2部 『備考1・5』キャラ設定はキャラの行動が語る
備考1と備考5に関連する物です。
主に設定と創作論の複合と考えてください。
こんな事考えると面白い話が出来るかも?
人の第一印象は出会った時に決まるらしい。また、第一印象で全ての評価が変わってくるものだとか。
キャラクターは常に動いている。友達や家族が凄い凄いと言っても、1話で見た主人公の印象は中々変わらないよねって話。
学校でアイドル的な存在が居たとして、ある日放課後。数人で他人の悪口を喋っている団体の中に居たらどう思う?
見たその人はその子への評価を下げるか、疑うか、上げるか。でも大体は最初に話をした印象で決めるんじゃないかと思う。
例えば、もしその子と1対1で喋った時。
笑顔で嫌味を言う人だったなら『やっぱりこういう人なんだな』と思う。
逆に根は素直で純粋な人だったなら『言わされてるのかな?』と少し疑問に思う。
あるいは『こんな奴だとは思わなかった』などなど評価が分かれるだろう。
それは小説だろうと漫画だろうと変わらない。
第一話にて、主人公が笑顔で街を襲い虐殺の限りを尽くしていた。
第二話で、冒険者になって人助けをして正義に目覚める。
第三話は、裏切られたから仲間を殺害して切り替える。
こんな話がありえるだろうか? いや無いとは限らない。しかし、何かが足りない。そう、設定がよくわからないんだ。
第一話で主人公は呪われていて、記憶が無い状態で定期的に暴れ回る。しかし、普通に中身は親切な人だ。
第二話は、武器の買うお金が無いからパーティーを組んでそのパーティーと盗賊を殺して人を助けた。
第三話にて、パーティーが探してる虐殺犯が主人公だと見抜かれ殺されかけてやり返す。
と文章で言われた所で印象は『はぁそうですか、でも結局人殺しだよね?』ぐらいしか出ない。
地の文程度でそう言われても、結局の印象は変化しない。裏で大量虐殺してる殺人鬼には変わりなく、それが普通に彼がやっている事だという証明にもなってしまう。
その過程の行動で、どうだろうか。
第一話で、大量虐殺した主人公は治したいと説に思うものの、現状で治す事が出来ず泣く事しか出来ない。
第二話にて、せめてもの償いでやれる事、人助けをしたい。いつ暴走するか分からない為、外で暴れられる冒険者を選んだ。
第三話は、主人公は呪いのせいだと必死に、弁明しようとするが彼らは聞き耳を持たず殺そうと襲いかかってくる。抵抗せずには生きて帰れず、その上呪いが暴走をはじめた為殺してしまった。
こう言われれば、苦いものの印象は違う。また、なんとかしようという意思があると分かる。
そして3つ目が無い状態で投げられてしまうと、印象が悪い方向と良い方向で理解する人が出てくる。
『仕方が無い』『人殺ししておいてよく平気だな』『なんとか出来なかったのかな?』と印象が分かれるのではないか。
そうなると、自ずと文章の受け取り方が変わってくる。
善意で人助け→何か裏がある
人を殺す→いつもやっている事
などなど良いことも悪いことも、変わってしまう。
人は第一印象からの行動から印象を判断している。と言えてしまう。
そうなると、物語においてキャラ設定を書かずとも、行動だけで語っている事になる。
確かに、必要な文章もあれば書けない文章もある。でも語っていなくても、キャラクターは行動それだけで語っている事を忘れないで欲しい。
その印象1つで強烈な違和感となり、読者は入り込む事が出来なくなってしまう事もあるかも知れない。
逆に考えれば、上手く利用すればちょっと賢い様なキャラクターを書いたりする事もできるかも知れない。
印象を操作すれば、悪いキャラクター→良い隠れたキャラクターを作り出す事が出来る。そういった事も物語に組み込んで見たらこの先、面白い物が作れるのではないか。
2部の観覧ありがとうございました