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11 神隠し(アレクサンダー)

 11 神隠し(アレクサンダー)



 魔将アレクサンダー改め、魔神アレクはイーグル王国とホーリーナイト神聖国の国境付近の丘で新聞を眺めている。

 その内容はアレクを大いに沸かせてくれる者であった。


「俺の息子とはいえ、十歳の小僧が国王だと世も末だ。

 だが俺の目論見通り魔眼を開眼したようだな。大魔王を嗾けといて正解だった。

 獅子は我が子を谷底に落とすという……それに倣ったのだが。

 こうまで上手くいくとは思わなかった」


 アレクは息子であるトムの魔眼を開眼させるためにフクロウ村に大魔王を嗾けた。

 それが上手くいったことで我が意を得たり、と思わず拳を握り締めた。


「やはり、愚かな亡き我妻、カトリーナの血か……」


 実はアレクは魔眼を持っているが生粋の上位魔族ではない。

 魔眼を持っていた妻、カトリーナの眼を譲り受け、自分の眼に移植したのだ。


「そして手に入れた。最強の力を!」


 アレクは魔眼を爛々と輝かせる。

 トムが国王の座に就くまでアレクは何もしていないわけではない。

 アレクはとある組織を作っていた。

その名は『神隠し』。

 神隠しの目的は魔王により封印されている世界を無に帰すと言われる最強の魔物魔神獣を復活させることだった。

 魔神獣を操れるのは魔眼を持つものだけ……。

 アレクはその為に妻であるカトリーナの命と引き換えに力を得た。

 魔神獣を操れば、邪悪な驕りの心を持つ息子を改心させることが出来る。

 だが、魔神獣の封印を解くには強い力を持つ者のエネルギーを奪い、魔神獣の器に注ぎ込まなければならない。


「トム! お前のエネルギーを奪いに我が組織『神隠し』のメンバーを送り出すぞ!」


 アレクは冷酷無慈悲にも人を虫けらと心の内で蔑む息子を改心させる事しか思っていなかった。

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