第26話
高校卒業後、数年後の話です。
数年後…
高校を卒業してしばらくたったある日、最近毎日、聡と居る。もちろん私は大学で聡は仕事で会っている時間は少ない。
でもあのケンカ以来、愛が深まった気もする。
今日は休みなので本屋に行くことにした、杏が外国に行ってから海外の雑誌をチェックすることが習慣になっていた。ある雑誌を手に取りパラパラめくっていると見た事ある顔が…杏?杏に似てるような気がする…文章に目を向けるとやはり杏の名前が。内容は杏のブランドはフランスに本店がありニューヨークにも店を出すらしい。 「ねぇ、聡。杏かなり有名になってるみたい」
「これが杏ちゃん?大人になったなぁ」
杏の写真を見てふたりで驚いてしまい勢いで買ってしまった。聡の部屋でふたりで買った雑誌を眺めていた
「なぁ、涼子…」
「ん?」 「涼子が卒業したら俺と結婚しよう」「え?でもまだ先だよ?!そんな事言っちゃていいの?」
「待ってるから。」
「うれしい。ありがと」
聡のプロポーズは嬉しかったがなんだか体が怠いような気がして喜びきれない…聡ともっと一緒に居たいが帰ることにした。 次の日もなんとなく怠い感じで、家でゆっくりすることにした。すると急に吐き気が襲ってきた…そういえば生理が遅れている…まさか…妊娠?!早速、検査薬をかって調べるとやっぱり妊娠していた…どうしよう、聡は何というだろう?喜んでくれるだろうか…それとも…不安で落ち着かなくなってしまった。でも言うしかない。不思議と勇気が出てきた。聡は今日は家にいるはずだから電話することにした。『涼子?どうした?』 「あのね…話したいことがあるの」
『おぅ。なに?』 「会って話したいの」
『あぁそっか、じゃあ今から行くよ』聡を待つ時間が長く感じる…勇気が出ても不安が消え去ることはなかった。 聡が来て私の部屋のテーブルに向かい合わせで座った
「涼子の部屋久しぶりだなぁ」
「そうだっけ?」
「うん。それで?話って何?」
「えっと…」
大きく深呼吸した 「私ね、に…妊娠したみたいなの…」
「…ほんとか?」 聡は喜んでないのか…? 「市販の出調べただけなんだけど…。聡、嬉しくない?嫌だったら別れてもいいよ。それなら今どっか行っちゃって。」
自分でもなぜここまで言えるのか分からなかった。
言った後に恐くなり目をギュっとつぶり下を向いていた。聡が立ち上がった感じがする。やっぱりもうダメなのかな。聡が居なくなったら私ひとりだ…。 お腹の子はお父さんがいなくて悲しい思いをするだろうか。そんなことを考えていると涙が出てきた。 その時…抱き締められた。顔をあげると聡が私を抱き締めてくれている。「聡…」
「別れるって何だよ!俺すげぇ嬉しいんだからなっ!産婦人科行こうぜ。いやっ、その前に涼子は産みたいと思うか?」
「…うん。いい?」
「なら決まりだ、病院行くしかないだろ」
「でも…恐い。」
「大丈夫。俺がついてるから」
聡にすごく勇気づけられ、産婦人科に通い始めた。 「涼子のお母さんには言ったのか?」
「まだ…。」
聡が挨拶にきてくれたから付き合っていることは知っている。プロポーズされた事も話した。「じゃあ一緒にいこう」
「行ってくれるの?」
「当たり前だろ」
聡が一緒にと言ってくれたことが嬉しかった。