42 神皇女の思惑side神皇女
42 神皇女の思惑side神皇女
神皇国ゴッドパレス――。
神皇女は玉座で欠伸をしながら究極魔導眼を駆使して魔導アース全体を隈なく見ていた。
そこでフリーダ以外に見所のある人物はいないかなと探していたが、見つかった。
転生者フクダ一世と甥のライオネル……はっきり言って尋常ではない。
まず転生者フクダ一世は召喚術にたけている。
SS級どころか、神話級の魔物も平然と召喚できる恐るべき女性だ。
しかも何時でも繰り出せるようにしまえることも出来るのだ。
正に魔物マスターと言っても過言ではないであろう。
第三勢力であり、世界一の大国であるホーリーナイト神聖国の支配から脱却した国の女王である。
――それにしても面白いことを聞いた。
不老不死の首飾りを身に着けているだと?
何としてでも私がひったくってやる。
不老不死の首飾り……神皇女は狙いをつけ始めた。
伝説のマジックアイテムなのであろうが、絶対に手に入れてやると神皇女は願った。
神皇女は正に極まった女性に成長したが、不死ではない。
老いる時が必ずやってくることに焦りを若干覚えた。
ハイエルフという長命種であるフリーダ様が羨ましかった。
最悪、不老不死の首飾りが手に入れられなくてもフリーダ様の体を乗っ取る方法がある。
フリーダ様の精神と記憶を消去して乗っ取る伝説魔法があるのだ。
しかし、慕い敬っているフリーダ様にはそんなことはしたくはない。
それにしてもフリーダ様の新技、フリーダトラップは有用だ。
――恐らく、フリーダトラップは女性にしか扱えまい。
相手の視神経を外して、気絶させる技とはフリーダ様とは何と恐るべきお方だ。
フリーダ様の様子は随時見続けなくてはならないと思った所で、意識をライオネルに切り替えた。
ライオネル……フリーダ様と自分の弟ルイスの間に産まれた子だ。
若干13歳ながら武芸も学問も超一流の天才。
いや、天才の範疇に収まらない。
傑物中の傑物……神皇女は久しく震えが止まらなかった。
まさか私でも敬意を払う魔導アース最強の武人と謳われる戦神に模擬戦で勝利するとは。
あの年であそこまで超然と出来るものなのかと、神皇女は首を傾げた。
――我が甥ながら恐るべき人物だ。
表情一つ変えずに戦神を完封した。
極めつけはもう興味は無いと言い切っただと?
余りにも卓越しすぎている。
ミアとは大違いだな、と思ったが、ミアも着実に成長している。
「ミアの奴……私と同じ26歳。
私の目測では身長177まで成長している。
あんなに小さかったのに……マジで双子の姉である私よりもずっと高い。
ミアの奴……一族の恥さらしだと思っていたら、かなり出来るどころか、私よりも強い!」
またしても震えが止まらなかった。
玉座で安穏と過ごしてきた自分と、冒険を繰り返していた妹との差だ。
どうしてここまで差がついたのだと神皇女は呆気に取られていた。
「神皇女様、私にお命じ下されば妹君を……。
剣士では私には勝てますまい。この古の剣神ブレイブに勝てる剣士はいない」
ブレイブは神皇女に跪いて、拳を両手に合わせて下知を待っている。
「そうだな……お前にミアの様子を見てもらいたい。
ゆけっ! ミアの元に。だが、傷一つつけることを禁んずる」
神皇女は跪く剣神ブレイブをミアに嗾けることにした。
妹の様子は逐一見ているが、努力して成長している。
やはり、晩熟型だったか、と神皇女は結論付けた。




