表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

転生者殲滅作戦

作者: ひびき澪

短編テストのつもりです。

人が異世界へと移動し、人知を超えた物事を成し遂げる。

 ーーそんな転生者というものが、近頃急激に増えている。

 そんな話が僕の耳に入ったのは、割と最近の事だった。

ーーまして、そんな転生者が増えすぎた事により、彼らと同じ目に遭う為に積極的な自殺を試みるものまでいるというとか。


「ーー彼らの存在は世界の秩序を阻んでいます。彼らを破壊をせねばなりません」

 そんな話が話が天使の組合からのメールに入っていたので、僕は眠い目を擦る。

「ーーそうかよ。だがーーだとしても、今の僕に何をすればいい?」

 苛立たしげに、立ち上がる。


 かくなる僕の存在は、端神の一柱。海外では精霊、とでも翻訳される存在だ。

 そして今は、人の身において生かされている。当然、超人的な力などーー全く無い。

 むしろ、頭ですら絶望的に悪い。いかに力に頼って生きてきたかが身に染みている。

 今の自分は家賃6万のポンコツアパートの三階で一人暮らししつつ、あくびをするだけの学生だ。現状亜は100年弱の休暇を得て、こちらで命を過ごしたいだけだ。

「今の私に出来る事はありません。当直の神に物事は回して下さい」

 そう打つと、

「だとあれば、まずあなたを元に戻します、使いを回したので、まずは死んできて下さい」

ーー数秒立たずに、部屋の扉が開かれた。


ーー鍵を、かけていたはずなのに。




「ルーセント卿ですね。プレゼントをお渡しに来ました」

黒い格好をして、羽根を生やした女性が、大きなショルダーバッグを持っている。何処の使いかはしらんがーー全く、やってくれる。

「ーー爆発物」

察しが付く。そんなに私を家業に戻したいか。

「ルーセント卿、これ、受け取ってください!」

 バッグが一直線にとんできたので、慌てて窓をあける。バッグはそのままの軌道で窓から外へ飛んでいきーー発光した。

「っ!」

 同時に背後から爆風が迫ってきて、慌てて伏せたからよかったがガラスが割れた。

 額に汗が走る。あんなものまともにくらったら、この身体はあとかたもなくなる。

「貴様、何の真似だ!」

 慌てて起き上がると、


「ルーセント卿、アナタに転生者を狩って欲しいとの連絡が入っております」

 無遠慮且つ、事務的に告げてくる天使。

「こっちは休暇中だ! 100年、いや80年待て!」

「出来ません。今のペースで転生者が増えると、我々の手に負えなくなります」

「じゃあなんだ、僕に一度死ねというのか」

「はい」

ーーげんなりくるな。頭痛がするわ。

「断ったらまた爆発物で襲いに来るんだろう?」

「えぇ、次は町ごと吹き飛ばします」

「ーーさっきも言った通り、僕は今は僕としての生活をしているんだ。だから端神としては協力できない。だが、僕が一ランクだけあげて超人として協力するのはどうだ?」




 そう提案すると、

「ーー人間相手なら交渉なんておこがましい、と言うところなのですがーールーセント卿ですからね。分かりました、じれったいですが、悪くはないですね」

そう言いつつ、今度は胸元から紙を取り出す。

「これは、神器の通信販売用カタログです。まだアナタの口座は無事で?」

「触ってはないが、利子で幾らか増えてるはずだ、引き落としでいい」

 僕はそう頷きながらも、分厚いカタログを見る。

「ーー電子化、してないのか」

「下等な人間のやり方なんて真似する事もないです」

 天使は首を振ると、それでは帰って寝ますと言ってもとの世界に戻ろうとする。

「ーー連絡はメールでいいが、君のメールアドレスでいいのか?」


一応確認をとろうとすると、普通の顔をしながら


「skypeでいいですよ」

「……変に現代生活に染まってるな!」

 僕は驚きつつも、しかめっ面のまま彼女を見送ったーー。




さて、これからーーどうしようというのやら……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「ーーそうかよ。だがーーだとしても、今の僕に何をすればいい」 自分に何すんの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ