予定の確認
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その日、ガイアとユキはガロアスと共にグレース王への謁見を行うために王城を訪れていた。ヘルマンは街で姿を隠している。
「俺は本当に行っていいの? ただの一般人だよ?」
「大丈夫ですよ。私と父様がいますから」
「そうだ。何も気にすることはないぞ」
使用人に案内されながら3人は謁見の間に入り、王の前で膝をつく。
「面をあげよ」
「「「はっ!」」」
王城に来てから、ガイアはずっと緊張し続けており少し汗ばんでいた。
「そこの男よ。そんな緊張せずとも良いぞ」
「は、お気遣いありがとうございます。王にお会いできるなど光栄の極みでございます」
「そうか。・・・ガロアスよ。今日は結婚式当日の護衛の話だったな」
「はい、そうでございます」
「うむ。護衛は当日だけではなく、前日の夜からお願いしたい。何が起きるか分からないからな。念には念をだ」
「承知いたしました。・・・それで王女様のご病気のほどはいかがでしょうか」
グレース王国の中でも一部しか知らないことではあるが、王女は精神的な病がある。15年前の魔物襲撃事件が原因との意見が多数だが本当の理由は解明されていない。
「うむ。医者にも見てもらっているが、相変わらずだ。だが、勇者といるときは幾分良くなっているように思えるな」
「そうですか。良い傾向ですな」
ガロアスたちは、詳細な予定を確認した後、謁見の間を退出した。
王城を出ると、ガイアは一気に緊張が解けた。
「緊張したー!」
「ガイアくん、すごい汗かいてましたね」
「こんな経験ないからね」
「ユキ、ガイア、ワレは先に帰るがどうする?」
「王都を少し観光してから帰ります」
「そうか。気をつけるんだぞ」
「はい」
ガロアスは乗ってきた馬車に乗り、帰っていった。ガイアとユキは繁華街の方に向けて歩き出した。
「いろんなものが売っているんだな」
露店を見ていると食料や武器、アクセサリーや胡散臭いものなど様々なものが売られていた。
「人が一番集まるところですからね」
「そういえば、ヴァンパイア達は何してるんだろう」
「確かに気になりますね」
「我を呼んだか?」
「おわ!」
ガイアとユキは隣同士で歩いていたが、ユキとは反対を見るとそこにはオリジンヴァンパイアがいたのだ。
「呼んでおいて驚くとは情けないマスターだな」
「いや、今の驚かないわけないでしょ!」
「そうか?」
「そうなの! それで今まで何してたんだ?」
オリジンヴァンパイアは少し舌なめずりしながら答える。
「素敵な女性が多くてね。・・・少し血をもらっていただけさ」
「・・・それって大丈夫なんですか?」
「普通にしていれば何の問題もないさ」
「そうなんですね」
しばらく3人で露店を眺めながら歩いていた。
「マスター、これからの予定はどうなっている?」
「明後日に王女と勇者の結婚式があるから、明日の夜から王女の護衛をすることになった」
「ほう」
「一応オリジンヴァンパイアとヴァンパイアロードにも手伝ってもらいたい」
「いいだろう」
ここでオリジンヴァンパイアとは別れ、家に帰ることにした。
そして、結婚式前日の夜。
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