暴動
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王女の回復を知ったグレース王はすぐさま駆けつけた。
「エリザベス!」
「お父様! 今までご迷惑をおかけしました。もう大丈夫です」
「おお…。そうかそうか…」
何年振りかにエリザベスの声を聞いたグレース王は瞳から涙が溢れた。
「そんなに泣かないでください。素敵なお顔が台無しですよ?」
「すまんな…。つい嬉しくて…」
ここでガロアスがガイアから聞いた勇者についての話をする。
「そんな! グレットめ! ずっと嘘をついてきたと言うのか!」
「結婚も絶対にしないから」
「もちろんだ。今すぐあいつを捕らえよ!」
グレース王は使用人に指示を出し、近衛兵にグレットを捕らえさせるようにした。
そのころグレットは自室で結婚式の準備をしているところだった。そこへ、部下の1人が駆け込んでくる。
「グレット様! 近衛兵が入り口に集まっています!」
「ん? 出迎えってことか?」
「いえ! 呪いのことで話があるとのことです」
「なに! なぜバレた! あと少しだと言うのに!」
グレットは怒りにより、力強く机を叩いた。それにより、机が破壊される。
「聞くところによると王女の護衛をしていたユキ・ジグフィードが解呪したようです」
「余計なことをしやがって! その女さえいなければ!」
「いかがいたしますか?」
「その女を捕らえろ…」
「王城にいるので少し難しいと思うのですが…」
「手助けはする」
「承知いたしました」
部下は部屋を飛び出し、グレットは部屋から姿を消した。
王城では結婚式中止の対応で手一杯となっていた。謁見の間が対策室となりガイアやユキ、ガロアスも手伝いをしていた。
「関係者全員に謝罪を! 住民などは暴動が起きないよう、注意するんだ!」
「はっ!」
「それと、グレットはまだか!」
王の元へ一人の男が入ってきた。
「失礼いたします! グレット宅へ行きましたが、雲隠れしたようです」
「おのれ…。対応が遅かったか。下がって良い」
「はっ」
また別の男が入ってきた。
「王城へ侵入者です! すぐにお逃げください!」
「近衛兵は何をしている!」
「グレット宅で足止めを食らっている模様です」
さらに別の男が2人入ってくる。
「スタンピードです! オメガダンジョンでスタンピードが確認されたとのことです!」
「王都でテロが発生! 被害者が多数出ております!」
グレース王は、全てグレットが原因であると察すると共に問題の対処法を模索する。
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