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28 追い詰められた大魔王軍。最後の将sideアイスジェネラル

 28 追い詰められた大魔王軍。最後の将sideアイスジェネラル



 量産型の将軍であるアイスジェネラルはアレク軍とリーヴァイ軍が崩壊したのを知って動揺を隠せなかった。

 アイスジェネラルは映えある大魔王軍の第三将である。

 大魔王軍は三軍で構成されていた。

 最も軍団の規模が多いのは第三軍の兵力五万。

 だが、アイスジェネラルは大魔王コールドの超魔力で生み出された量産型の将軍。

 いわば使い捨てである。

 魔族の犬っこと詰られる事も常である。


「将軍! アレク軍とリーヴァイ軍が敗走! 将軍! 一体我らはどうすれば!?」


 アイスジェネラルは大将軍の天幕で、盟主であるローズとコールドに挟まれる形となった。


「アレク軍とリーヴァイ軍が次々にやられた。

 もう残った将軍はアイスジェネラルしかいない。

 アイスジェネラル! お前が残る全軍を指揮して国門を落とさなければ魔王軍のメンツにかかわる。

 五万の兵で一気に国門を落とせ! 我が生み出した氷の軍団を奴ら、エルフに見せつけよ!」


 大魔王コールドは苛立っていた。

 エルフ国第一王女、傲慢なるハイエルフであるフリーダは思いのほか強かった。

 リーヴァイは後で超魔力により、復活させることが出来るとはいえ、将を二人も失ったのは大きかった。

 大魔王コールド自身が動くことは稀である。

 何故なら、氷神形態とは異なり、究極体は自我が不安定である。

 だから三軍を連れてきた。

 そのうちの二つの軍が崩壊……魔王軍のメンツに関わるのである。

 それにハイエルフが暮らす土地は肥沃な土壌で正に楽園……エルフを滅ぼしたならば切り取り放題。

 ハイエルフの楽園は何としても魔王軍は欲しかった。

 その意を汲み取ったアイスジェネラルは遂に重い腰を上げた。

 アイスジェネラルは氷の軍団を五万人率いて参戦。

 エルフ国国門を攻めたのだが、戦況は膠着状態。

 アイスジェネラルはフリーダと直接抗戦する愚を避ける賢い将である。

 この戦いで功績を残せば大魔王コールド様より、直々に名前を授けられる栄誉が贈られる。

 それを掴むのにアイスジェネラルは必死だった。

 アイスジェネラルの人格には歴史がない。

 生きた証が欲しかったのである。

 攻城兵器も駆使して総出で攻めたが、一向に国門は落ちる気配がない。

 ならば……とアイスジェネラル軍は一万を国門に攻めると見せかけて、

 残りの軍をフリーダだけに狙いを定めた。

 フリーダは国門の頂きで優雅に佇んでいる。


「フリーダだけに狙いを定めよ! お前たちは使い捨ての兵士……替えが利く」


 そう。アイスジェネラル軍は使い捨て。

 だから、死を恐れない。アイスジェネラルも死を恐れている訳ではない。

 効率よく戦い、戦果を残し、功績をあげてネームドの魔族に名を連ねるのだ。

 大量の矢で弓攻撃を仕掛けてもフリーダは異様な動きで躱し続ける。

 だが、自分が直接フリーダに挑んでも勝てない。

 それは分かり切っている事だった。

 フリーダを疲れさせ、疲労のピークに全軍団を結集して討ち取る。


 ――フリーダめ……量産型の将軍である我よりも最も高貴な生まれ……その顔が絶望する所を見てみたい。


 アイスジェネラルは一気呵成に攻め立てた。

 ハイエルフ軍は一人一人がAランクの実力者。故に手練れで脱落者が出ない。

 この戦いはフリーダを討ち取れば連合軍の勝ちは決まる。

 それほどまでにハイエルフ達にとってフリーダは絶対的な存在であった。

 そして敵副将剣王ダリア……剣王ダリアはフリーダの妹であり、剣神国で名を馳せていた。

 ハイエルフ軍は剣王ダリアをどのタイミングで繰り出してくるのかが肝要である。

 アイスジェネラルも剣王ダリアの存在を危惧していた。

 ハイエルフ軍は剣王ダリアがいる事で常に余力を残している。


「アイスジェネラル……量産型の分際で中々やりおる。

 我がハイエルフ軍も多少削られてきた。剣王であるダリアを出せ!」


 フリーダは檄を飛ばし、妹であるダリアを出撃させた。

 アイスジェネラルもこれを好機と見た。

 ダリアならば討ち取れる……所詮は剣王。

 アイスジェネラルは量産型の将軍とはいえ、魔王軍第三将にして五万の兵力を掌握する存在。

 それだけに自信があった。抜かりはない。必ず討ち取る。


「剣王ダリア、いざ参る! 敵将、勝負! 勝負!」


 剣王ダリアはハイジャンプして国門から眼下に降り立ち、アイスジェネラル軍と交戦。


「剣王ダリア! この私と一騎打ちと行こうではないか」


 アイスジェネラルは矛を構えて、円陣を組み、ダリアと対峙する。

 両軍が円陣を組み、その中で一騎打ちをするのが魔導アース世界の流儀であった。


「剣王ダリア! 小娘の分際でこの私に一騎打ちを挑むとはな」


「御託は良い。我が剣、受けてみよ! 両断の剣戟」


 両者の得物が交差する。それは一瞬であった。

 ダリアの剣がアイスジェネラルの首を呆気なく刎ね、一騎打ちはダリアの勝利で終わった。

 アイスジェネラルは死の間際、やはり、ハイエルフ軍は精強にして無敵と悟るのであった。

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