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無能と追放された陰陽師の俺が、古代神族の力で成り上がる  作者: アイザワ


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18/26

最初の手掛かり

翌朝。

蒼真たちは、最初に襲撃された白鷺神社を訪れていた。

都の東部にある小さな神社で、今は無人になっている。

「ここが……」

蒼真は神社を見上げた。

鳥居は壊され、社殿の壁には何かで引っ掻いたような痕が残っている。

「酷い有様ですね……」

朝霧が悲しそうに呟いた。

「神社が荒らされるなんて……」

「犯人、許せねぇ……」

刹那が拳を握った。

「白金、何か感じるか?」

「はい、少し待ってください」

白金は目を閉じ、周囲の気配を探った。

「……妖気は、ほとんど残っていません」

白金は目を開けた。

「でも、わずかに……何か、違和感があります」

「違和感?」

「はい。妖怪の気配とも、神喰いとも違う……」

白金は社殿に近づいた。

「まるで、何かが『消された』ような……」

蒼真も社殿に入った。

中は荒らされており、祭壇も壊されている。

「神器が奉納されていたのは、ここか」

祭壇の奥に、空の台座があった。

「『浄化の玉』……邪気を祓う力を持つ神器だったそうです」

朝霧が資料を読み上げた。

「大きさは拳ほど。白く光る玉だったとか」

「なぜ、そんなものを盗む?」

刹那が首を傾げた。

「金になるのか?」

「神器は、売買できません」

白金が説明した。

「神聖な力を持つ品ですから、普通の人間が触れることすらできないんです」

「じゃあ、何のために……」

その時、蒼真が台座の下で何かを見つけた。

「これは……」

小さな黒い欠片が落ちていた。

蒼真がそれを拾い上げると――

「うわっ!」

欠片から、強烈な妖気が溢れ出した。

「蒼真様!」

白金が駆け寄る。

「これは……神喰いの欠片!」

「神喰いの……!?」

欠片は蒼真の手の中で脈動していた。

まるで生きているかのように。

「やはり、神喰いが関わっているのか……」

蒼真は欠片を布で包んだ。

「これは、蓮さんに見せよう」

「そうですね」

一行は神社を後にしようとした。

その時――

「待て」

背後から声がした。

振り返ると、そこには一人の青年が立っていた。

年は二十代前半だろうか。鋭い目つきで、立派な陰陽師装束を着ている。

「お前たち、何者だ」

青年は警戒するように蒼真たちを見た。

「俺は蒼真。青龍神社の依頼で、この事件を調査している」

「青龍神社の……?」

青年は懐疑的な表情を崩さない。

「証明できるものはあるか」

蒼真は紹介状を見せた。

青年はそれを確認し、少し表情を和らげた。

「……そうか。すまん、疑って」

青年は頭を下げた。

「俺は、天御柱凛太郎。天御柱神社から派遣されてきた」

「天御柱……!?」

蒼真の顔色が変わった。

まさか、弟がここにいるとは。

「どうした?」

凛太郎が不審そうに蒼真を見る。

「いや、何でも」

蒼真は動揺を隠した。

だが、心臓が激しく鳴っている。

凛太郎は、蒼真に気づいていないようだった。三年ぶりに会う兄は、随分と変わっていたのだろう。

「天御柱神社も、この事件を調査しているのか?」

白金が聞いた。

「ああ。四大神社で連携して調べている」

凛太郎は腕を組んだ。

「神器盗難は、単なる窃盗じゃない。何か、大きな目的があるはずだ」

「大きな目的……」

「ああ。三つの神器には、共通点がある」

凛太郎は指を三本立てた。

「『浄化の玉』『炎の羽』『水の盾』……いずれも、属性を持つ神器だ」

「属性……」

蒼真は考えた。

浄化、炎、水。

まるで、何かの儀式に必要な道具のような――

「もしかして……」

白金が何かに気づいた様子だった。

「四属性を集めている……?」

「その通り」

凛太郎は頷いた。

「おそらく、次は風属性の神器が狙われる」

「風属性の神器を持つ神社は……」

「『疾風宮』だ」

凛太郎は地図を取り出した。

「都の西部にある。明日の夜、満月だ」

「満月が、何か関係あるのか?」

刹那が聞いた。

「ああ。過去三回の襲撃は、全て満月の夜だった」

凛太郎は真剣な顔で言った。

「つまり、明日の夜、疾風宮が襲われる可能性が高い」

「なら、そこを守れば……」

「犯人を捕まえられるかもしれない」

凛太郎は蒼真を見た。

「協力してくれるか?」

蒼真は少し迷った。

弟と一緒に戦う。それは、正体がバレるリスクがある。

だが――

「分かった。協力しよう」

蒼真は決断した。

犯人を捕まえることが、最優先だ。

「助かる」

凛太郎は初めて笑顔を見せた。

「明日の夕暮れ、疾風宮で落ち合おう」

「ああ」

凛太郎は去っていった。

その背中を見送りながら、蒼真は複雑な気持ちだった。

「蒼真様……」

白金が心配そうに蒼真を見た。

「大丈夫です」

蒼真は微笑んだ。

「今は、事件を解決することに集中します」

「でも……」

「大丈夫。俺は、もう昔の蒼真じゃない」

蒼真は拳を握った。

「追放された無能じゃない。自分の力で戦える陰陽師だ」

白金は蒼真の強い瞳を見て、頷いた。

「はい。私たちも、ついています」

「俺もだ!」

刹那が胸を張った。

「私も!」

朝霧も力強く頷いた。

蒼真は仲間たちを見て、心が温かくなった。

一人じゃない。もう、一人で戦う必要はない。

「よし、明日に備えよう」

「はい!」

一行は青龍神社に戻った。

そして、運命の夜が近づいていく。

蒼真と凛太郎の再会。

それは、蒼真にとって大きな試練となる。

だが同時に、自分の成長を証明する機会でもあった。

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