<お宝ゲットです>
谷間を北に向かって歩き続けておりますと、道の傍らの大岩に、一降りの剣が刺さっているのを見付けました。…どこかのドジが、勢い余って岩に剣を突き刺し、抜けなくなってそのままお亡くなりになったのでしょうか?
「…くすり☆」
楽しい想像に少し微笑んでしまいましたが、さて如何いたしましょう?
取り敢えず、辺りに白骨とか罠に掛かった形跡などもありませんし、試しに抜いてみても良いでしょう。
剣は滑る様に岩から抜け、私の手に納まりました。幾度か宙を斬ると、手に力強さが伝わります。これは、なかなかの業物の様です。この剣ならば、以前喰らった毒ガスによる呼吸困難を補って充分でしょう。
装備追加:業物の剣
少しは運が上向いてきたのでしょうか? …いえ、素敵な(逞しい)殿方の愛を得るまで、私の旅に終わりはないのです。
「…勿論、ついでにドワーフの“戦鎚”も探しますよ?」
ドワーフさんも逞しいのですが、背が低くて皆さん枯れ過ぎた感じがいただけないのですよねえ…。さて、妄想もこの辺りにして、再び谷間を進みましょう。
漸く谷底が見えてきました。緑滴る谷底の向こうに、再び“闇の森”の森が広がっています。直進して谷間の崖を登るのは無理の様です。谷底を、東西のどちらかに進んでいくしかありませんね。
谷底を西に進む事にします。
道は谷底を横切って北に曲がり、左手に池が見えてきました。傍に、藁葺き屋根の丸太小屋が建っています。
丸太小屋には碌なものがない様な予感がしますが、一応調べておきましょう。
果たして、小屋の中には家具一つありません。扉の傍に、大きな青い水瓶が置いてあるきりです。日差しが強いにも関わらず、水瓶の中は真っ暗で、中に何があるのか見通せません。揺すってみると、カタカタと音がします。
こんなあからさまに魔法の掛かった代物を、いきなり落として壊すお調子者なんて、いる訳ありませんよねえ?(微笑) 無視するのが賢明な気もしますが、こちらは探し物をしている身。危険を覚悟で中を探ってみる事にします。
インクの様な闇の中に手を差し入れると、まるで砕かれる様な痛みが襲ってきました。次の瞬間、火で炙られる様な痛みに変わります。やはりただの罠…?
咄嗟に手を出そうかと思いましたが、幻術である可能性もあります。痛みの種類が変わるのも不審です。手を失う危険もありますが、ここまできたらとことん探ってみましょう。
痛みは耐え難い程ですが、何か品物が指に触れました。幾つかあるそれを掻き集め、急いで手を引き抜くと、痛みは嘘の様に引き、傷一つ付いていません。やはり、幻術だった様です。中に入っていたのは、金貨が五枚、ドラゴンの歯、力の回復薬でした。誰が何の為に仕掛けたものやらさっぱり判りませんが、結構な収穫です。
お宝追加:金貨7枚
装備追加:ドラゴンの歯、力の回復薬
ドラゴンの歯は何に使えるのか判りませんが、魔法使いに売るか黒沙港で捌けば、それなりに良い値が付きそうです。目的の物はありませんでしたが、私はほくほく顔で北への道に戻りました。
冒険記録紙
名前:カサンドラ
装備:剣、革の鎧、ザック、幸運の薬、地図、万能薬、除草剤、虫除け、聖水、光の指輪、自動縄、捕縛網、探水棒、封炎玉、真鍮のフルート、鼠の骨のネックレス、“戦鎚”の柄、戦上手の腕輪、ベラドンナ草、妖精の粉、業物の剣、ドラゴンの歯、力の回復薬
お宝:金貨12枚、銀の箱