表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/27

<エロマンガみたいに粘液まみれにされてしまいました>

 再び北への道を辿っていると、道の左手に直径三メートルの穴が空いているのに気が付きました。近寄って見てみると、穴はなだらかに降って、深く続いている様です。

 …普段だったら、こんな怪しい穴は素通りするのですが、ゴブリンというのは何処に入り込んでいるか解ったものではありません。一応、見てみる事にしましょう。

 穴を降りていくと、次第に壁面がぬるぬると粘液に覆われていきます。何か、巨大な生き物が分泌したものでしょうか…。

 危険なのは判り切っていますが、もしかしたら(くだん)のゴブリンがこの先で餌食になっているかも知れません。(わたくし)は、滑らない様に慎重に、穴を降りて行きました。

「あ」

 滑りました。(わたくし)がどんなに慎重に進んでいたとしても、「滑った」と書いてあるのですから滑りました。(わたくし)はでんぐり返りしながら、穴の底に落ちていきます。やがて、広い空間に放り出されました。勿論私(わたくし)は粘液まみれです。鬱です。死にたいです。お(あつら)え向きに、毒で光る(とげ)がすぐ傍に…。

「!」

 危ういところで飛び退きました。死にたいと思った途端殺しに来るなんて、何てタイミングが良いのでしょうか。勿論悪い意味で。どうやらここは針ミミズの巣だった様ですね。ちなみに、五メートルくらいの巨大なミミズで、尾に毒針が生えている怪物です。

「ふふ…うふふふふ…」

 ああ、何だ。鬱憤(うっぷん)をぶつける相手がいるじゃありませんか…。

「しかもこの汚いぬるぬる、貴方(あなた)が出したんですよね…?」

 (わたくし)を突き刺そうとする毒針を受けては斬り付けている内に、毒針がへし折れました。

「うふふ、これで貴方は、大きいだけのミミズですねえ…」

 ミミズは、脅えた様に逃げ出そうとします。

「うふふふふふふふふふふふふふふ」

 ミミズをバラバラにした後、巣に何か残されていないか探ります。幾つか犠牲者らしい白骨と、革のザックが見付かりました。中には、金貨四枚と、透明な液体の入った小瓶が入っていました。


お宝追加:金貨7枚


 何でしょう…? 得体は知れませんが、後生大事にザックにしまっていたなら、何か役に立つ物かも知れません。思い切って、飲んでみる事にしました。

 飲んで、暫く待ってみましたが、別段何も起こりません。

「まあ、毒でなかっただけ、良しとしましょうか…」

 と、地面に刺しておいた剣を手に取ると、異様に軽く、まるで剣先が自分の指であるかの様に自在に操れます。どうやら、あの薬は<剣捌(さば)きの薬>だった様です。暫くの間、(わたくし)の剣は更に鋭さを増す事でしょう。良い拾い物をしました。


<剣捌きの薬>の効果:以後二回の戦闘において、攻撃力上昇


 さて、穴を出て、旅を続けましょう。



冒険記録紙

名前:カサンドラ

装備:剣、革の鎧、ザック、幸運の薬、地図、万能薬、除草剤、虫除け、聖水、光の指輪、飛び跳ね靴、自動縄、捕縛網、必中手袋、探水棒、大蒜(にんにく)団子、封炎玉、真鍮のフルート、鼠の骨のネックレス

お宝:金貨10枚

<剣捌きの薬>の効果:以後二回の戦闘において、攻撃力上昇


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ