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狐様小説の情報保管庫  作者: 狐っ子舞々
魔法などの特殊能力
8/11

和風月名・魔法の種類

 

 ◇異世界・力の根源。

 ・和風月名


 異世界・グレヴィトスには現実世界には存在しない異質な"魔法体系"が存在している。


 己の出生の月に応じて、その月に割り当てられた魔法の才能が本人の身体に宿るとされている和風月名。


 例えば、炎の魔法が()()と言うならば、その人間は他の魔法よりも、炎の魔法だけを簡単に極めることが出来る。


 この世界の魔法──その摂理に従った道を選ぶなら、その人間は比較的、容易で強力な力が手に入れることが可能だ。


 摂理に反した道を取るというのは、己の素質を溝に捨て置くようなもの。

 才能を捨て、我が道を行こうと適性魔法以外を極めようとするのは修羅の道。


 生まれ持った素質で左右されるが、そもそもの話、魔法自体を扱う事は容易ではない。


 杖を通じて発動させる魔法は、魔導剣士が使う魔法よりも威力が高い⋯⋯それ故に魔法使いも多い。


 摂理に従った人間は上級魔法を繰り出せるのに対し、反した人間は人一倍、血を吐く思いをしなければならない。


 力を宿せなかった者も存在する《グレヴィトス》ではこう言った事が起因しており、格差が激しいのだ。


 ただ修羅の道とは言えど、極められない事もなく⋯⋯独自の魔法を生み出した者もいれば、適性じゃない魔法を極める人間も。


 摂理に従う事で強力な力を身につけるか、我が道を行き、好きな魔法を極めるかは人それぞれ。


 この話では、その月に生まれた人間が宿る適性魔法を深く解説していこうと思う。

 


 〜



 1月:睦月(むつき)

 ◇白光の魔法


 1月生まれは《白光魔法》が適性となる。

 主人公が扱うこの魔法だが、何故か《白魔術》に限りなく似た魔法である。


 僧侶の精鋭にのみ紡がれてきた言い伝えであり、白光魔法を知る者は数少ない。

 スアビスはその言い伝えを知っていた人間の1人。


 謎に包まれたこの魔法。


 《白魔術》は治癒魔法同様、味方にバフ効果を付与できるのだが⋯⋯《白光魔法》はどちらかと言えば、物理的に仲間をサポートできる。


 光を発することで、敵の攻撃を無効化する強力な結界を展開できたり、《セイクレッド・ランス》のように武器を生み出す事も可能。


 《白光魔法》は知る人ぞ知る魔法のため、その力は未知数の領域。


 《白光魔法》の適性の1月に生まれた人間の大半は、何の因果か、適性が《白魔術》になったりと不可解な点が多い。


 その不可解な点は、白光魔法が世に広まらない所以でもある。



 〜



 2月:如月(きさらぎ)

 ◇漆黒の魔法


 《白光魔法》と対極するは、漆黒の魔法。


 底知れない"()"の力を秘めた漆黒の魔法、こちらも《白光魔法》と同様⋯⋯精鋭にのみ紡がれてきた古の魔法。


 適性者が数少ない漆黒の魔法──それは《黒魔術》の完全な上位互換と言っても過言ではない。


 自分の斬撃やあらゆる攻撃手段に闇を与えることが可能で、その攻撃を受けた人間は⋯⋯その傷口から体全体を蝕まれ、侵食される。


 生命力を奪っていく闇は、漆黒の魔法のみぞ保有する最強の存在であり、黒魔術では到底発動するに至ることが出来ない。


 闇の力で武器を劣化させたり、人間だけでなく植物などの自然⋯⋯あるいは、動物でも生命力を奪うことができる万能の力。


 ⋯⋯そして、その生命力を己の魔力に変換させられる。


 治癒魔法や他の魔法に力を借りずとも、魔力を回復できるのは漆黒の魔法だけの能力。


 強力すぎて危険とまで言われる漆黒の魔法は、対極する白光魔法と共に失われたという⋯⋯。


 はるか昔のグレヴィトスでは、漆黒の魔法が猛威を振るっていた⋯⋯僧侶の中では、そんな噂が絶えることは無かった。



 〜



 3月:弥生(やよい)

 ◇炎の魔法


 身体に潜む猛炎を魔力で出現させる。

 "第五大魔法"の1つ。


 炎の魔法は名の通り、温度が高い炎を存分に操ることが出来る。

 下級魔法なら火の玉を飛ばすファイアボール、周辺を焼き尽くせる火炎放射など。


 魔法の中で最も殺傷能力があり、パーティーには必ず1人は組み込まれる火力源であると共に、その汎用性の高さから使い手も数多い。


 要塞や建物などの破壊にも適している故に、戦争時には必須の魔法とも言われている。

 戦争の際に軍が1番に採用する魔法なのだ。


 ⋯⋯これに酷似しているナコの炎妖術があるがこの話では解説はしない。



 〜



 4月:卯月(うづき)

 ◇大地の魔法


 第五大魔法の一環であり、自然の力を自在にコントロールできるとされる大地の魔法。


 炎の魔法が攻撃に適しているのに対し、大地の魔法は敵を妨害する事に長けている。


 自然に存在しうる全ての災害を引き起こせると言われる大地の魔法は、12の魔法きっての多様さ。


 発動できる魔法は無数にあり、言ってしまえばどの魔法よりもポテンシャルを秘めていると言えるか。


 魔法の一例を上げるとするなら、竜巻に匹敵するほどの強い暴風を発したり、動物の力を模した技など。


 使い手の練度によって威力が異なってくるが、国に災害を起こす事が出来たりと、魔法の規模が大きい。


 それ故に直接的な攻撃手段が少なく、真っ向の戦いや一騎打ちでは苦戦を強いられるので、使い手は常に仲間を引き連れている。


 仲間のサポートで()()を発揮する魔法、それが大地の魔法だ。



 〜



 5月:皐月(さつき)

 ◇雷の魔法


 第五大魔法屈指のスピードと汎用性を誇る。


 皐月生まれが適性である雷の魔法⋯⋯稲妻を身体に宿らせたり、天から雷を振らせることができるなどと、1番魔法らしい魔法。


 筋力に稲妻の熱を与える事で、人を超えた()()()を手に入れるのだ。


 スピードを倍増させるバフでも、稲妻を宿らせた人間には追いつくことは不可能。


 剣技や武術⋯⋯人間が生み出したその全ての戦闘技術に併用して使用できる唯一の魔法である。


 魔法のみの攻撃手段が乏しい事から、使い手の実力によって委ねられてしまう事が欠点。

 とは言え、魔法自体が相当な強さを持つことは間違いない。



 〜



 6月:水無月(みなづき)

 氷の魔法


 第五大魔法。


 殺傷能力、妨害力⋯⋯2つの持ち味を適度に併せ持つ氷の魔法は、冒険者からの人気が高い。


 炎の魔法よりは弱いが、十分に強力な殺傷能力⋯⋯。大地の魔法には劣るものの、敵を硬い氷塊で食い止められる妨害力。


 全てはふたつの魔法の中間の能力を兼ね備えており、戦闘も味方のサポートが出来るなど、幅広い場面で活躍できる。


 鋭利な氷を創造し、新たな武器を生み出して戦略を広げたりと、とにかくバランスの取れた能力を持つ。


 ⋯⋯時に、勇者のパーティーに所属していた氷の魔法使いは、氷龍を召喚したとも言われている。



 〜



 7月:文月(ふづき)

 ◇時の魔法


 覚えることがどの魔法よりも多く、複雑であり使いこなすのが極めて困難な時の魔法。


 極められるのは適性人間、100人に1人と言われるレベルで⋯⋯名を上げた使い手は《グレヴィトス》には、1人として存在しない。


 使い手の少なさ故に、時の魔法は解明もされずじまい。使用出来る技というのは世に知れ渡っておらず⋯⋯。


 ────確実に使える技はひとつ、未来を透視することだけ。



 〜



 8月:葉月(はづき)

 ◇治癒の魔法


 炎の魔法に次いで使い手が数多い魔法。


 自分や仲間をヒールし、怪我を直したりと、やれることは味方のサポート一筋。


 上級魔法になるに連れて、回復できる限界量も増えていったり、持続的に回復できる召喚陣を展開できることも。


 そして治癒魔法は女性の僧侶に多い傾向があり、治癒魔法と僧侶は相性抜群。


 その良すぎる相性を拍子にして生まれた特殊効果というものが存在しており、僧侶によってその特殊効果が異なる。


 ここはひとつ、わかりやすいように例を上げておく。


 《(みどり)の僧侶》スアビスの特殊効果は《持続回復》

 《(みず)の僧侶》マミュネスの特殊効果は《体力促進》


 このように、僧侶は各々が異なった特殊効果を持ち合わせている。

 戦況を制する遥かに有用な物もあれば、使えない物も⋯⋯。

 そこは生まれた時の運に左右されるのだとか。



 〜



 9月:長月

 空間の魔法


 時の魔法と同等に人数が少ない、希少な魔法⋯⋯空間の魔法。


 魔力で自分だけの結界を作り出し、その結界の中でのみ、時の魔法の強みである技を繰り出すことができる。


 時の魔法とは違って『難易度が高い』からではなく『弱すぎる』事が起因して、使う人間は極小数。


 結界を作り出し、自分の土俵を作り出す。

 それまではいいのだが⋯⋯敵に結界の外に逃げられれば最後。


 空間の魔法の使い手は満足に能力が使えない凡人に変り果ててしまう。

 相手にとっては赤子の手をひねるようなもの。


 結界内では最強、結界外では最弱と極端な魔法である事だけが有名⋯⋯時の魔法の使い手も名を上げたことは1度もない。



 〜



 10月:神無月(かんなづき)

 ◇召喚の魔法


 魔物や眷属を自分の仲間として召喚できる、凶暴な魔物を仲間にできる唯一無二の魔法。


 これはテイムに近いもので、たとえ龍のように凶暴な魔物であったとしても、戦いに勝利すれば高確率で仲間にできる。


 戦わずして眷属にする方法もあるにはあるのだが、それは魔物が合意の上でしか発動できない手法だ。


 使い手が仲間にできる魔物の数は最大で三体、同時召喚は不可能で1匹のみ戦場に呼び寄せることが出来る。


 もちろん召喚維持にも魔力を消費するため、魔力の内在する量が多い人間ほど、優れた魔物を召喚可能。



 〜



 11月:霜月(しもつき)

 ◇白魔術


 治癒魔法のように味方を回復したり、バフ効果をかけたりと⋯⋯治癒魔法と役割は被ってしまっている。


 治癒魔法と白魔術の決定的な違いとしては、回復量と付与できるバフの種類⋯⋯そして人数。


 白魔術に比べて回復量が軒並み多い治癒魔法だが、付与できるバフと一度に回復できる人数が少ない。


 回復役は治癒魔法、バフ役は白魔術と両方の魔法の使い手をパーティーに組み込むタイプも多い。



 〜



 12月:師走(しわす)

 ◇黒魔術


 敵にデバフ効果を与え、徐々に生命力を奪う効果を持つ魔法⋯⋯。


 闇を扱える漆黒の魔法の完全なる劣化となってはいるが、そもそも漆黒の魔法の存在は世間に知られていない。


 そのため、不遇の魔法ということはまだ誰も知らない。


 漆黒の魔法と能力自体は一緒なので、今回は説明を省かせていただく。



 〜



 本来、白光の魔法と漆黒の魔法が適性となる1月と2月生まれ。

 不思議な事に、その月に生まれた殆どの人間の適性は⋯⋯白魔術か黒魔術。


 白光の魔法として覚醒を果たせた主人公は⋯⋯現実世界に生まれた人間だからなのかは分からないが⋯⋯。


 白光の魔法を、満足に使いこなせる人間の誕生は異世界グレヴィトスでは異例中の異例である。



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