと親父はおもむろに荷物からチュニックのような服を取り出した。

用意がいいこって。商人なのか?てかここで着替えるの?イヤン。恥ずかしい。


「何してる?早くしろ」


はい。着ます。


包帯を外して何故かピッタリのチュニックのような服に着替えると、親父にジャージを渡した。

ジャージのズボンには少し血が付いているが特に何も言われなかった。この世界じゃ血ぐらいなんでもないのだろう。まぁさすがに洗うだろうが。てかこの服スースーする。


親父はジャージを受け取ると颯爽と門の方へ歩きだしたので俺は慌てて後を付いていく。



「よう!ボルツ!無事だったか?」


「あぁ。見ての通りだ」


親父と衛兵は知り合いらしく雑談を始める。この親父はボルツって名前らしい。

雑談が一区切りついた所で衛兵がこちらに視線を向けた。


「そこの若いのはどうしたんだ?」


「あぁ。こいつか?ちょっと事情があってな。ワシがしばらく預かる事になったんだ。だから・・・な?」


ボルツはそう言うとお金っぽいものを衛兵に渡す。


「しょうがなぇなぁ。おい。若いの。悪さするんじゃねぇぞ」


「こんなヒョロイのが何も出来るわけねぇだろ?」


「違ぇねぇ!」


「「ガハハ!」」


こんな警備体制で大丈夫なのかと思ったがこれで何とか町に入れそうなのでありがたい。


□□□□


大きな門を潜るとそこはまさしくファンタジー(本日2回目)

中世風の街並みに亜人やら亜人やら亜人がいっぱいいる。普通の人間っぽいのもいるがよく分からん。

猫耳はいるようだな・・・思わず心の中でガッツポーズ!


「坊主。そんなに獣人が珍しいか?」


あ。ヤバイ。おっさんには全く興味が沸かなかったが猫耳には夢中になってた。


「いや。そんな事はないんですが、あの猫耳の子可愛いなぁと思って」


「・・・そうか?」


ドワーフ?とは美的感覚が違うらしい。というかおっさんか?

どう見ても可愛いと思うんだが・・・


「まぁいい。そんな事より坊主はこの町に何しに来たんだ?」


「え?あー」


ぶっちゃけ何も考えてなかった。どうしよう?

冒険者とかは・・無理かなぁ・・・


「アテはないんですが、何処かで雇って貰おうかと」


「アテもないのにこの町に来たのか?変な奴だな」


「いやぁ。ハハ・・・」


「坊主。お前料理作れるか?」


・・・料理?

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