13 動乱の予兆
お待たせしました。
ブックマーク宜しくお願いします。
13 動乱の予兆
トムとローズの子は無事に生まれた。
王女であった。
名前はミアと名付けた。
新緑の髪色にトムとローズの面影……。
魔族の特徴は有してはいなかった。
トムは内心ホッとした。
娘には戦いの道に進んでほしくはなかった。
王女ミアの誕生を祝しての国民総出のお祝いは二か月にも及んだ。
国民は皆、王女の誕生を祝福していた。
「王女様万歳!」
「ホーリーナイト神聖国万歳!」
「国王様万歳!」
王族に対する称賛は浴びるようだった。
しかし、そんな中に一つの動乱の種が舞い込む。
「国王様! イーグル王国で政変が起こりました。
現在の国王ライオネル陛下が崩御し、第一王子と第二王子で争いが起こり、第二王子は亡命を願い出ています」
その報告にトムは愕然とするも、表には出さなかった。
イーグル王国はトムの出身国。
小国ながら、先王の剛腕を以て治めていた国だ。
第二王子が我が国に亡命を申し出たという知らせにトムは顎に手をやり考える。
「まずは第二王子を謁見の間に呼び寄せてくれ」
「御意!」
トムは謁見の間の玉座に鎮座する。
両脇に最大戦力である戦神と剣神を侍らし、その一歩前に宰相であり、聖女ミラベルと最強の聖騎士クリスティンを配置する。
ローズはトムの隣で緊張の面持ちで状況を把握しようと努めている。
「お初にお目にかかります。イーグル王国第二王子カイルで御座います」
カイルはやつれた顔をした青年であった。
「僕がホーリーナイト神聖国国王トムだ。まずは話を聞かせてくれ」
魔眼で示威し、言葉を促した。
誰の眼から見ても驕りの心が垣間見える。
「はい。第一王子であるルーカスは大魔王コールドを後ろ盾としています。
大魔王の軍勢に成す術がなく亡命した次第です。陛下のお力をお借りしたいのです」
カイルはその場に跪き、トムの助力を請うた。
お人好しのトムは承諾した。
「良いでしょう。
僕が、ホーリーナイト神聖国四天王を従えてイーグル王国に赴き、君を王にしてあげるよ」
「有難き幸せ……」
こうしてトムは四天王……戦神、剣神、聖女ミラベル、聖騎士クリスティンを従えて出立するのであった。




