エイシェントトレント戦1
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「それでは午後の部、第ニ試合を行いますので出場者はお入りください」
第二試合の魔物側はエイシェントトレント。【人化】した状態で入場したため、観客は少しざわついた。
「本当にあれが魔物なのか?」
「【人化】する魔物がいるって聞いたことあるけど」
対する冒険者側の出場者は戦斧使いのルロイという冒険者レベル6の冒険者。派手な技を使うため、ソロとして活動している。年齢は30歳と若めだ。
監視ルームで見ていたユキが、ルロイを見て反応をする。
「あの方、どこかで見たことがあります」
「有名な冒険者とか?」
「いえ、そうではないと思うんですけど…」
「あんた、魔物なんだろう。早く本当の姿になりなよ」
「言われんでもそうするわ。元の姿は移動に手間がかかるんじゃ」
エイシェントトレントはそう言って【人化】を解き、元の姿に戻る。
「これは・・・でかいな」
お互い準備ができたところでタルタロスが合図をする。
「午後の部、第ニ試合。ルロイ対エイシェントトレント・・・開始!」
「これに勝てれば、俺も強くなったと言えるだろう」
「あまりなめるなよ。若造」
「【身体強化】【空歩】」
ルロイは空中を駆け上がり、戦斧を枝に向けて振り下ろす。
「おらっ!」
切られた枝が落ちて行くが、エイシェントトレントの【自己再生】によりすぐに元通りになった。
「そんな攻撃じゃ一生かかっても倒すことなどできぬぞ」
「そのようだな」
「次はこっちから行くぞ」
無数の枝をルロイに向けて攻撃を仕掛ける。それを全て叩き切り、絞め殺されないように防いでいた。
「一本ずつ切っててもキリがないな。じゃあ、【旋風】!」
ルロイは戦斧を振り回し、自分の周りに旋風を巻き起こした。そこに触れた細い枝は粉々になるため、何本もの枝を集めて太くしそれをルロイにぶつける。旋風では防げないと思ったルロイは【旋風】を止め、全力でその攻撃を防いだ。
「嫌な攻撃をしてくる…」
「こんなもので終わるわけがなかろう」
太い枝の対処でガラ空きになっている背中側から細い枝に絞めつけられる。
「ぐはっ!」
「まだまだ行くぞ!【吸収】」
エイシェントトレントのスキルにより、ルロイは生命力を奪われていく。
「くっ…」
俺はこんなとこで負けていいのか…? また、負けるのか…? いや、そんなことはない。あの日、もう二度と負けないと誓ったんだ! たとえ命のかかっていないイベントだとしても、負けることは許されない!
「なっ!」
ルロイは太い枝を戦斧によって切り、細い枝からも抜け出した。
「【炎付与】」
ルロイのスキルによって戦斧が炎を纏った。
「炎か…。少し嫌じゃのぉ」
「ここからが本番だ」
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