39 フリーダの冒険sideフリーダ
39 フリーダの冒険sideフリーダ
ウォーター連邦――。
フリーダと水神スイは冒険者登録を行った後、冒険者組合を後にして町を出た。
街道には最近、うようよと強大な魔物が頻発して出没している謎現象が起きていると町人から人づてに聞いた。
何故だかは分からないが、SS級の魔物が横行し、生半可な冒険者が倒されているらしい。
死者が大量に出ている今のウォーター連邦の街道はデスロードと言われている。
SS級と聞いてフリーダの超頭脳から導き出された答えは、
――やはり、高位魔物が蒔かれているのだ。
顎に手をやり、フリーダは成程な、と唸った。
「フリーダ様、やはり高位魔物が蒔かれていると私も同じ読みです」
「スイ……お前もそう読むか」
フリーダは迷うことなくスイを洗脳支配することに成功していた。
抜かりはない……気を抜いてボロが出ても困る。
フリーダは1200年の時を経て、極大洗脳支配と言う強大無比な力を手に入れたのだ。
遂にフリーダは念願だった魔導眼を手に入れた。
元から持っている極大洗脳支配を行使できるフリーダは異次元の存在へと昇華した。
フリーダは魔導眼が爛々と輝いている左目を優しくナデナデした。
水神スイ……この人間は素直に使えると思った。
究極魔導眼を持つというから有能。
普通、魔導眼使いには洗脳は通用しないが、フリーダの極大洗脳支配は違う。
至近距離からスイの脳に働きかけて洗脳しているのだ。
最早、SS級の魔物なんか恐れる必要がない。
女王クリスタルの鉱物魔法も当然、使えるのだ。
よってフリーダには死角がない。
1200年の長き悠久の時を生きているので、権謀術数に長けている。
大国の王女として君臨してきた過去があるフリーダは知力にも自信がある。
フリーダに出来ないことなど、存在しない。
「この私に不可能はない」
己に酔うフリーダはスイと共にSS級魔物狩りを行った。
「一狩り行こうか」
「そうだね。フリーダ様の為にね」
フリーダ達の目の前に魔法陣が蠢き、突如として出現したのはアルティメットベヒーモスだった。
ランクはSS級。
今のフリーダにとっては雑魚同然。
アルティメットベヒーモスは鮮やかな青艶の体色を基調とした五メートルを超える巨躯の魔物である。
漆黒の角が生えており、その角から極大雷魔法を放つことが出来る。
ガギン! ガギン! ガギン!
「ぐおおおー! ぎゃおおおー!」
その咆哮は周囲を圧倒し、木霊となって木々を薙ぎ倒す程の風圧を放つ。
極大の重圧が巻き起こり、爪牙がフリーダの喉笛を欠き切ろうとする。
「雑魚が。フリーダトラップ!」
フリーダの究極魔導眼の左目の能力……対象となる魔物の眼に働きかけて、視神経を外す凶悪スキルである。
両目の視神経を外されたアルティメットベヒーモスは目から血の涙を流して瞬く間に気絶してしまった。
恐るべきフリーダトラップ……。
「流石はフリーダ様だね。流石だよ」
ぶっ倒れたアルティメットベヒーモスを見下ろして水神スイは手放しで称賛して拍手した。
しかし、その眼は笑っていない。
無機質な取ってつけたような顔をしているのが異様である。
全てフリーダトラップを使えば魔導アース無双である。
凶悪なフリーダトラップは大いに猛威を振るった。
フリーダはまさかの究極魔導眼の能力で大当たりを引いた。
左目だけ究極魔導眼の為に当たりを引く確率が少ない。
だが、フリーダは大当たりを引いた。
――私に勝てるもの等、最早存在しない。
忌々しい神皇女も私のフリーダトラップの前に怖気出すに決まっている。
水神スイを従え、フリーダトラップを扱えるようになったフリーダは調子に乗り出す。
自分に勝てる存在など永久に存在しない。
最初はスイを洗脳する気はなかった。
だが、気が変わった。
水神スイ……この小童は私に色目を使った。
そんな奴など、願い下げと言う腹である。
ウォーター連邦は自分の物。
向うところ敵なしであった。
フリーダの長い鼻が伸びあがるかの如く、フリーダトラップは猛威を振るった。
ハイウロボロスも、ダークネススネークもSS級の魔物はフリーダの前に地に付していく。
フリーダはいつしか左目の究極魔導眼をナデナデするのが癖になる程であった。




