第28話
朝、昨日の予想どおり体調が良い。早速、聡に電話した。
「聡?今日、絶好調だから見に行くね。シュンさんにお願いしていい?」
『おっよかった。じゃあシュンに言っとく。多分1時間くらいで行くと思うから準備しとけよ』
「はぁい」
着替えたり化粧したりしていると1時間たったらしく外にシュンさんがいた。 慌てて外に出た。 「ごめんなさい、待たせちゃって」
「いや今来たとこだよ。それより焦らなくていいよ。涼子ちゃんになんかあったら俺、聡に何されるか分かんねぇからな。あいつ今デレデレだよ。涼子ちゃんとうまくいってる上に子供までいるってんだから。」
「そーですかねぇ」
「そうだよ!それより大切な事いってなかったな、涼子ちゃんおめでとう。お腹の中の子と聡と幸せになってな」
「ありがとうございます」
「いえいえ。そろそろ行くかっ」
シュンさんの車に乗り込み走りだした。「あの、シュンさんは彼女とかいないんですか?」
「彼女?あぁいるっちゃいるよ」
「曖昧なんですか?」
「まぁあんまり会えないからね」
「遠距離恋愛ですか?」
「まぁね。‥…着いたよ」
シュンさんと体育館に入っていくと人がたくさんいた
「すごい人だなぁ」
「ホント。すごいですね」
その時、聡が走ってきた。
「涼子、体大丈夫か?」
「うん。今日はがんばってねっ」
「おぅ。シュンも来てくれてありがとな」
「あぁ。俺に気付いてたかっ」
「当たり前だろっ!大切な涼子を連れてきてくれてたんだからな」
「そっちかよっ」
「まぁな。じゃ、俺行くから、ちゃんと応援しててくれよ」
聡はチームの人たちの所に戻った。杏のダーリンもいた。 「シュンさん、杏が日本に帰ってきてるの知ってますか?」
「あぁしってるよ。」
「今日、誘ったんですけど仕事すすめたいからって断られちゃったんですよ」
「そうか。」
「杏、前みたいにジョンにゾッコンじゃなくなっちゃったんですかね」
「あいつも大人になったんじゃないかな?」
ふとみるとシュンさんは何故か淋しそうな顔をしていた。 「なんだかしゅんさん杏の保護者みたい」
「え?」
「なんか杏が大人になっていくの見ると淋しいみたいな顔してますよ」
「そうか?」
聡の試合が始まった。二人とも見入っていた。やっぱりバスケしているときの聡は一層輝いている。 試合はあっという間に終わった。と言うより見入っていたので早く感じたのかもしれない…。 結果は聡のチームが勝った・・・
聡が着替えてきた。
「聡おめでとう」
「おぅ!ありがとなっ」
その時、シュンさんのケータイが鳴った
「もしもし?おっ杏か、どうした?」
だんだんシュンさんの声が小さくなっていった。そして電話を切ったシュンさんが私達のほうを向いた。
「悪い!俺、用事出来ちゃったから行かなきゃなんだごめんな。」
「おう。気を付けろよっ」
「あぁ。今日はお疲れ聡。涼子ちゃんもおつかれ」
「あっ、はい。」
そういうとシュンさんは急いで行ってしまった。
「シュンさんなんであんなにあわててるんだろう?」
「彼女に会うんじゃないか?」
「え?!だって曖昧だって・・・」
「ん?シュンからなんか話し聞いたのか?」
「ううん。」
「俺の部屋来るか?涼子にお祝いして貰わないとだしな。そのときゆっくりはなしてやるよ。」
「うん」
聡の車に乗って部屋に向かった・・・。