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第21話

朝、学校へ向かいながら聡の事を考えた。やっぱり私は聡の事を好きなんだと実感したがどう行動したらいいのか…真斗はカオルへの気持ちに嘘をつかずに真っすぐぶつかっていった。 傷つく事を恐れずに…。 私にそんな勇気は持てるのか。          教室についてもそのことをずっと考えていた。   「涼子…?」

「あっ、杏。何?」

「聡くんの事もう好きじゃないの?」       「え…そんなこと…ない」

「じゃあ男とふたりっきりで歩いてたりとか話してたりとかやめたら?」

「何のこと?」

「昨日…聡くん学校の前に来てて一緒に涼子待ってたら…」

「え?来てたの?」

「うん。声かけようとしたけど男と歩いてたから」

「あぁ真斗の事?」

「そう。聡くんすごい悲しそうな顔してた。」

私は何やってんだろう…?聡は許そうとしてくれたのかもしれないのに…。聡に電話した…出ないので留守電に残すことにした。

「聡?ごめんね…私、全然聡の気持ち考えてなかった。でもね、私には聡が必要だってわかったの。だから…もし私の事…許してくれるなら電話ください」

涙があふれて止まらない…杏が誰も居ない教室に連れていってくれた。    「涼子、大丈夫。きっと伝わるって!」

杏は私を慰めてくれる… 私が悪いのに…自業自得なはずなのに、こんな優しい救いの手が差し伸べられてしまっていいのか…。杏のその優しさがまたつらかった…。あれから数日間…聡から連絡はない。やっぱりダメなんだろう…。 もう忘れようと決心しかけた日、ケータイは聡専用のメロディーを鳴らした。電話に出ると女の人の声… 『あんた誰?聡の何?』 自分から電話しといて失礼な人と思いながら半ギレで答えた         「あんたこそだれ?」

『は?あたし聡の彼女』 か…のじょ…。なんだか力が抜けてしまった。しかし女は続けた   

『だからあんた聡とはどんな仲なわけ?』     「ただの知り合い。迷惑だからでしゃばんないで。」

その女は甲高い声で叫んでいたが電話を切った。  聡の着メロでおきた期待が崩れ去った。彼女がいるならもう振り向いてくれないって事だろう…。    やっぱり忘れるべきなんだと自分に言い聞かせた。聡を忘れるために勉強で暇を作らないようにした。学校でも家でもひたすら勉強した。最初は聡の事が頭から離れなかったがだんだん集中出来るようになってきた。おかげで成績は鰻登り…しかし心は満たされないままだった。勉強以外に紛らわす方法を考える余裕もなくてただひたすら机に向かうしかなかった。不思議なことにそれが苦痛にかわることはなかった。杏も紗季も真斗も話し掛けてくれるのだが勉強を理由にすぐ会話を終わらせてしまった。みんなにひどい態度をとってるのはわかるけど今はそうするしかなかった。また前みたいに引きこもりみたいなことしたくなかった。そんな毎日を続けていた…ある日、バスケ部の男の子…確か隼人君が話し掛けてきた。       「涼子ちゃん!元気?最近、雰囲気変わったね」

「あぁ隼人君、久しぶり。何か用?」

「あのさぁ話したいことがあるんだ。放課後、図書室で待ってるから」

そう言い残して行ってしまった。

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