<お初にお目にかかります>
本作は、とあるゲームブックのプレイレポートが元になっています。猛烈にネタバレしている為、原作をプレイ予定の方は、クリア後に読まれる事をお勧めします。原作タイトルは「Uんめいのもり」です。
「疫病神」カサンドラ
性別:女
職業:傭兵→冒険者
髪の色:黒、瞳の色:緑、肌の色:白
装備:剣、革の鎧、ザック、幸運の薬
皆さん、今晩は。私、カサンドラと申します。「疫病神」カサンドラと言えば、少しは名の通った傭兵でございます。ええ、勿論悪い意味で。…私、剣の腕には多少覚えがありますが、私が関わった戦いは、何故か大抵、ろくな事にならないのです。御陰様で、南の方で私を雇う方は、ほとんどいなくなってしまいました。このままでは、おまんまの食い上げでございます。やむなく、私は冒険者の真似事をして食いつなぎながら、この北の王国へと流れてきたのでございました。今夜もまた、こうして独り焚き火の灯を見つめながら、更けようとしています。
「寂しい…」
可愛い兎ちゃんを喰い殺してまで、私に生きている価値などあるのでございましょうか。夕食の兎ちゃんの頭蓋骨を抱えて、毛布にくるまり焚き火の前で蹲っていると、左の方で音がしました。ゆっくり立ち上がり、剣を抜いて見に行くと、お腹に矢傷を受けたドワーフが一人、倒れ伏しておりました。
「もし…生きておいでですか~…?」
しゃがみ込んで兜をつつくと、すっくと立ち上がって、喚き始めました。
「必ずや! 必ず手に入れまする。王よ、ご案じ召さるな。この“大足”めが、必ずや御前に“戦鎚”を…。か、必ずや…」
そして、また倒れました。
「“大足”さん~? そんな事してると、死にますよ~…?」
「ま、待ち伏せだ! 用心せい! 後れを取るな! せ、“戦鎚”を…我が王に、“戦鎚”を渡さねば…。ドワーフの未来は…」
これは、長くないですね~…。
「…ど、どなたか知らぬが、頼まれてくれぬか…。我が王に、“戦鎚”を届けて欲しい…。トロール共との戦に打ち勝つには、どうしても“戦鎚”が必要なのだ…!」
「…はい?」
「我々は“戦鎚”を求めて、“闇の森”へと赴く途中であった。だが森へと辿り着く前に、トロール共の奇襲を受けてしまったのだ。仲間は皆、殺された。…懐に地図が入っておる。それを見れば、“闇の森”に居を構える魔法使い、アモルツァイの下へ行ける筈だ。彼ならば、“戦鎚”を探し、危険な“闇の森”を往く手助けをしてくれるだろう。私の金貨も持っていけ…。どうか頼む、“戦鎚”を見付け出し、“石の郷”の我等がドワーフの王に、お返ししてもらえまいか…。“石の郷”が救われれば、王はお主に見返りを惜しまぬだろう…どうか…」
どうやら正気に返った様ですが、この私に頼み事ですか~…。
「別にいいですけど…どうなっても知りませんよ…?」
やがて、“大足”さんは、お亡くなりになりました。彼の懐には、確かに地図と金貨が入っています。
「しかし、最期の頼み事をする相手が私だなんて…何という巡り合わせでしょうか…」
勿論、悪い意味で。何にしろ、私も仕事には誇りを持っております。お代を頂いた以上、こなしてみせねばならないでしょう。
翌朝、“大足”さんを埋葬すると、私は一路、魔法使いアモルツァイの家を目指して出発いたしました。
装備追加:地図
お宝追加:金貨30枚
冒険記録紙
名前:カサンドラ
装備:剣、革の鎧、ザック、幸運の薬、地図
お宝:金貨30枚