1部 『備考1』主人公を虐める物語
備考1…作者持論の制作
書く人も、少し違った角度からの物語を作ってみてはどうでしょうか。
読む人も、違った角度の物語を読んでみたら面白いかも
『主人公を虐める物語』書こう
早速賛否が分かれそうな創作論である。
簡単に言えば、物語の山谷はどうやって作るの? という所のお話。
物語で主人公が敵と戦い、勝利する。ある日の日常を描く。移動している時の小話。
そもそも物語っていうのは『何処からどこまでだ?』と考えた事があるだろうか。主人公の物語ってのは、主人公にとって『生まれた時』〜『死ぬ時』まで、ではないか。その日常の1ページを切り取った所で、面白みがあるとは思えない。
状況の変化を描いても、主人公の心情が大きく変化しない物語を書いても日常の1ページと変わらないのでないだろうか。
巻き込まれただけ、それでも解決しました。強い敵に挑みました、でも勝てました。負けちゃったけど、別に何も問題なかった。
小学生が書く夏休みの宿題より酷い事になるのでないだろうか。
それが悪いとは言わない。
しかし、それでは面白いとは別ではないか?
感想は良かった良かったしか言えない。
私だって読んだ本でそういう物があったとしても、面白いと読む。ただ本当の意味で面白いと言えるのは物語全体を通したものではないか。
白熱するバトルから、馬鹿騒ぎする日常、涙を誘う展開。
それに変化させていかなければならない。
『主人公を虐める』
と言う物語が必要だ。極端かもしれない。
主人公が何らかの脅威、状況の変化をせざるを得ない物語に四苦八苦して感情も爆発してしまうくらいの出来事。それに巻き込まないと『主人公にとってただの日常』でしかない。
何らかの理由で力が使えない。仲間が傷を負い時間が限られる。強すぎて歯が立たない相手。
その上で変化された日常は、その前にあった日常と大きく変化する。それはきっと主人公に対しても読む側としても心踊るものではないかと思う。
振れ幅、要は主人公の変化は大きくても少なくても良い。
例えばド○クエの様な世界があったとして
主人公は村息子、村娘。ある日何時も親がしていた薬草を取りに行っていたのを自分がする『小さな変化』
外れにあった伝説の剣を抜いてしまった『小さな変化』
親から王様に会うように説得される『大きな変化』
主人公の『状況や状態』が変化し、小さな変化が大きな変化を呼んで良くも悪くも、それを戻そうとしても戻らない状況を作らせる。
これは日常系の物でも存在して、目に見えないくらい小さな変化でも大きく変化する。
例えば日常系でよく見かけるのは、アルバイトをする。
これは最初の『大きな変化』
そこから仕事仲間が増える『小さな変化』
仕事を教える事になる『大きな変化』
実は主人公の中で変化しているのは『人間関係』だ。そこから自分の『状況』が変化している。
しかも、小さな変化で大きく変わらなくても、今まで同じ人と少し違った会話→1人を加えた変わった会話になる。
それだけでも主人公の周りにも影響を与え、変化する。
主人公を虐めるという事は、物語を強制的に作者が動かすという事。
だけど主人公はそれを拒むか、受け入れるだろう。
他人によって歪められる日常を、毎回受け入れる人が居ない様に。拒む時の主人公が行う修正、それが一番面白くなる。
『勝てない強敵』に対して主人公は死ねのを受け入れるのか?
『抵抗する為に協力する力』が弾かれたら?
脅威は脅威であり、主人公を殺す為の物ではない。しかし、殺すよりも恐怖はある。
それに立ち向かう姿はどうなるのか、予想がつかない。
もし、作る機会があればこういった物語を作るのもいいのではないだろうか。
また、読む側も『どう立ち向かう主人公』を考えて、何時もと違う方向から読むと面白いかもしれない。
どうでしょうか。
少し分かりにくい説明や、理解出来ない部分もあるかもしれませんが。ちょっと楽しむ幅が広がれば幸いです。
最後までありがとうございました