執着残留
花が破裂する度僕の心は惨めになる。
元親友との三年ぶりの再会。会話はあっけなく代理での物売りを受けた。彼は用事があるからと物を渡し終えすぐさま帰路へ着いた。
用事、花火大会、別の仲間。
中一に不登校となって彼から遊ぶのを断られたときは、必死になってメッセージを送ったものだ。返事はこなかった、裏切り、初の体験。
何故だ僕と一緒にいると周りからの目線が気になるとかそんな小さな要因なのか。僕達の関係はその程度だったのか。
その後冷静になった僕はメッセージを送るのをやめ、虚無の二年半を過ごした。何とか通信制の高校に入学できたが、そこは孤独な空間だった。
出身がまばらで休日に遊びに行ける程の距離でもなく、入学前からのグループで絡むものが多かった。
求めた過去の親友を、欲しいあの時過ごした思い出を超える時間を。
数年ぶりにメッセージを送った。代理で物を売らせてと。軽い話題を種に会うまでこぎつけようとしたが案外これが上手くいった。
たとえどちらに転んでも関係を清算できる。これだけで十分だ。
嘘
連絡をとり家に来てもらうことになった。掃除やら、身だしなみ、異性と遊びに行くわけでもないのに妙にはりきっていた。
だがそんな努力も空しく要件を終えるとすぐさま行ってしまった。多少の喪失間はあったが、虚無の二年半が精神を成長させてくれており思っていたよりも平気だった。
直ぐ様時間は過ぎ夕食を食べ終え、日課となっていた夜の散歩。ついでにコンビニに、荷物を発送しにいく途中頭上で閃光が走った。遅れて破裂音が響いた。
花火大会今日だったんだ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、この向こうで多数の人間が多幸感に包まれているのか。周りに視線をやると八時という時間に多くの人の視線が空へ向けられていた。
坂を降りている途中、上へと上がるものがいないことに気づいた。何だよ、もし花火が終わるまでに事が終わったら、見下されるような視線を浴びながら上に上がるのかよ。
花火から目を背け唸り声のようなものを発しながら歩いた。
マンション一室一室に灯が灯り各階に花火を眺める住人がちらほらいた。一ミリでも負の感情を与えるため真ん中をフラフラと挙動不審に歩いてみせた。
ぱっとみ中学生に見える子供が花火の見える真反対へと向かう様子は気になるものがあるだろう、慢心的に勝手に勝った気分でコンビニに向かう。
コンビニにつき事を済ましている中で元親友を意識した。用事、、花火大会のことか。僕の知らない間に別の仲間と。
身勝手な考えを導きだして勝手に怒って、咎められる立場でもないのに。もういいかな。
帰り道まだ一向に花は止む様子もなく人々の目の中で輝きを灯している。坂、向かいにいる人々はきっと自分とは正反対の気持ちだろう。
ハイビームが体全体を包むこの瞬間はセンチメンタルな気分になる。自分は一人でいるとダメだ。考えないようにしていたこと、目を背けていたことが目の前に佇む。
好きなこともやる気も何もない、その日の気分で左右される人生は疲ればかりが蓄積する。
家も近づいて来たころ、後ろから自転車が通り過ぎた、声をかけられた気がするが気のせいだろうか。
雑音も止み、公園のベンチに座りアイスコーヒーを飲む。大して好きでもないのに、カフェインでも酔えないのかな。
僕は大人になりたいな、チープで簡単に買える嗜好品で現実をみないために。