第4話
早足でカオルの家に向かった。 「カオル〜。帰ったよ」
部屋に入ると放心状態で小さく丸まっているカオルがいた。 「真斗と話してきた」
真斗という言葉に反応した…。 「真斗なんだって?」
「カオルが自分といても上の空だって。」
また泣いてしまうだろうか…でもカオルのためだと決心して続けた。「カオルはさぁ頭では真斗が好きって思おうとしてるんだろうけど本能的に西田を求めてるんじゃない?」
「…そんなことないよっ。だって…真斗の事……」
「じゃあなんでさっきの電話出なかったの?西田への気持ちが大きくなったからじゃないの?」
やっぱり泣き始めてしまった…。 「カオル、よく聞いて。私は今日どっちかに決めろって言ってるわけじゃない。ただ自分の気持ちに嘘ついて自分を苦しめるのはやめてほしいの。」
カオルは泣きながら頷いた。それからは何も言わず、ただ胸を貸してあげた。。しばらくするとカオルは落ち着いて話始めた。 「涼子ありがとう…涼子が居てくれて良かった。」
「やだぁ、照れるじゃん」
私はちょっとでもカオルの笑顔みたくてふざけてみた。でもこんな状況で笑える訳もなくひきつった笑顔だった。「あたしもう帰るね。明日も学校だし。ちゃんと学校来るんだよ!!」
「わかってる。涼子も遅刻しちゃダメだよ」
私は自分の家へ足を向けた。今日のカオルを思い出しながら…。カオルはあんまり感情を表に出すほうではない。むしろ冷静な子だ。みんなからはクールでかっこいいなんて言われている。そのカオルが…恋の力とはすごいものだ。あんなに人を変える力があるのか。 ケータイが鳴った……カオルかと思って慌ててケータイを見ると…杏からメールだった「杏からだ。なんだろう」
《やっほ♪相変わらずラブラブな杏ちゃんだよ!早速だけど本題に入ります。涼子さぁ彼氏とか作らないのぉ?涼子のプリクラみて会いたいって人がいるんだけどどう?このメール見たら即返信!》 なんだこの子…。彼氏かぁそーいえば考えてなかったなぁ。でも今はそんな気分じゃないし。 《かなりキチガイな杏ちゃんへ♪その話はまた今度にして。じゃ明日ねぇ》 かなり一方的だけどしかなたいそんな状況じゃないし。自分の部屋にもどるとそのままベットへ…。