46 宴sideフクダ一世
46 宴sideフクダ一世
水魔城大広間で使節団歓迎の宴が催された。
フクダは色とりどりの料理が運ばれるのを見て、食欲が出てきた。
隣で使節団代表のライオネルと歓談した。
ライオネルの叔母であるホーリーナイト神聖国の第一王女ミアも列席し、宴が盛り上がりを見せる。
「ミア、我が国の食客となる気はないか?
お前ほどの力量を持つ冒険者を雇わない手はない。
お前は使える。究極魔導眼の力を私の為に生かすのだ」
フクダに促されてミアは一瞬戸惑いを見せた。
「陛下がそう望むのならば、私は構いません」
ミアは戸惑いを隠して了承した。
「……そうか。これよりはミア殿下を食客とする。
ところでライオネル、我が配下になって心境はどうだ?」
「素晴らしい心境ですとも。
偉大なる陛下に仕えることが出来て僕は嬉しいですよ。
そう。嬉しいね。嬉しいよ」
この二人の言葉を聞いて、フクダは心の内で洗脳完了と呟いた。
やはり、洗脳スキルは使える。
洗脳を重ね掛けして、二人はフクダの虜となった。
「ミア殿下とライオネル……どちらが強い?」
フクダは宴の余興として二人を戦わせることを思いついた。
予想としてはミアに買って欲しかった。
ライオネルは生意気なフリーダにそっくりだったからだ。
「神速のかまいたち!」
ライオネルは素手で斬撃の刃をミアに飛ばした。
斬撃の刃は無数にミアを襲い続ける。
ミアはものともせず超人的な動きで躱し続ける。
フクダはそれを目を見張るように感心した。
「小癪な! 僕の最強のかまいたちが通じない!?」
「お前の攻撃は全て見切った。
究極反応のスキルで反応速度を研ぎ澄ましたのだ」
「今度は此方から行くぞ! ショックウェーブ!」
全てを破壊する衝撃がライオネルの全身を砕いた。
通常の人間ならば至近距離で受ければ粉々になるほどの絶技であった。
「うがああー! この最強の僕が、叔母ごときに!」
「はははは―ッ! どうだ、小童」
全身を叩きのめされたライオネルは畜生と呻いた。
「なんてね。僕には超再生と言う自己再生の上位スキルがある」
全身を完全回復させたライオネルは再び戦線に復帰した。
フクダは良いスキルを持っているな、とライオネルを刮目した。
「そこまで! お前たちの力量は分かった。
今宵は宴だ。良い余興であった」
フクダは最強レベルの二人を見て、最高戦力が二人も手に入ったと悦に浸った。
「お前たちは我がウォーター連邦の最高幹部にする」
最高幹部に任命された二人は大喜びした。
――馬鹿め、洗脳されているとも知らずに。これで確信した。
洗脳されやすい二人だと……。
フクダは二人を最高幹部にして使い放題。
良いことづくめで自分に出来ないことは何もないと栄華を極めるのであった。




