対戦イベント開幕
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タルタロスが【人化】した状態で闘技場の中心で挨拶を行う。
「みなさま、本日はここアルフダンジョンにお集まりいただきありがとうございます。私は本日の司会進行と審判をさせていただくタルタロスでございます。今回のイベントは午前の部と午後の部に分かれておりますので詳細は掲示板やチラシをご覧ください。それでは早速はじめてまいります。まずは、冒険者の登場です」
タルタロスの指示により、控室から冒険者が続々と登場した。その数、約50人。
「俺が賞品をもらう!」
「私がもらうわ」
「俺だ!」
「俺たちのパーティーがもらう!」
冒険者達はそれぞれが意気込む。
「続いて、魔物の登場です」
魔物の控室よりスケルトン達が現れる。それを見た観客から声が上がる。
「スケルトンジェネラルがいるのか」
午前の部ではスケルトンキングとスケルトンクイーンは出場しない。この2体が出ればスケルトン達が勝つに決まっているからだ。それくらいSSRランクの力はすごい。
「冒険者レベル4までの奴らで勝てるのか?」
「人数で言えば冒険者が勝つだろうが、どうかな」
冒険者と魔物の両者が出揃ったところで、タルタロスが開幕の宣言を行う。
「午前の部、冒険者対スケルトンの試合・・・開始!」
まずは冒険者側の遠距離からの攻撃。
「【火球】!」
「【速射】!」
これに対しスケルトンメイジが魔法を相殺、スケルトンウォーリアーが弓を防ぐ。
「俺たちもいくぞ!」
近接戦闘の格闘家や剣士がスケルトンに向かう。
「ただのスケルトンなんて俺の敵じゃねえ! おら!・・・防がれた!」
普通のスケルトンであれば防御など考えずにただ、攻撃をするのみだろう。しかし、ここにいるのは修行をしているスケルトンである。そのため、舐めてかかると負ける。見ていた観客もスケルトンの強さに徐々に気がつきはじめた。
「ここのスケルトン強くないか?」
「冒険者が弱いんじゃないのか」
「いや、動きが違う。あれは修行しているやつの動きだ!」
スケルトンを舐めていた冒険者が次々にやられはじめ、戦闘不能になった時点でタルタロスによって場外に出される。残った冒険者は30人ほど。スケルトン達は未だに倒されていない。
「本気でやるしかない!」
「「「うぉー!」」」
冒険者の中の一人、格闘家のロッディという男がいた。こいつは、今まで山の中に籠り格闘術を磨いていたため冒険者になってからの日が浅かった。現在冒険者レベル2だが、その強さはそれ以上。
「こんな強いスケルトンがいるんだな…。これは楽しめそうだな」
鉄でできたグローブをはめ直し、気合を入れる。ロッディは強いやつと戦うことが生きがいだが、住んでいた山に強い奴がいなくなったため山を降りたのだ。
「【瞬歩】」
一瞬でスケルトンに近づき、勢いそのままに殴る。
「スケ!」
その速さに反応できずに、粉砕される。
「まずは一体目…」
その後もスケルトンソードマンやスケルトンウォーリアーも瞬殺していき、残るはスケルトンジェネラルのみとなった。
監視ルームで見ていたガイアも驚いていた。
「早すぎるな」
「とても強いですね」
「あんなのが冒険者レベル4以下とは。これからもっと上にいくんだろうな」
「あの冒険者がいるから他の人たちは見ているだけになっていますね」
「ほんとだね。スケルトン側も残るはジェネラル2体のみ。どうなるかな」
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