本編3:絶望との戦い
次回予告。シスコン、旅立ちの時。
【GM】
よーしそれじゃシーンの整理。
ココロが立ち上がったので戦闘終了。
はーじまーるよー!
そんじゃまずは立ち上がったココロなんですが、貫かれた腹部からおびただしい量の血を流しているようです……。
しかしそれは最初だけ。とつぜんに、明らかに血ではないものが傷口から流れ始めます。
それは真っ黒で粘性のある、重油のような液体です。
どぼどぼと傷口から流れ出た黒い液体は、明らかにココロの体積を上回っています。
「あはっ」
重油のようにねばっこい声が、PCたちの耳に届きました。
※編集者コメント※
どこのクトゥルフかな?
【ツッキー】
(なんかやばそう)
【GM】
ごぼりごぼりと溢れる黒を見た皆さんはSANちぇ……げふんげふん。
冗談ですよ。
【武】
「――なんだ、ありゃ」
【菊花】
「……どうみてもおかしい。気をつけて」
【ツッキー】
「美味しくはなさそうだ」
【梶原】
「あれはなんです?レネゲイド……ですよね」
【菊花】
「ツッキー、ココロは食べちゃ……めっ」
【ツッキー】
ところでエンドロさんは何してんの
【GM】
黒い液体は地面に一定の量溜まると、今度は意思があるかのような動きを見せました。
具体的にはココロの足に絡み付き、その身体を包んでいきます。
「ぐぉぉぉん!?ぐるるるぅ!!」
怯えたような怒ったような声を出すココロを、黒がたちまちに飲み込んでしまいました。
変化はすぐに起こります。黒は獣を取り込み、形を膨れ上がらせ、別の獣へと変貌します。
三メートルは体躯がありそうな、真っ黒な犬。
魔犬という言葉がぴったりの存在が、ココロを覆うように現れました。
「オオオオオン!!!」
エンドロちゃんはこの変化を、うっとりした瞳で見ていますの。ただPCがそれに気付くかな?
【武】
「っこころを食ったのか!?」
【ツッキー】
離脱はできますかねー
【菊花】
「喰われる……。まるで侵食されてるみたいだわ。 言い得て妙ね」
【GM】
あ、戦闘は終わってるからエンゲージの概念とかは一旦ポイだよ。走りたかったら走れるし(GMが許せば)、話したければ話せる。
【菊花】
敵に害意といったものは見られますか? ロールが必要なら知覚で振りたいです。
【GM】
敵ってどっち?両方かな?
【菊花】
この場合はココロに対して、ですね。
【武】
獣の直感で大まかに情報を得たりできますか?
【GM】
知覚振るくらいの余裕はあるかな。吠えてるし。
直感使うなら達成は-5。
目標達成は……そうね。7が最低。
今回は「段階形式」の判定です。
具体的には「7が最低だけど、一定以上ならさらにボーナスとして情報が開示されるシステム」。
最大達成はひみつ。知覚ロールどうぞ!
【ツッキー】
くろー まーくぺけ: 知覚ならまかせろ~
【GM】
なんでピュアキュマなのにツッキー頼もしいんだよw
獣の直感は達成難易度が-5。具体的には今回の場合、最低値が2になります。
んで、もし私が15以上なら追加情報だそうと思ってたら、それは10に下がります。
【ツッキー】
アプリで振ったらオール0が出た。さすがに馬鹿げてるので、これはなしに
※編集者コメント※
業運ツッキー。マジでやばいですね(白目)
【GM】
別に振り直さなくてもいいのよ、ダイスは絶対だから。全部ゼロって言うなら信じるわ。
今回はやり直し処理してるからいいけども。
~ロール結果~
全員成功
【ツッキー】
14+4で、18になります。
【GM】
うーん、ツッキーほんと強いな。ピュアキュマとは思えない……w
※編集者コメント※
全員の中で一番達成値が高かった。
【菊花】
梶原ェ……こりゃツッキー参謀ポジありえますな。
【GM】
よーし、判定成功者は以下のことを知覚。
・今のココロはなにかヤバい。普段とは全くちがう別のなにかに変貌し、危険な雰囲気だ。
達成値の高かったツッキーはさらに以下のことを知覚。
・吠え声は威嚇というよりも「苦痛、あるいは悶絶するような声」に聞こえた
【菊花】
「……ココロに何をしたッ!」
【武】
あー無理やり操ってるのか、あるいは中で生きてるのか。
【菊花】
そうですね。精神汚染に近い何か?
【ツッキー】
「ほうほう。これは良くない……中で食われてる?」
ところでせんせー、エンドロちゃん拉致したいです。
【武】
(警戒しつつ味方を守れる位置に移動)できるなら。
【ツッキー】
冗談はさておき
「諸君。戦略的撤退を提案するよ」
【菊花】
KP、意見を具申します。
【武】
「……殿は任された。あんたは梶原さんと心ちゃんを頼む」
さて、そいじゃなにかに変貌したココロが動きます。側に倒れているもものに一瞥もくれず、エンドロちゃんの元へ。
エンドロちゃんと変貌したココロは、貴方たちからかるーく距離を取りますよ。
「これだけの絶望があり、なお、貴方たちはどうして前を向いているのですか?」
【GM】
拉致w 拉致というか食べたいんでしょうw?ダメよダメダメw
お、提案何々?
【菊花】
イージーエフェクトを用いて、もものの茶会を完全再現。匂いや香りでココロを沈静化、もしくは足止めをする目的です。可能ですか?
【GM】
よし、ok。やってみやってみ。
【武】
おーこれはファインプレーな予感。
【菊花】
「……ココロ、この匂いを、香りを忘れたの? あなたが好きなご主人様の作った紅茶。あなたの無二のパートナー、そんなご主人様が作った紅茶やお菓子、その匂いをあなたは忘れたのッ?!」
【ツッキー】
ところでもものちゃんまだ生きてます?
ハンティングスタイル使っていいです?というか使えます?
【菊花】
イージーエフェクト:《モルフェウス/万能器具》《モルフェウス/無上厨師》
以上の二点を行使、その場にティーセットを生み出します。
「ねぇココロ、あなたはご主人様をないがしろにするような子だったの? 違うっていうなら、まずはとまってよっ!!」
【GM】
ココロはお茶の匂いとキッカちゃんの言葉に、一瞬動揺したように見えました。借りてきた猫、いや犬のようにすこしだけその辺をうろうろするような動きをして……。
「貴方は今、そこにいるの?」
というエンドロちゃんの言葉を聞いて、落ち着きを取り戻したようですね。
エンドロちゃんに付き従うようにその場に座っています。
あ、もものさまは生きてますよ。
ハンティングスタイルを使うほどの余裕はないですね。もう少しGMロールしますので、お付き合いしてもらえれば(笑)
もものさまの生存は今、PC的にはあやふやですね。PL情報としてはまだ生きてます。
【武】
GM、それ、武君気付いてますか?
【菊花】
「……今、ちょっと迷った。ココロは、そこにいる」
【武】
「……ああ、かもしれないな」
じりじりと距離を詰めつつ、注意を引きます。ももの生存にかけて。
【GM】
さーて、それではエンドロちゃんの問いかけタイム。
「どうしてですか?貴方たちが私を望んだのに。どうして、貴方たちはそこにいるのですか?」
【菊花】
「……望んだ?」
「私は、お前のような平穏を崩すものなんて、望んでない!」
【武】
「……意味の分からないことを……」
【ツッキー】
「ああ、ご馳走を望んだのは確かだね!」
【梶原】
「こんな世の中だから知らないうちに望んだかはわからないけれど、絶望したからって退場したら、私みたいなのは仕事にならない」
【GM】
「解らない……なぜ望んだの?なぜ否定するの?なぜ生きるの?なぜ戦うの?」
【菊花】
「……それは」
「愛するものの、ため」
【ツッキー】
「ジャームは食べても罪にならないからね!」
【武】
「…………お前みたいなのがいるからさ」
【梶原】
「希望の隣にはいつだって絶望がいるものだ、大差ない」
【菊花】
「だから私は……お前の存在を、根絶する」
楽しいことをしていたいけど、世の中そうもいかないことをうすうす悟りつつある幼女菊花。
【GM】
「教えて、貴方たちがどこにいるのか。見付けて、私がどこにいるのか。そう、これは……人の希望、人の望み、人の絶望、人の悪夢。私の生まれた意味、生きる意味、戦う意味、探す意味」
【菊花】
「私は…私たちは……」
「此処にいる」
【ツッキー】
「どこかに居たいなら、僕のお腹の中に居ればいい!」
よだれだらだら。
【武】
「見れば分かるだろう、俺はここだ」
【菊花】
「居場所? そんなものは自分で見つけるもの。そんな受身で見つかるようなものじゃない。だったら、何で探さないの? 自分の心休まる場所。心から此処にいたいって思える場所。そんな場所は、きっとあるはずなのに」
「あなたにとっての安寧が何かは知らないけど、それを私たちに求めるのは、間違ってる」
【ツッキー】
「君が生まれた意味は僕に食べられるため、僕が生まれた意味は君を食べるため。それではだめかい?」
【GM】
さて、それではフワリとエンドロちゃんが浮き上がります。
そして天を指差し、呟くような言葉を漏らします。
「貴方は、そこにいますか?」
さて、にわかに世界に変化が生じます。
空に巨大な影が現れました。
それは丸く、巨大で、灰色の物体。
知覚するまでもなく、考えるまでもなく貴方たちはそれが何なのか理解できます。
それは巨大な物質。
星そのもの。
超巨大な隕石です。
【梶原】
質問タイムだから、長々聞いてくれるのか…結構気が長いというか、背景がまた気になるというか
【武】
「な、なんつう出鱈目を!」
背後の菊花たちを庇うように動きます。
【菊花】
「武、あの規模の隕石なら、無駄。だから、武たちだけでも、逃げて」
【GM】
DXの敵はな、これくらい軽くやってのけるのだ……。
「ココロをくじき、居場所を砕き、命を散らす。それが貴方たちの望みならば……私はそれを叶えます」
Eロイス
破壊神顕現
効果
GMが指定したあらゆるものを破壊する。
今回の対象、「地球」
【菊花】
えっ
【梶原】
わあ、ちきゅう。ちきゅうはかい。すごいー。
【武】
「馬鹿いってんじゃねえ! 仲間を見捨てて逃げるような真似できるか!! お前こそささっと――」
(言葉を失う)
【ツッキー】
脳筋解決で、殴ろう。
【GM】
ちなみにこのEロイス、「絆を壊す」とか、「外を壊さずに中だけ完全粉砕」とかもできるよ。
【梶原】
わー、えげつないー
【菊花】
えぐいなぁ。
【武】
うわぁ。
【梶原】
とりあえず当初からの目的であるもものさまの近くにいきたい……ひとりぼっちはさびしいもんな……です。
【ツッキー】
跳びかかって、殴る。とかダメ? 肉体判定で。
※編集者コメント※
やたら好戦的だぞツッキー! さすがツッキー!
【GM】
「一週間後に、私は望みを叶えます」
つまり地球破壊隕石の着弾まで、猶予は一週間ありますよ。
【ツッキー】
あ、なるほどそういうこと。
【武】
「………なるほど。正真正銘のバケモノってわけか」
【菊花】
「梶原、まずはもものを病院に」
【梶原】
「UGNのエージェントであれば、姫宮さんが喜んだでしょうに」
【GM】
飛びかかって殴るも無理だね。だってまだ続くんだ。
「砕かれたココロ。世界を喰らうもの。フェンリル。お願いします」
フェンリル、と呼ばれたココロは遠吠えを放ちます。
「ウォォォォォン!!」
【ツッキー】
「吠えるな。主人も守れなかった駄犬が」
軽蔑の目。
【菊花】
「ココロ……本当に忘れちゃったの……?」
【武】
「悪趣味な真似を……」
【梶原】
「まあ、仕方ないですね。無理に耐えろというのも酷な話です」
色んなジャーム見て来たから、あんまり精神論押し付けたくない(という設定)
【GM/エンドロ】
遠吠えはまるで世界中に響き届くかのように長く、貴方たちの耳に反響していきます。
「それでは皆様……ごきげんよう」
そう言ったエンドロちゃんの背後、黒い穴のようなものが開きます。
空間を引き裂くように現れた穴に、一人と一匹は飲み込まれていきますよ。
「見付けて」
という言葉を残して、一人と一匹は消えました。
穴はすぐに閉じてしまいます。
【武】
「っもものちゃん!」
すぐさま駆け寄る。
【ツッキー】
「逃げるのか! 獣の誇りすら失ったか駄犬!」
【菊花】
「……悲しみたいけど、そうもいかない」
「梶原、車を出して。もものをどこか治療できるところへ移動させる」
【武】
「梶原さん! 車出せますか!」
【GM】
お、大丈夫よその辺りは。UGNの医療班を呼べばいいのよ。
【菊花】
「……ごめんね、借りるよ」
そういって近くにあった死体の胸から携帯を取り出して医療班を呼びます。
【ツッキー】
「くそ、こんな事になるなら一口かじっておけばよかった」
【菊花】
あとついでに、イージーエフェクトでカーテンを作り出して、遺体にかぶせます。
【武】
傷の具合とかは確認できますか? 生きているならですが。
【梶原】
あんまり動かすのもよくないですよね、念のため、もものちゃんの近くに車を置いて、姫宮さんに電話したり……あとスマホで写真取ります。遺体の。
【GM】
お、電話使うの?
じゃあ、その電話は繋がりませんね。
ところで誰が始めにもものちゃんにかけよったかな? その人がもものちゃんが息をしてることに気づくよ。
※編集者コメント※
相談の結果、武くんに。RPシーンということで、特に行動値は関係ないため。
【ツッキー】
「あ、待ち給え!」
【梶原】
あ……そうだ。遺体にサイコメトリーしたら、何かわからないですか?
【武】
「息は……あるのか。頼む、死ぬなよ、もものちゃん……!」
祈るように。
【GM】
サイコメトリーするの? じゃあええと……情報:レネゲイドで最低達成8。
でもその前にもものちゃんはこんだりするんじゃないかい?
【梶原】
救急がくるなら、下手に動かさない方がいいのかと思って。
【武】
傷の具合を見ないとと思いまして。
【梶原】
到着時間や搬送先にもよりますね……電話して、結構かかるようなら、車にいれて全速力で最寄の医療機関にいきますが。
【武】
腹を貫かれてるなら出血が酷い……のかな。
【ツッキー】
「一口……」
【GM】
ふむふむ。じゃあこうするか。
もものちゃんの息を確かめたところで、医療班がやってきて次々に生きてる人を運んでいきます。もものちゃんも含めて。
よければシーンカットしますが、大丈夫? 支部内の医療施設につれてかれますよ。生き残りは。
[【菊花】
「ツッキー、ちょっと私とあっちに、いこ?」
【ツッキー】
(倒れているもものをじっと見ている)
「ああ! 仕方ない。元気になったら一口お願いしよう」
【武】
「頼みます……必ず助けてやってください
【梶原】
「……あと一週間ね……あの人の喜びそうな一大イベントだわ」
※編集者コメント※
ここまでで全員OKを出した。
【GM】
んじゃ、次。ミドルフェイズ。ここでは新しい事件がおこったり、面識のないPCが出会ったりしますよ。
プレイヤーが望めばその通りのシーンも立てられます。
希望がないなら、とりあえず一段落した頃。もものちゃんが担ぎ込まれた医務室から始めてもらいますね?大丈夫?
【菊花】
あ、KP。その前に一つ質問いいですか?
【GM】
ok。どうぞ。
【菊花】
UGNって武装組織……ですか?
【GM】
武装もしてますよ。だって危険な能力者と戦うこともありますからね。
具体的にはファルスハーツやゼノス等といった組織と、基本的に戦っています。
ファルスハーツ
オーヴァードはすごい力だ!だから俺たちは好き勝手していいんだ!他のやつらより優れてるんだ!!という組織
ゼノス
レネゲイドビーイングの組織。細かい目的は不明。
レネゲイドビーイングについては、ルルブ2の23の後ろのほうから読んでみてね。
あとはいきなり能力に目覚めたバカを殴って止めて再教育したり……ツッキーがこれに該当かな?
【菊花】
ではひとつ。
菊花はUGNの構成員である以上、武器とか支給されてもおかしくないと思うんですが(半ばやけくそではある)
【GM】
おう、そりゃなんの問題もない設定だ。
だがゲーム的にはそれな、「購入判定」する必要があるんだ……。
【菊花】
常備化ポイントが4の菊花には無理な話だった……。