30 地獄絵図sideミア
30 地獄絵図sideミア
エルフ国第一王女フリーダ姫が捕虜となり、ハイエルフ軍は敗れた。
国門が打ち破られ、ワラワラと人間どもが侵略と略奪。
非抵抗の非戦闘民であるハイエルフは虐殺され、楽園は血の海と化した。
ハイエルフ女王クリスタルは自害。
その親衛隊は後を追った。
ハイエルフ軍が敗れた後の混沌の楽園を見てミアはこれが戦だと知った。
ミアは堪らずその場を去ろうとして、一人の少女に声を掛けられた。
「お前は、ハイエルフではないな。何処か、トムの面影を感じる」
「その出で立ちは伝説の勇者様? 私はミアと申します。トムは父の名でした」
「……そうか。トムの娘か。ここは最早、楽園ではない。
ローズ様も略奪は懸念していたが、ここまでとは。人間の愚かしさを感じるな」
勇者ライラは略奪行為にお怒りの様子であった。
人間とハイエルフ、どちらが悪なのか分からない。
ミアの人嫌いは相変わらずだが、自分以外の全てが愚かしくて仕方がなかった。
「私と共に来るか?」
そう言ってライラは手を差し伸べた。
自分を妹のように思ってくれたダリアはもういない。
その手を取るのにミアは考えるまでもなかった。




